私は、当時出版社で図鑑の編集をしていて、毎晩遅くまで仕事をしていました。
かみさんもデザイナーで忙しく、打ち合わせなどで家を空けることが多かったのです。
ですから昼間は、ネコと義母だけが家にいるという状態でしたので、
約束の2階からネコが出ないように注意して暮らしていました。
私は仕事が終われば、チョロに会いたくて飛ぶように家に帰ってきました。
ネコジャラシで遊んでいると、仕事の疲れも、どこかに飛んでゆくように感じました。
かみさんとの間にネコ用のふとんを敷き川の字になって寝ていました。
ネコのおかげもあって、残業続きできつかった時期ですが、すごく幸せで、満たされた毎日でした。
しかし、ある日、2階の引き戸をうっかり少しあけたまま出掛けてしまったのです。
チョロは、好奇心のかたまりみたいなネコでしたから、2階の部屋を出て1階へ。
下にはネコ嫌いのおかあさんが・・・