冬空に横たふ雲の白く見へて涸沼堤の道しずかなり　丹人 ふゆぞらに　よこたふくもの　しろ...

あかあかと燃へて身を焼くもみぢ葉の音なく散れる野田の庭かな　丹人 あかあかと　もへてみ...

南門ゆ檪門にて園内に入れば芝前門に至れる　丹人 みなみもんゆ　くぬぎもんにて　えんない...

国見山ゆ川運びくる寒風に岸辺の木々の染まりゆくかな　丹人 くにみやまゆ　かわはこびくる...

緑色の褪めて写すや空色のネットフェンスに烏瓜の実　丹人 みどりいろの　さめてうつすや　...

一点の雲なき秋の青空を映せる霞浦に浮かぶ筑波嶺　丹人 いつてんの　くもなきあきの　あを...

秋の気を胸一杯に吸ひ込みて見上ぐる空のあばら雲かな　丹人 あきのきを　むねいつぱひに　...

秋深み庵の庭の紫の実の色もまた深みゆくかな　丹人 あきふかみ　いおりのにわの　むらさき...

一点の雲なき空に桜葉の秋を透きゆく白銀の光　丹人 いってんの　くもなきそらに　さくらば...

五日後の月見の準備はじまるや雌日芝(メヒシバ)に盛る水玉団子 　丹人 盛られたる下...