薩摩芋郎 STORY

100の議論より100円の寄付。
人生は100の苦しみ1回の喜び。
SHOCHU IS MY LIFE

天草芋郎・天草放浪記.123

2024-05-25 | Weblog
「お酒のボトル入れてますか?」
手荷物検査で呼び止められた。
「あ、はい、、焼酎の五合瓶です、、」
「恐れ入りますが、確認しますので出して
 ください」
「ぎょ、御意」

昨夜荷物整理のとき、リュックに割れない
ようにと、ヨレヨレのステテコに包んでいた
米ニどんからの大切なお土産を恥じらい
ながら取り出した。
「あ、開けていないですね、OKです」
「ぎょ、御意」
酒を呑んでもいないのに真っ赤になりながら
再びボトルをステテコに包んでリュックに
入れ直した。
眼下の天草を眺めながら
「米ニどん、お主が福岡に来た折には
 一升瓶を手土産にお渡しするでござる」
と、固く誓った。

#X100Ⅵ

天草芋郎・天草放浪記.121

2024-05-25 | Weblog
それにしても喉が渇いた。腹もへった。
「ケッ、コンビニもねえのかよ、、」
祈りの後、舌の根も乾かぬうちに悪態を
つく清らかな心に程遠い煩悩おじさんは
「ま、空港には売店もあるし、もう少し
 我慢しよう、、」
と独り言を呟き、再び急な坂道を恨めし
げに視つめながら黙々とペダルを漕ぎ、
空港へと向かった。

#X100Ⅵ

天草芋郎・天草放浪記.119

2024-05-25 | Weblog
自転車に跨り腕時計を見ると12時半だった。
空港までおよそ1時間として、万年二日酔い
男の昼餉には中途半端な時間だった。
「途中のコンビニでパンでも買って喰うか」
いざ、天草空港へ走り始めた。
・・・なだらかな坂道が延々と続いた。
コンビニどころかお店すらなかった。
途中、神社が現れたので天草滞在のお礼を
兼ねて御参りして行こうと立ち寄ってみた。
鳥居の額束に下河内神社、とあった。


#GRⅢx