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レースの冠をかむったカラスの刺繍をした。
なかなか、うまく出来たと思ったので、
おばあちゃんに見せに行った。
おばあちゃんはそれを見て、始めは
「細かくやったねえ」と誉めてくれていたけど、
しばらくすると
「おばあちゃんは昔、ミシン刺繍の内職をしてた」
と言って、
奥の部屋から、古い着物の帯を持って来た。
その帯には、壮絶に細かい刺繍がしてあって、
それに比べると私のカラスなんか、へへへのへ、だった。
おばあちゃんは、そのミシン刺繍内職で
「外人のシャツの背中に、『双頭の鷲とジャックナイフ』とかもやった」と、言っていた。
その後、サイフの話になった。
私のサイフは、小さいガマ口サイフで、
それにはお札が入らない。
そう言いながら、私の小さいサイフを見せると、おばあちゃんは
「本当だ。これじゃあ、百円札か五百円札しか入らないね」
と、言った。