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いつ会っても、久しぶり。
この前会った時は、すごくボロボロのTシャツを着ていた。
2年くらい前、始めて会った頃から、お気に入りと言っていたそのTシャツは
その頃からもうすでに、首らへんが伸びてヨレヨレだった。
今はもう、いろんな所が伸びきって、
いっぱい破れて、いっぱい穴が開いていて、
背中や肩が、いっぱい、見えていた。
なんか、すごいの着てるな、と思った。
でも、そんなボロになっても大切にされているTシャツを見て、
「この人に愛される人はきっと、しあわせだろうなあ」
とも、思った。
そしてこの人は、モノや、周りにいる人のことも大切にしていて、
私もきっと、大切にされているんだ、とも思った。
私のしてきた数々の悪行を、
許してくれているのか、忘れているのか、
何事もなかったように、なのか、何事もなかったのか、
今でも、やさしい友達でいてくれる人。
うちのマンションで、3ヵ月に1回、大型ゴミを捨てる日に、
有村くんは、やってくる。
まだ使えるのに捨てられた、大量の家具や電化製品。
小さな懐中電灯を持って、「なにかいいものないか」探す。
私も一生懸命、なにか 探す。
その日、私はミシンを、有村くんは古いシンセサイザーを
拾って帰った。
今日は、読みかけの本を持ってでるのを忘れて、
そんな、数日前のことを思いだして 過ごした。