三河木綿手織体験のフルコースの予約をした女性がご来店です。
「綿の事や糸と織物を知りたくて来ました」
三河木綿の手織体験のフルコースの始まりは、綿のゴミ取りから始まるのです。
それは綿と作者の出会いの挨拶みたいなもので、お互いによく知り合うには
大切なことと思います。
そして綿の種とワタを分ける[綿繰り作業]になります。
「凄いですねこの機械」
そうなんです、凄いんです!
木製でハンドルを回すだけで綿の種を取り除いてしまうんですよ、
私の知る限りでは室町時代には存在していた。
この機械の出現し、綿を身に付けて暖を取った事で世界の人口は増えたと思っている。
その後の作業は[綿打ち]である、
そして現れたのが狩や戦で使う弓である、
”何故弓なの?”
体験する生徒は皆そう思う、
弓の弦がブルンと振動すると綿の繊維が飛び散りながら解綿されていく、
この現象を誰が考え実践したのだろうか、
私はガラ紡機を発明した臥雲辰致を思い出すのである。
次に現れるのが糸車である、
「これをやってみたかった」
と感激した面持ちで糸車の操作を習います。
その原理はスピンドルである、
蒲郡の古墳からもスピンドルが出土したことから古墳時代からあったものだ。
スピンドルは独楽の事で綿の繊維を回転をさせて糸にする原理を
誰かが見つけて、より効率的にした機械が糸車(紡錘車)である。
(フルコースでは糸車を使って糸を紡ぐ体験をしていただきます)
作者自身が紡ぎ上げた白糸をシャトルに巻くと織機に向かいます。
織機に座る時、それはワクワクする瞬間です。
綿が糸になり、織物になっていく
凄い!私、糸を紡いでいる!
そんな興奮の中で、次に機織りがはじまります。
いろいろな糸の中から好きな色糸を選び緯糸に織り込みます。
また、ワクワクの時が迫っています。
スタッフから織物が出来る原理と織機を操作する方法を教わりながら
織物体験が進みます。
一本の糸が織られるたびに次の展開が目の前で起きてくるのです。
何も無かったところから今 物が作られ現れて来る
それも手から作り生まれるのです。
そして 作るのはあなたです。