今も日Tugeさんの手紡ぎは続いていた。
「この人なら羊毛をやれるかも知れない」
これは私の第六感である。
何も言わずに作らせてみよう
「独自の発想でオリジナル作品を原毛からやってみたら」
「私で出来るかしら」
「絵の具を混ぜて絵を描いたことはあるだろう」
「好きな勝手にやりなさい」
の一言でメリノの原毛のカーダーが始まった
「こんな感じですが」
「良いね、良い感じになると思うだろう」
Tugeさんは糸車を持ち出して糸を紡ぎ出した。
今までとは意識の持ち方が変わって
「良い感じになって来たぞ」
「そうなんですね、何でもやり過ぎは良くないですね」
二人の脳裏に教える方も教わる人にも完成した作品が見え始めたのだ。
何も言わなくてもこの段階でこの技術が出来る、
それを共有出来る教室で有りたいのだと思うのである。