伏龍とは、太平洋戦争末期に考案された特攻兵器で「人間機雷」と呼ばれていました。
敵の上陸が予想される海岸に簡易潜水具を着用した隊員が潜み、敵の上陸用舟艇が真上を通過する際に、
手にした棒機雷を突き上げて、爆破するという代物です。
当然、隊員も爆死します。
そのほか、数々の欠陥がありましたが、兵器として採用され、数千人の隊員の訓練が行われていました。
隊員は主に、予科練の10代の若者たちです。
開発したのは、横須賀にあった海軍工作学校です。各鎮守府で指導する教員も久里浜で教育されました。
まさに、横須賀で生まれ育った兵器であったのです。
本土決戦が回避されたため、実戦に投入されず悲劇は免れましたが、こんな狂気の兵器を容認してしまう社会情勢であったことが恐ろしいですね。
*写真は、稲村ケ崎に現存する伏龍部隊の地下陣地です。この真っ直ぐな洞窟の先は海面に通じており、そのまま潜水できるようになっていました。