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光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

国立博物館(2013.4.20) 日本画(岩佐又兵衛、久隅守景、英一蝶、司馬江漢)

2013年05月01日 | アート 日本画

先週、4月20日(土)にトーハクに行ってきました。

ミュジアムシアター「三蔵法師の十一面観音」や、大神社展などを見ましたが、やはり撮影もできる本館や東洋館の展示物がいい。

この日は寒くて、冬に戻った感じ、来場者も冬姿の本館前です。  それでは今日は、江戸時代の日本画を紹介します。 

 

屏風と襖絵  安土桃山~江戸の展示コーナです。

迫力ある屏風。   若い女性二人が、しゃがんで鑑賞、メモしていました。

 

 

アップで撮影。   達者な描き方で、岩佐又兵衛の画といわれるのもうなづけます。

 

久隅守景の画も見ることができました。  昨年も国宝「納涼図屏風」山水図を紹介しましたが、今回もいい作品でした。

 

 

アップで撮影。

 

続いて、英一蝶。  風俗画朝妻舟で以前、紹介しています。  

今回は釈迦の涅槃図をパロディにした絵。  流罪にあったりして、権威に対して反発する気質がうかがえます。

 

 

司馬江漢。  この西洋人樽造図は以前にもアップしました。  また、府中市美術館で開かれた「江戸の人物画、姿の美、力、奇」でも、「学術論争図屏風」を見ましたが

浮世絵などの日本画を学んだ江漢の洋画には、日本画の匂いが色濃く漂っています。

  

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国立近代美術館 本館(2013.3.23) 日本画 川端龍子 岩田専太郎

2013年04月14日 | アート 日本画

戦争記録画のコーナに日本画の作品があり、純粋に芸術作品として紹介したいと思います。

川端龍子の「洛陽攻略」

 

 

磨崖仏と合掌する日本兵隊長らしき人物。   芸術作品として、大仏の威厳、祈りが大胆な構図のなかにピタッとはまっており、素晴らしいと思います。  戦争への士気高揚のベクトルは感じません。むしろ平和を祈る意識を感じます。

 

岩田専太郎といえば、美人画の挿絵や表紙などの印象が強く、こんな戦争記録画を描いていたとは・・・と驚きました。

 

 

描かれた特攻隊員の表情は、強い意志を感じますが、右側の見送る近親者でしょうか、多くの人々の表情は暗く、怒りの感情に耐えているかのようです。

この絵も、戦争賛歌ではなく、戦争の愚かさ、悲しさを訴えているような気がします。

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国立近代美術館 本館(2013.3.23) 日本画  下村観山 「大原御幸」

2013年04月13日 | アート 日本画

下村観山の「大原御幸」は以前にも採りあげましたが、一部でした。

今回は画巻全部を紹介します。

大原御幸(おおはらごこう)

明治41年   彩色・絹本・画巻・1巻   52.0×790.0

本作品は『平家物語』などで知られる大原御幸に取材したもの。出家して大原に閑居している建礼門院を後白河法皇が訪ねる光景を、六つの場面に分けて描いている。

 

以前、採りあげたときは、この場面の乳飲み子を抱く女性の顔と、観山の作品「弱法師」の主人公の顔立ちが似ていること述べましたが、昔の絵では、このような顔の描き方があることは結構あることを後で知りました。

 

輿に乗っていく後白河法皇

 

山深い光景。  右に白猿を描いています。  何か意味があるのだろうか。

 

花筐をもって草花を摘む建礼門院。  枯枝を持った尼が、庵に来た後白河法皇の一行を見つけたようです。

 

建礼門院の住む庵で、下男と法皇の従者達。

 

奥の間での法皇と建礼門院。  季節は初夏で、雨戸が上にはねあげられている。  平家物語では、ここで壇ノ浦の戦いで建礼門院が生き残った理由などが述べられ、安徳天皇と平家の菩提を弔う生活がつづられている。
下村観山の絵達者ぶりが感じられる画巻です。

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国立近代美術館 本館(2013.3.23) 日本画 吉川霊華 安田靫彦 横山大観

2013年04月11日 | アート 日本画

日本画コーナの作品。  線描の手法の解説と、実作品による対比が面白い。

パッと見は、印象に残らない絵だったのですが、

 

 

下部の十二単を着た女性たちの繊細な線描に驚きました。  まさに春蚕吐絲描。

 

そして、安田靫彦の「日食」


国立美術館の公式サイトから引用

安田靫彦(1884−1978)
YASUDA,Yukihiko
日食
Solar Eclipse
1925(大正14)年

周の12代天子幽王は、まったく笑うことのない寵妃褒(ほう)じを喜ばせようと、むやみに戦いを知らせる狼煙(のろし)を上げて
その都度あわてふためく諸侯の様子を笑いものにした。ところがいざ本当に前后の父が攻めてくると、狼煙に応じて駆けつける
者は誰もなく、幽王は殺され褒は囚われ、宝物は失われてしまった。安田靫彦はこの『史記』の逸話から想をふくらませて、古代
中国で災いの前兆とされた日食を組み合わせ、おそれおののく王の思かさと不吉な未路を暗示する、色彩を厳しく抑えた格調高
い画面をつくり上げた。第12回院展出品作。

 

中央下部を、撮りなおしたものです。   柔らかく、しなやかな線描が効果を上げています。

 

横山大観の作品。  春蚕吐絲描とは違いますが、柔らかく、にじんだような線が、暮れゆく光景をうまく表現している。  

 

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国立近代美術館 本館(2013.3.23) 日本画 山本春挙、速水御舟

2013年04月10日 | アート 日本画

国立近代美術館(MOMAT)3階の日本画コーナです。

鑑賞環境は抜群で、絵の素晴らしさを堪能できます。 

入口正面には東山魁夷の「残照」、右側に加山又造の作品(撮影禁止でした) 


 右奥に見える作品がこれです。

近くで見ると迫力があります。

 

速水御舟の「浅春」  掛け軸スタイルの絵の写真は小さくなり、良さが伝わりづらいですね。

 

絵の下部を拡大。

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国立近代美術館 本館(2013.3.23) 日本画 菊池芳文、安田靫彦

2013年04月06日 | アート 日本画

 国立近代美術館の工芸作品を紹介中ですが、一旦、休止して、本館の日本画作品を紹介します。

やはり、近代美術館は日本画コレクションが凄いので、そちらを先にします。

 まず4階のハイライトコーナです。  ここでは洋画を含めた重要文化財級の作品が展示されています。 

 

一番手前には、春にふさわしい「小雨ふる吉野 」が展示されていました。  

 

中央左の部分です。  しっとりとした情感が素晴らしい。

 

 

そして、安田靫彦の挿花。  中学生の頃、美術の教科書にこの絵が載っていましたが、なんでこんな絵がいいのだろう?と思ったものでした。

初めて実物を見て、その素晴らしさに驚き、納得しました。  ちなみに、奥村土牛の寄贈なんですね。

 

髪の毛一本一本を描いた緻密さがお分かりいただけるでしょうか。   女性の花を見る視線に一気に引き込まれそうな感じになります。 すごい。 

 

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東京国立博物館(2012.12.6) 日本画 速水御舟、前田青邨

2012年12月19日 | アート 日本画

本館1階の近代美術 絵画・彫刻のフロアから、日本画を。 

 速水御舟の「京の舞妓」

最初みたときは、デロリの印象を受けました。   稲垣仲静の作品にその傾向のものがありましたが、この御舟の作品はよく見るとデロリではなくて、舞妓独特の化粧が異様な雰囲気を感じさせたと思います。   衣装の描写の緻密さは驚きです。

 

 好きな前田青邨の作品です。

 

 「清水」                                                      「本願寺」

  

 

 「上賀茂」                                                  「祇園会」

   

 

 「先斗町」  

 

部分拡大です。  墨の味が素晴らしい。 

 

 「愛宕山」                                                  「三十三間堂」

   

 

 「四条大橋」

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東京国立博物館(2012.12.6) 日本画 山田抱玉、海北友松

2012年12月15日 | アート 日本画

トーハクの日本画作品から

山田抱玉は、江戸琳派の酒井抱一の弟子。  師匠の名前から一字もらっています。   左下の落款の抱の字について、1089ブログで触れられていますが、師匠の書体に似ているとのこと。

絵は、琳派らしさは感じませんが、軽さや温かみを感じます。

 

 海北友松の琴棋書画図屏風。  

海北友松は狩野派で学んでおり、本格的な日本画を描きます。

 

 部分拡大したものです。  唐美人を描いているのですが、昔は下膨れの顔立ちや小太りした体形が美人の基準だったのでしょう。

 

 

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東京近代美術館(2012.11.23) 日本画#2 下村観山、川端龍子、加山又造

2012年12月01日 | アート 日本画

日本画の前編が人物像が主題となっていたのに対し、今日は自然を主題とした作品です。(展示されていた順に紹介しています)

下村観山の木の間の秋。 解説にもあるとおり、酒井抱一の作風を感じさせます。

 

 川端龍子は背景を黒くした草花。  デザインにインパクトがありますが・・・何か足りない感じ。

 

加山又造の作品で以前にも紹介しました。  そのときは展示コーナのなかでもピカイチの作品でしたが、今回は他の作品が強烈で印象度が下がります。

 

 

 展示室も絵になります。

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東京国立近代美術館(2012.11.23)日本画#1上村松園、安田靫彦、小林古径、小倉遊亀、土田麦僊、村上華岳

2012年11月30日 | アート 日本画

東京国立近代美術館の日本画コレクションはいつも凄いと感心します。

今回は、そのなかでも選りすぐりの逸品が展示されていました。   大半は既に見たものでしたが、初めての作品もあり改めてため息でした。

何よりも、リニューアルで展示室が日本画だけの部屋となり、照明もご覧のように適度なものとなり、鑑賞の質が大きくアップしています。

 

入室したときの正面に掲げられた上村松園の作品。  気品の高さに脱帽。

 

 

続いて小林古径。  艶やかで、織り糸のようにピンとした雰囲気を漂わせています。

 

安田靫彦の黄瀬川陣。  以前、見ましたが照明の改善で、鮮やかさは絶品でした。 

 

 

 

 

そして小倉遊亀。

以前、「浴女 その二」を見たとき、是非その一を見たいと思っていたのが叶いました。

 

12月1日 追加の作品です。  小倉遊亀の作品と同じく別フロアで展示されていたもので、照明等に違いがあります。

土田 麦僊の個性がでています。

 

村上華岳の「日高河清姫図」   一見?違和感を抱いたのです。


清姫の表情が哀しみながらも清楚な感じがして、鬼気迫る・・・?と思ったのですが、拡大してよく見ると、清姫の後髪が異様な形をしていて、不気味で怖い。

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東京国立博物館(2012.7.28)  風俗画 英一蝶 尾形光琳

2012年08月27日 | アート 日本画

トーハクの作品紹介に戻ります。

英一蝶の人物雑画巻が面白い。   
英一蝶は、以前、朝妻舟の絵を紹介したときに略歴を述べていますが、江戸の風流人で人気絵師でしたが、47歳のときに島流しの刑にあっています。
生類憐みの令に違反(釣りをした)して、三宅島に12年流罪されたのですが、江戸に戻って、また旺盛に作品をつくったようです。




大原女でなくても、当時の女性は仕事として薪を売りに行っていたのでしょうか。   咲き始めた桜の枝を折って取ろうとする娘と、それを微笑みながら見る娘。
軽妙な筆使いです。

 

三人も乗っている馬篭は始めて見ました。   小僧は食べ物の売子でしょうか。

 

猿回しが、吠える犬に困っている図。  

 

馬方達の仲間喧嘩でしょうか。   馬まで喧嘩しているようです。

 

何をしているのかよく分かりません。  不動明王などの木像の掃除にしてはおかしいし、悪戯書きをしているとも思えないし・・・

 

変って、尾形光琳の仕丁図扇面。
仕丁は古代の中央官吏などに仕えた雑役夫。  あっさりしたデザインですが、人物が生き生きとしています。

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東京国立博物館(2012.7.28) 山水画 雲谷等顔 久隅守景 

2012年08月23日 | アート 日本画

山水画もいい作品がありました。

雲谷等顔は、初めて聞く名前でしたが、力量は一流です。  
右側の屏風です。

 

拡大です。  緻密ですね。


左側の屏風


拡大したもの

 

次は、久隅守景です。   守景の国宝「納涼図屏風」は今月5日に紹介しました。  一緒に紹介しても良かったのですが、同じ作者でも趣きの異なる絵なので、別にしました。
この山水画は超一流の絵師が、時間をかけずによくある山水画のパターンを、軽快に描いているように見えます。  

 

 

上の絵の拡大です。  典型的な山水画の水辺の光景

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東京国立博物館(2012.7.28) 久隅守景 

2012年08月05日 | アート 日本画

見たいと思っていた久隅守景の「納涼図屏風」(夕顔棚納涼図屏風)を見ました。

いいですね。   制作されて400年は経っているので、薄汚れた印象はあるのですが、晩夏の夕べの空気が感じられます。  しかし、月を眺めているという説明は?です。

 

親子の部分を拡大。  夕顔の描き方の軽やかさと、親子の人物の丁寧な描き方の対比。

 

人物をさらに拡大。 
月見を楽しんでいる顔には見えない。  夕涼みで外に出ている人も多いだろう・・・そういう何でもない光景を、さして興味深くもなく見ている・・・という場面を想像します。
確かに、月を見ているほうが高雅な詩情が感じられるかもしれませんが。
 

当時の絢爛、豪壮な日本画の流れのなかで、軽やかに庶民の風俗を描いた本作は、日本の国宝として早々と指定されたのもうなずけます。
久隅守景の紹介は、こちらの記事で。

 

続いては、岸駒。  納涼図とは180度異なる伝統的な日本画です。

 

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東京国立博物館(2012.7.28) 竹内栖鳳 横山大観 前田青邨…朝鮮之巻

2012年07月30日 | アート 日本画

竹内栖鳳の作品。   旧来の日本画(山水画)とは違い、自然な描写がすんなりと受け入れられます。  
西洋画とも違う、当時としては意欲的な作品だった。




 


伝統的な山水画ですが、デザインや描き方に大観独自の個性が出ています。




 


さて、前田青邨の「朝鮮之巻」ですが、2011年6月3日のブログで紹介しています。
今回は昨年とは撮り方を変えて、絵巻らしく横長に撮って見ました。
改めて、前田青邨の風俗描写の、精緻でいて軽やかなタッチの凄さに驚きます。
今では見られない、白衣の民族衣装をほとんどの人がまとい、洗濯や物売り等々、日常生活のさまがリアルに見られます。








中央部の拡大です。  軽いタッチで人物の特徴などを描き分けています。






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東京国立博物館(2012.7.28)  小林古径、土田麦僊

2012年07月29日 | アート 日本画

昨日トーハクに行って撮ってきた日本画です。
トーハクの日本画コレクションも素晴らしく、いつ行ってもため息がでるような作品に出会えます。

今回は小林古径の「踏み絵」から紹介します。

 

中央部の女性の拡大です。   表情が素晴らしい

 

土田麦僊の「大原女」。   左右の屏風の大原女の表情や、衣服の青が印象的です。

 

大原女を部分的に撮ったものです。

 

 

中村 岳陵のこの作品は、最初見たときつまらないと思ったのですが、なんとなく良さも感じてきて撮って見ました。

 

 

紹介した日本画のある近代美術の展示室。

 

 

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