4月26日(木) シネマート新宿で映画「劇場版 再会長江」を観ました。
朝10時からの上映、55席の小ホールに、客は十数人でした。
感じるものが多くあった。
リアルな中国の庶民の姿、それも、この10年で、激変している・・・
もちろん、長江のダイナミックな景観にも、魅入られた。
竹内監督の制作への思いとあらすじ。
竹内監督は、10年前にNHKの番組、『長江 天と地の大紀行』を撮影したが、納得していなかった。
通訳を介しての表層的なインタビューに終始して、中国人がどんな暮らしをして、何を考えて生きて
いるのか全く理解できておらず、作品は浅かった」と。
また、チベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を撮影できなかったことにも後悔があった。
その後、2013年に日本から中国南京市に移住し(中国人妻も)、インフルエンサーとして活躍。
いまやフォロワー数1000万人、“中国で最も有名な日本人”になった。
そして、2021年から2年をかけて、長江6300キロをたどる旅に出る。
道中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、長江を通して中国の10年の変化を見つめ、「最初の一滴」を
記録するべく源流を目指す。
再訪した、長江で生きる様々な人々、重慶の棒棒(バンバン)と呼ばれる港湾労働者
の老人。「教養がないからこれしかできない」と話す。
坂の多い重慶と、竹内監督
ダム建設に伴う“ダム移民”で故郷を失い、豊かな暮らしを得た村人や、
伝統的な通い婚をめぐり揺れる少数民族(中国最後の母系社会モソ人)の女。
バックは、透明度が高くて美しい濾沽湖(ろごこ)。
とりわけ、雲南省シャングリラのチベット族の少女、茨姆(ツームー)との再会は印象的だ。
前作で、彼女は観光客に子羊との写真を勧めて日銭を稼いでいた。
今回、再会した時、彼女は大きな民宿を経営していた。
それは彼女が手紙で綴った夢の実現だった。
経営は、コロナ禍で大変なようだが、将来の夢も語っていた。
竹内は、前作の後、茨姆(ツームー)と彼女の母親を上海に招待しており、母親は、人生最高の思い出
だったと涙を浮かべた。
前作ではナビゲータとして、イケメン俳優の阿部 力が前面にでており、どうやら、茨姆(ツームー)は
阿部 力に恋心を抱いたようで、今回、阿部 力がいないのを残念がっていた。
映画の最後に、茨姆(ツームー)と阿部 力が、スマホで再会する場面があり、茨姆(ツームー)の顔に
涙がこぼれ、カメラから顔をそらして、涙を手で拭く姿に、私も心が熱くなった。
茨姆(ツームー)は6年ほど前に、親が決めた相手と結婚しており、結婚式まで、相手の顔は知らなかったと・・・
10年間で、中国は驚くべき経済発展を遂げ、誰もが貧しかった頃の、純真さは薄まったようだ。
強く狡く、利己的でないと競争社会を生き抜くことはできなくなった・・・日本や韓国のような、負の
側面も、強くなってきているようだ。
中国というと、政治絡みで、とかく批判的に見る人が多い。
がしかし、庶民の姿を通して、今の姿を、謙虚に見ることが大切だと思った。
それにしても、長江のスケールは大きい。
長江沿いの名所の景色、名前は忘れた。
チベット高原