制作年 1885年頃(原型) ブロンズ
制作年 1885年頃(原型) ブロンズ
2021年11月17日(水)は下記の展覧会に行くはずだった。
「アート展 TAMAVIVANTⅡ2021 -呼吸のかたち・かたちの呼吸- 」
多摩美術大学 八王子キャンパス アートテークギャラリー
ところが、朝、飼い犬の”ニキ”が下痢と嘔吐をしたため、急きょ翌日に変更。
間抜けだったのは、会期が17日までだったのを忘れてしまったこと。
翌18日、ノコノコと多摩美術大学 八王子キャンパスのギャラリーに着くと
あれっ、看板がない? 中に入ると、ん?撤収作業中
ここで手帳を確認すると会期は、昨日で終了している!・・・ (*。◇。)
でも、諦めずに、作業中の学生さんに、フロアに並んでいる吉川かおり作品を
撮影してよいか尋ねるとOKだった。 もう一人の目当てである、木坂美生さん
の写真作品は撤収されていた。 このお二人は、銀座ギャラリーカメリアでも
展示され、廊主の原田直子さんが、SNSで紹介されていて、興味があったのです。
撤収前のフロアに並んでいる吉川かおり作品
会場では、作品のキャプションは撤去されていたので、作品名の分からないもの
があります。
この作品がそうです。
《遠いところで》2021 70×31×32cm 透明水彩絵具、石粉粘土、鉄、ガラス
《消えゆく街》2021 39×23×24m 透明水彩絵具、石粉粘土、ガラス
接近撮影で
《出航》2021 70×31×32cm 透明水彩絵具、石粉粘土、鉄、ガラス
こちらの作品もタイトル等が分かりませんでした。
いかがでしたでしょうか。
ほっこりする癒しもあるのですが、何か心を騒がせるものもあります。
アーティストのメッセージを抜粋して紹介します。
・・・近作では、意識して絶滅危惧種の動物をモチーフにすることが増えてきているのだが、彼らの持つフォルム
の美しさと、生き抜く強さと、同時代を生きるものの使命的感情が自然に制作に向かわせるのである。
彼らの作り出す雰囲気を私が壊すことなく作品に代えて、静かに鑑賞者の場所に遣わすことができていれば作者
としては幸せである。
さー、大晦日。
ドジなことも多々あったけれど、今日は忘れて美術展の締めとしましょう。
皆さん、良いお年を!
村上隆の「スーパーフラット・コレクション展」の途中ですが、昨日行った
棚田康司展 「バンドゥン スケッチ」が良かったので紹介します。
会期:2016/04/06 - 2016/05/14
場所:ミヅマアートギャラリー
都心の市ヶ谷駅から、外堀通り沿いに歩いて7、8分のところにある
ミズマアートギャラリーは初めての訪問です。
毎日新聞夕刊の紹介記事をみたのが動機です。
入口からみた作品群。 全部で12体あるのですが、紹介するのは10体です。
《不安少年のトルソ》 表情がいい。
少年ですが、少女のようにも見え、中性的な表現です。
版画のポール・ジャクレーを思い出させますが、訴えかけるような表情のこの作品、堪らないですね。
棚田は、2015年10月にインドネシアのジャワ島西部の都市、バンドゥンへ渡り、
2ヶ月間の滞在中に制作した、12体の少年少女のトルソが、展示の主体です。
作品はすべて「一木造り」でできています。
この作品は、帰国後に造ったもので、これも魅力があります。
ヌードなんですが、パンツをはいていて、なにかこだわりがありそう。
仏像で一木造りはよく見ますが、現代彫刻で若い女性像の一木造りは面白い。
昔、冬の秋田で見た、被り物をつけた少女を思い出しました。
これも中性的な表現ですね。
展示室の奥に和室があり、そこに置かれた作品。
こちらの《体操の少年》も素晴らしい。
インドネシア女性の雰囲気を持つ作品。 ここでもパンツが。
身体トルソ。 パンツが気になる。
会期終了が迫ってます。 ギャラリーは無料で撮影OKです。 おすすめです。
9月13日(土)に西洋美術館と国立博物館を観てきました。
西洋美術館には4月12日にも行っており、作品はまだ紹介してなかったので、今回の撮影分と併せて
紹介します。
最初は、彫刻。 西洋美術館は、前庭にロダンなどの大型彫刻が、展示室内には中、小型の彫刻が
展示されています。 この作品は、常設展入口の部屋にあるロダン作「うずくまる女」
私は「うずくまる女」を見て、ロダンの愛人だったカミーユ・クローデルを表現していると感じました。
もとは、ロダンの「地獄の門」 の「考える人」の左隣に置かれたレリーフが「うずくまる女」の原型です。
(2013.10.19撮影の写真と、上部を拡大したもの)
「うずくまる女」は、1882年頃の製作となっており、「地獄の門」の「うずくまる女」はカミーユと出会う前の制作です。
単体の「うずくまる女」は、1906~1908年頃に拡大して制作した作品。 カミーユがロダンと別居したのが1892年、完全に決別したのが1898年。
ロダンの意識のなかには、「うずくまる女」とカミーユのイメージが、重なっていたように思います。
カミーユ・クローデル
そして、この作品「私は美しい」 これも地獄の門から切り出した作品。(右側の柱上部にあります)
また、ここで抱きかかえられているのは、「うずくまる女」です。
1885年の制作とすれば、二人の愛の絶頂期の頃ですが、冷たく悲しい結末を予感させるような不安を女性像に感じます。
この作品も地獄の門の右扉にあるレリーフの切り出しです。 「フギット・アモール(去りゆく愛)」
不貞の愛で地獄に堕ちる男女、あるいは《破滅への路》という別名で、苦悩する男と女を顕わしていると解説されています。
この作品にもロダンとカミーユのイメージが重なります。
1階の中庭に面した展示室の作品。
ロダンの弟子のブールデルが、独立後につくった作品。 自然な安定感があります。
ロダンの厳しい作品を見た後の、マイヨールの作品は、心が落ち着きます。
以前にも紹介していますが、展示部屋が変わり、照明も変わっていますので再度、撮ってみました。
1月19日(日)に東京国立博物館(略称トーハク)に行き、帰りに西洋美術館前庭のロダン「考える人」
を撮影しました。 時刻は15時40分。
後ろ側からお尻を眺める位置が新鮮に感じました。
背骨から尾てい骨、脇腹や足の骨格と筋肉…迫力です。
この時は、上の2枚を撮っただけでしたが、お尻側の「考える人」が印象に残りました。
そして、2月2日(日)朝倉彫塑館・谷中霊園を観ての帰り、再び、「考える人」に寄ってみました。 時刻は午後3時。
「考える人」を撮る位置は、一般的にはこんな感じだと思います。
また、サイドに回り込んでカシャ。
後ろから。
このとき、ロダンのサインが土台の隅にあるのを見つけました。
左側の土台部分にもあります。
その位置から、像を見上げて撮影。 やはり、迫力。 当初、「詩人」という作品名だった。 地獄門を見て悩むダンテあるいは、ロダン自身の姿
などと言われるが、単純にエネルギーに満ち溢れた肉体と煩悩に沈む姿が、芸術的な高みに昇華した傑作として評価したい。 その意味で、後ろ姿は
この作品の性格を、よく顕わしていると感じた。
次は、ロダンの弟子、ブールデルの「弓をひくヘラクレス」
この角度からが面白い。 私は、後ろ姿を好むようです。
国立西洋美術館の前庭にある、彫刻群を撮り貯めていたので紹介します。
平成26年1月11日(土)、東京国立博物館の帰りに撮影。
もう夕暮れでした。(16時30分頃) 右は東京文化会館。
左横の西洋美術館前庭に入り、ロダンの『カレーの市民』を撮影。 彫刻越しに月にピントを合わせました。
彫刻にピントと露出を 合わせ直して撮影。
夕刻の空のブルーと響きあっていました。 以前、紹介したものと違った感じです。
西日の当たる像と、冬の樹木にも詩的な雰囲気 を感じます。
こちらは、谷中霊園からの帰途に、撮影したもので2月2日15時半。 3枚前の写真は、1月11日16時半で、明るさに違いがありますが、撮る位置は同じですね。
足元と台座。 ロダンの署名があります。
次回にロダン『考える人』のお尻などを紹介します。
ラグーザ「日本の婦人像」は2013年10月19日トーハクで撮影、萩原守衛「女」は2013年11月16日東京近代美術館で撮影。
両作品とも、過去に何度も紹介していますが、今回は顔のアップをメインに紹介します。
「日本の婦人像」のモデルは、後にラグーザの妻となった清原 玉さん。
少し恥じらいだ表情ながらも、芯の強さを感じる。 驚いたのは、顔の肌を拡大すると、リアルな人間の皮膚のよう!
目もと、くちびるが堪まらなく色っぽい。
萩原守衛の「女」は、トーハクでも以前、展示があり、360度回って撮った記事もあります。
今回の撮影の顔のアップですが、写真をながめていると、女性の左目から涙がこぼれているように見えます。
心のモデルであった相馬黒光の件を、2010年6月28日の記事で紹介していますが、ラグーザの彫刻の明快さとは対極をなす、悲しみの情念を感じます。
この彫刻では肢体も重要なポイントですが、この写真ではそこを伝えられていません。すみません。
10月19日(土)東京国立博物館で京都展などをみての帰り、西洋美術館の横にさしかかっています。 夕刻の5時少し前。
フラリと西洋美術館の庭に入り、夕日に照らされる「考える人」を撮影。 この庭では、ロダンの彫刻作品として、「カレーの市民」しか撮ってなかったのですが
この日は気分が変わった。
そして「地獄門」。
照明と夕日の効果か、陰影が美しい。
門の群像とその前の人々、共通点は何もないようです。
先週になりますが、7月13日(土)、科学博物館の「深海展」→東京国立博物館→国立西洋美術館と科学とアートのはしごをしました。
先に、西洋美術館から紹介します。
実は、西洋美術館は行く予定がなかったのですが、トーハクを見終えての帰途、コーヒーでも飲もうと西洋美術館にはいったら、今日は無料観覧日ですとの
案内で、誘われるように常設展に入った次第。
西洋美術館は久し振りで、前回行ったのはブログを始める前になるので、ブログ記事に採りあげるのも初めてになります。
最初の写真は、西洋美術館を見終って帰るとき、前庭で撮ったロダンの「カレーの市民」です。 木々の緑とムクゲが似合っていました。
ロダンの彫刻作品は館内にも展示されていましたが、前庭に展示されている作品(「地獄門」や「考える人」)が圧倒的な迫力ですね。
館内の彫刻作品で印象に残ったのはマイヨールの「夜」です。
柔らかで豊かな女性の肢体は、不思議な安定感を湛えていて、しばらく見とれていました。
今回のトーハク東洋館の展示品のなかでブルッときたものに、中国の石刻画芸術があります。
まず、その作品を 「画像石 西王母/馬車/狩猟」
(この写真は1月14日に追加)
右側上部の拡大です。 人間の顔に見えるのは西王母とその横の従者だけで、それ以外は獣(犬に見えます)や鳥の顔で描かれた人体、兎の耳の先の鳥頭?の奇怪な画に驚きつつも、アートとしての素晴らしさに脱帽。
西王母の顔を見ていると谷中安規の版画「自画像」を思い出しました。
狩猟の場面を再度
獣頭の人体が猟犬で狩りをしていて、不思議な感覚になります。 手にしているテニスラケットのようなもの・・・鳥を捕る道具でしょうか。
馬や犬など動物の描き方も躍動感があって素晴らしい。
この石刻画(画像石)芸術について、 トーハク公式サイトから説明を引用します。
「後漢時代(1~2世紀)の中国山東省や河南省南部等では、墓の上に祠(ほこら)を地下には棺などを置く部屋である墓室を石で作っていました。これら祠や墓室の壁
柱、梁などの表面には、先祖を祭るために当時の世界観、故事、生活の様子などを彫刻して飾りました。画像石と呼ばれるこれらの石刻画芸術は中国の様々な地域で
流行しました。とくに画題が豊富で優品の多い山東省の作品を一同に集めて展示。」
次です。 中国山東省 孝堂山下石祠 後漢時代・1~2世紀
Cの部分 建物/丁蘭と木偶ほか 丁蘭というのは中国の「二十四孝」にでてくる親孝行で有名な人物名。 儒教の影響がでています。
部分拡大です。 簡潔な線刻で見事に表現しています。
右側のAです。 「蟇蛙/禹他」
部分拡大。 表情や姿態に味があります。
後漢時代に流行った画像石、その内容から読売新聞に連載された宮城谷昌光の「草原の風」の挿絵を思い出しました。 後漢王朝を樹立した光武帝の小説で、挿絵は原田維夫(つなお)氏です。
連載を読んでいたときは、挿絵の素晴らしさに驚くばかりでしたが、源流となる画像石を見て、納得した次第。 下に挿絵を引用しました。(本よみうり堂のサイトから)
次の作品も凄い。 「舞人と楽人」
舞人の部分。 躍動感のある表現、 線だけの顔の表情なのに豊かなニュアンスを感じる・・・素晴らしい。
次は「羊頭」。 吉祥の因縁があるのですね。
最後は「厨房と酒宴他」 画像はフィルタ処理をかけています。
右側の1.2.3.4.5にあたる部分です。
左側の部分です。 左上には、犬の解体が描かれている。 当時は犬を飼いもするが、食用にもしていたようだ。 日本の縄文時代もそうだった。
中国の石刻画芸術のコーナは、東洋館4階の第7室になります。 4月7日までの展示です。
以下、1月14日に追加したものです。 4Fの展示風景(1月13日撮影)
ラグーザの「日本の婦人像」は常設展示のようで、いつ行っても本館1Fの近代美術の部屋で会えます。
毎回、行く度に挨拶して、撮影していますが、毎回紹介するわけにもいかず、過去2回の紹介で終えています。
1回目(2009.12.14)、2回目(2011.01.20)
今回、久し振りに採り上げました。
眼元、口元に可愛らしさ、色気を感じます。
周りの雰囲気も含めて
多くの人は、絵画のほうを見て、この彫刻を見る人は少ないのです。 確かに遠目では目立たないのですが、・・・・もったいない
今回は、カメラの機能を使って、イラスト風にしたのもアップ。
東京国立近代美術館(略称MOMAT)に戻って作品紹介を続けます。
MOMATでは、彫刻の作品展示は少ないのですが、まず
戸張 孤雁の「老母寿像」
年輪を刻んだ老母の深い眼差しが印象的です。
舟越 保武の「アザレア」は以前にも紹介しました。
そのときは、茶灰色の大理石の台座にのっていましたが、今回は白い陳列台にのって、より雰囲気に合っていました。
この彫刻も以前からあり、気になっていたのでしたが説明プレートが離れたところにあり、今回初めて作者などが分かりました。
腰からお尻にかけてのボリューム感が印象的。
耳といえば耳ですが、ピカソ風の横顔ととれないこともない。 耳管にあたるむき出しの左半分とアルミののっぺりとした右側の対比が面白い。
12日に行った国立近代美術館の平常展示から、彫刻を紹介します。
島原の乱の舞台「原の城」をタイトルとした彫像。
表情の造形に打たれました。
同じく 舟越 保武の「アザレア」
アザレアは西洋ツツジの花の名前ですが、大理石を彫った石像の乙女の雰囲気に合っていました。
なお、東北にゆかりのある作家には、「東北を思う」と題した青色の説明が着いています。
今年、逝去された佐藤 忠良の作品で「群馬の人」と「うずくまる裸婦」
シンプルな造形のなかに強い精神性を宿しており、さすがだと思いました。
ラグーザの「日本の婦人像」が今回もありました。 常設展示だとしたら嬉しい。 トーハクに来ると、恋人にあう感じでこの彫像を見つめます。
詳しい紹介は2009年12月14日のブログで。
今回は、全方向から撮ったのと、現像で露出や彩度を調整してみました。
目鼻くっきりの西洋型美人ではないのですが、えもいわれぬ日本女性の美しさ、色気を感じます。
バックから撮ってみました。 この写真はほとんど現像で手を加えていません。
横顔は少し印象が異なります。