光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

美術展散歩 「アール・デコ光のエレガンス」

2012年09月02日 | アート ガラス

9月1日(土)は美術展散歩で

■「アール・デコ光のエレガンス」 パナソニックミュージアム

■美術展ではないのですがパナソニックミュージアムの隣にあった鉄道歴史展示室

■「ドビュッシー、音楽と美術」ブリヂストン美術館

を巡ってきました。  いずれも、写真撮影は禁止でしたので、リーフレットなどから転載させてもらっています。 

 

まず、「アール・デコ光のエレガンス」を紹介します。  新橋駅から汐留へ歩いて5分もかからないところにパナソニックのビルがあり、その4階がミュージアムでした。


会場に入ると、このとおり展示品がきらめいています。  パナソニックのLED照明も効果を上げているようです。
作品のなかには、都の庭園美術館で見たものも。


 


本展の中心となるのがこの一角です。   ルネ・ラリックの作品が多く展示されていました。  特に中央右奥の居間のインテリアは美しい。


この居間の奥に、庭園美術館にあった天井灯が展示されていました。  庭園美術館で撮ったものを再掲します。



 

ルネ・ラリックのガラス作品はさすが。  この記事の冒頭のポスターにあるインコの常夜灯が素晴らしい。  当時は香水をいれて香りも楽しんでいたとか。  頭の中で、余韻を楽しめました。

 

最後に、アール・デコ時代のポスター、カッサンドルの「客船ノルマンディー号」。
客船の偉容を見事に表現。  

常設展示はルオーの絵画作品でした。

 

パナソニックビルの4階に上がるとき、窓から古い建物が見えたので、アール・デコ展を終えて、その古い建物に行くと、 鉄道歴史展示室でした。

鉄道初期の新橋駅の真上に建っており、駅舎外観は当時を復元したもの。 

なかでは、修学旅行の100年など企画展示をおこなっていますし、新橋駅の石段や基礎の遺構が見られる仕掛けになっています。

このブログをつくるため、 鉄道歴史展示室のWebサイトを見て気がついたのですが、駅舎裏には鉄道とプラットホーム(復元したもの)があるではないですか。

下の写真はwebサイトから




  

せっかくカメラを持っていたのに、気がつかずに去ってしまいました。  なお、建物正面を撮っても良かったのですが、なにか気乗りせずカメラは使わずじまいでした。  残念。

ドビュッシーは次回に。

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国立近代美術館 工芸館  ガラス

2011年08月31日 | アート ガラス

しまシマ企画のガラス編です。
石井康治氏のガラス作品は、デザインや色が美しく、いつも感心します。
この、礁も海の色や、さざ波の光の揺らめきが感じられます。


この環状紋盤、以前にも取り上げましたが、何度見ても美しい。



この作品は、8月26日に紹介した「金赤三色花紋鉢」と同じ作家で、ヴァリエーションとなる作品です。
黒と紫(淡いグレーがそうだと思います)で、ある種のムードを醸し出しています。



ヤン・ゾルチャックという初めて聞く名前の作家ですが、面白い作品だったので4点ほど角度を変えて撮影しました。




器だとか鉢だとかの用の工芸品ではなく、ガラスのオブジェですが、魅力的でした。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その14 ロマノフ王朝の威光

2011年07月30日 | アート ガラス

「皇帝の愛したガラス」展のラストです。
ロシアのロマノフ王朝が集めたガラス芸術のコレクション、見がいがありました。






中国磁器を模倣したものですが、上手にガラス芸術に昇華している。 でも、花器に蓋?



類似作品が世界にない、複雑な技法でつくられたもの。



アール・ヌーヴォのガラス芸術の大家であるガレの影響を如実に感じる作品。
絵柄のデザインがしっかりしている。



冬宮のニコライ二世と皇后の私室にあった作品。 柔らかなムードが溢れる。






最後にエルミタージュ美術館の紹介です。
以前にNHKの特集でエルミタージュ美術館が紹介されているのを見たが、素晴らしいですね。  特に地下水の豊富な地形を利用した噴水などの造作は、美術・工芸作品に華を添え、美術館全体がアートとなっている。
一度、訪れてみたいものです。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その13 ロマノフ王朝の威光

2011年07月29日 | アート ガラス

端正な形とブルーが調和していいですね。



ガラスでこのモザイク画は大変な労力ですね。





花器と杯の中間的な形で、装飾品と して作られたものですが、機能美が欠けている点で魅力に乏しいと思います。





デザインと微妙な色がいい。
 



可愛い感じです。
 

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その12 ロマノフ王朝の威光

2011年07月28日 | アート ガラス

「皇帝の愛したガラス」展も最終章に入ります。







女帝エカテリーナの横顔が描かれているのですが、写真ではぼやけてハッキリ見えません。 技術のまずさですみません。



豪華な燭台。  蝋燭を灯すとさらに雰囲気が出るのでしょうが。






ルビーグラスの赤、ロシアでは「赤い」という言葉は「美しい」と同じ語源とか。  製造時に金を用いて赤いグラスを造る技法は17世紀ドイツで発明されていましたが、その技術は秘密とされ、やがて失われたため、ロシアでは18世紀半ばに実用化された。
美しいデザインで影もいい。



展示光景

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その11

2011年07月27日 | アート ガラス

 「皇帝の愛したガラス」展に戻ります。



アール・ヌーヴォ、アール・デコの登場で、ガラス芸術も大きく進化し、展示の見所となっています。



アラビア様式のデザインが1870年代後半に流行しており、J&L.ロブマイヤーの工場でも、そのデザインを採り入れた、コップなどを、皇室に納めた。



花器に花の絵を描いているので、花器そのものを鑑賞するためのように思えます。  美しい花器です。



複雑な処理をして、陶磁器に近いものをつくりだしていますが、色合いが地味かな



これもアラビア様式。  色合いやデザインはいいですね。



アラビア様式。 パリ万国博で1位になったメーカの作品とか。 万国博ではコンクールが行なわれていたんだ。



 ガレの有名作品らしいのですが、欲しいとはおもわない作品です。



 この作品は独特のムードを持っています。



ガレの作品が続きます。 



なぜか、日本の初代宮川香山の作風を思い出しました。 



美しい花器です。  これだと、花を生けても映えそうです。



色あい、花のデザイン 素晴らしい。



これも有名作家の作品らしいのですが、私にはいまいちでした。
 

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その10 手仕事の小宇宙

2011年07月25日 | アート ガラス

手仕事の小宇宙
ガラスビーズの生産は18世紀半ばに開発された新たな技法の登場により、広くヨーロッパ各地に普及し、ビーズを用いた刺繍や手工芸が隆盛を迎える。  関係ないのですが、うちの女房も最近、ビーズを使ったリード造りに夢中になっています。
ペテルブルグの宮廷では、装飾品が流行しており、靴用の装飾品としてガラスビーズで飾った留金が作られた。
 



ロシアの貴族社会では嗅ぎタバコが流行したようです。



この衣装は、狭い凹みに展示されていて、クローゼットのなかにあるようなイメージでした。 
着る人を選ぶようなデザイン。



デザインも粋です。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その9 ヨーロッパ諸国の華麗なる競演

2011年07月24日 | アート ガラス

展示会でも人気を集めたシャンデリアと燭台。  実は、それぞれ製作年代が違い、一体のものではない・・・一緒に並べるのはおかしいのでは、と貸し出し元のエルミタージュ美術館が指摘したらしいのですが・・・でも、全体としてアンサンブルが調和しています。
製作年代が新しいのは、シャンデリアと壁掛け照明器具。  1903年作で、パリ、ウージェーヌ・ソローの作品。
2階のホールに置かれているのですが、いい雰囲気です。



中央の燭台は西ヨーロッパで18世紀後半の作品。
円形盆と3枚の盛り皿のついた菓子器(4個)は、パリ、P.F.トミールの作品で19世紀前半の作品。
壁にかかっている鏡はフランスで19世紀後半の作品。



 これも別々の製造年代の作品ですが、ペアといってもおかしくない。



優美な作品です。  赤ワインが入っていると、また微妙な色合いが出るでしょう。



風格を感じるグラスです。
  

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その8 ヨーロッパ諸国の華麗なる競演

2011年07月23日 | アート ガラス

今日は、ボヘミアやドイツ、シレジア(ポーランド、ドイツ、チェコにまたがる地域)を採り上げます。



左:バラを描いた紋章のあるステンドグラス       右:ライオンを描いた紋章のあるステンドグラス
ドイツ、19世紀



 





ブルーの色がいい。



ルビー色と端正なデザインがいい。


この大杯、高さ34cmあります。 飲むには不便。



 



ルビー色ガラスが渋い。  狩猟柄のデザインが多いですね。



西洋式三々九度の盃。  婚礼で契りの酒を飲むのは一緒。
 



女性の好みかな。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その7 ヨーロッパ諸国の華麗なる競演

2011年07月21日 | アート ガラス

この展示会での一番の見所は 「ヨーロッパ諸国の華麗なる競演」のセクションでした。



今日は、ヴェネツィアから
ちょっと見には絵画ですが、実は細かいガラス片が埋め込まれたモザイク画です。



ビーズが素晴らしい。  これは、ヴェネツィアのガラス工房が作った宣伝用の見本だが、全体としてアートになっている。













この花器も気に入った作品の一つです。  No58以降は1878年のパリ万国博で購入されたもの。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その6 南国の情熱 土の香り

2011年07月19日 | アート ガラス

スペインもイスラム圏の影響を受け、独特の形状をしたガラスを製造した。 



 





薬瓶ですが、昔は鎮痛や咳止め薬として使われたアヘンの保管用なんだって。 また、ヒステリーや狂気などの薬としても用いられたとか。  解説にある十字型に置かれた骨の装飾は、反対面にあります。
しかし、以上の三作品ともイボ状のゴツゴツしたデザインが特徴的なのですが、アートとしてみた場合、今一歩かと思います。



以下には、ヴェネツィアやボヘミアの影響を受けた作品を。



スペインの王立ガラス工場の作品

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その5 深い森の光と影

2011年07月18日 | アート ガラス

このガラス鉢の絵・デザインは秀逸。  中国趣味 とヨーロッパの植物文様のバランスが絶妙で欲しい一品。



金箔などを使ったガラス作品、貴族などで使われたのでしょう。





パッと見には、綺麗な絵柄と思ったのですが、解説を読むとびっくり。 物語伝説では、毒蛇にかまれた子供を救うために自分の胸を突き、鮮血を子供達に与えて救ったとのこと。  この瓶はワインを詰めていたもので、ワインを讃える銘が、ペリカンの絵の横に刻まれている。  鮮血とワイン、関連させていますね。



磁器に似せたガラス製品。  中国や日本の陶磁器製品の人気や価値が高かったのがわかります。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その4 深い森の光と影

2011年07月17日 | アート ガラス

 ・深い森の光と影 -ボヘミア、ドイツ、フランス
 18世紀にはいると、ガラス工芸におけるヴェネツィアの優位性が急速に失われ、代わってボヘミアやドイツ、フランスでの生産が全盛期を迎えた。
ボヘミアの大杯やジョッキが並んだ展示ケース。



 エナメル彩色による華やかな装飾のフンペン(筒状の飲用グラス)



夫婦が描かれたタンブラーやジョッキ、結婚式や家庭の記念日などのために制作された。
 



 金を使ってゴールド・ルビーといわれる赤い発色のガラス「ルビー・グラス」もこの頃、制作された。



 美術館が取得する前は、ニコライ1世の皇后が所有していた巡礼者用の水筒。

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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その3 水の都の幻想 -ヴェネツィア

2011年07月16日 | アート ガラス

ヴェネツィアのムラーノ島で華咲いたガラス芸術はやがてヨーロッパの各地に広まり、ファソン・ド・ヴェニーズ(ヴェネツィア様式)として流行した。



表面のアイスガラス模様と金の装飾がマッチして美しい。 ビールを注いで飲んだようですが、こんなので飲んだら格別でしょうね。





ダイヤモンドで模様を刻んだもの。 当時は花柄が好まれていたようだ。



同様な技法で描かれた花柄のワインクーラー。





以下の2点は陶磁器かと見まがう作品。



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東京都庭園美術館 「皇帝の愛したガラス」展 その2 水の都の幻想 -ヴェネツィア

2011年07月15日 | アート ガラス

ロシアの国立エルミタージュ美術館のガラスコレクションの名品・優品が揃った今回の展示の構成は

1ルネサンスからバロックの時代へ
 ・水の都の幻想 -ヴェネツィア
 ・深い森の光と影 -ボヘミア、ドイツ、フランス
 ・南国の情熱 土の香り -スペイン



2 ヨーロッパ諸国の華麗なる競演
 ・技巧と洗練 -ヴェネツィア、イギリスフランス、オーストリア、ボヘミア、ドイツ
 ・手仕事の小宇宙 -装飾品
 ・新しい夜明け -アール・ヌーヴォー、アール・デコ



3 ロマノフ王朝の威光



と、魅力的なタイトルがつけられて、各セクションごとにアール・デコ調の部屋に展示されています。



今日は、「水の都の幻想 -ヴェネツィア」から紹介します。

一瞬、磁器かと見間違えそうな作品、白とブルーと金(裏面は赤の模様)が500年の時を超えて美しい。



聖地巡礼の旅では水筒は必需品だった。



大杯といっても、現代の目から見れば普通のコップの大きさです。 しかし、立派なケースもつくということは、当時は高価なものだったのでしょう。





器も綺麗ですが、下に映る影も美しい。



精緻な幾何学模様がいい。

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