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《Where are you from?と聞かれれば、当然僕はJapanと答える。今でこそ「同盟国」という関係ではあるが、かつては大きな戦争を交えた日本とアメリカ。アメリカの旅の中で、日本人だと話して怪訝な顔をされたことは今のところ一度もない。そんなアメリカ人の姿勢が、歴史に対する考え方を僕に問い掛けてくる。》
2013年10月18日。
アメリカに入国してちょうど20日が経過した。グループではあるものの、ツアーなどではなく個人で行動をしているので、色々な場面で現地のアメリカ人と話をする機会はたくさんある。
全体的な印象として、非常にフレンドリーであるというのが僕のアメリカ人に対する率直な感想だ。ちょっとトラブルがあって困っているときなどでも「no problem!」と言ってみんな助けてくれるし、RV Parkなどでもとどんどん話し掛けてくる。アメリカンジョークもガンガン飛ばしてくるが、もっとも、それがジョークなのか本気なのか、僕レベルの英語力ではなかなかすぐに理解できないのだが(笑)。
さて、そんな陽気なアメリカ人なのだが、ほとんどの人が僕たちにまず聞いてくる質問と言えば「Where are you from?」である。別にアメリカ人に限らず、外国人と話をするのならまずこの質問をするものだ。
当然僕らは日本人なので「Japan」と答えるのだが、ほぼ100%の人が笑顔で「good!」などと言ってくれる。もちろん中には日本のことが好きではなく、内心「なんだよ、日本人か。」と思っていた人もいたかもしれない。しかしとりあえずであったとしても、Japanと聞いての彼らの反応が悪いとは思えない。皆快く僕たちと話をしてくれる。
僕は考える。約70年前、僕たちはお互いに殺し合いをした。しかし今、僕たちは「同盟国」であり、「仲間」ということになっている。この国のフレンドリーな国民と話をしていると、そんな意識も自然と湧き上がってくる。
インターネットの状況が良いときなどに、僕はときどき青山繁晴さんという方のラジオ番組をYouTubeで拝聴する。ある放送の中で、青山さんはアメリカ人についてとても興味深い話をしていた。
その話の中で、次のように述べていた。
「アメリカ人にあの戦争の話をすると、『まだそんな昔の事を言っているかい?』という反応が返ってくるんですよ。」
僕はこの話ににとても興味を惹かれた。僕は歴史とは、絶対に忘れてはならないものだと思う。そして絶対に学ばなければならないものだとも思う。しかし、その過去の歴史に囚われてもいけないものだとも思う。
日本とアメリカ。忘れてはならない、大きな歴史がある。あの戦争の結果によって、今の我が国の枠組みが形作られたと言っても過言ではないだろう。
僕は言う。「過去の歴史を忘れてはならない」と。
「アメリカ人よ、日本人としては決して忘れられない歴史があるぞ。あなた方が日本に対して行ったことは、僕たちは決して忘れるわけにはいかない。」
しかし、僕はまた言う。「しかし歴史に囚われてもいけない」と。
「アメリカ人よ、大切なのは未来である。過去には色々あった。しかし共に繁栄できる未来のため、惜しみなく協力をしていこうではないか!」
僕たちは、過去の歴史と目の前にある今とこれからの未来に対して、どのような考え方を持つべきなのだろう。
アメリカの人々と話していると、過去に囚われていても仕方がない、という気持ちが沸いてくるような感覚に陥る。それくらい彼らは、とことんフレンドリーに話し掛けてくる。あくまで僕が出会ったわずかな人々ではあるが、日本人に対してそれほど悪いイメージを持っているとも思えない。
しかし、僕の心の中には「過去の歴史」から見るアメリカ人がある。それは以前のブログでも書かせていただいたように、ネイティブアメリカンへの侵略の歴史であり、アジアやアフリカへの植民地化の歴史であり、原爆投下の歴史であり・・・。日本という国家は欧米の植民地になる歴史を防ぐことができたが、ペリー来日をはじめ、欧米列強諸国に日本を植民地化する意図が大いにあったことは、紛れもない事実であろう。
じゃあ、僕たち日本人は、いつまでもそのことを問い続けるべきなのか?
決して忘れてはいけない歴史のはずだ。しかし、そのことをいつまで言い続けることが適切であり、また何を僕たちは求めているのか?そもそも「いつまで」の問題なのか?「何を」得られれば、僕たちは満足し納得するのか?
本当のアメリカ人の気持ちとは何なのか?戦勝国故の『まだそんな昔のことを言っているのかい?』というセリフなのか?そこ心はどこにあるのか?
僕たちの意識は、「敗戦国」故のものなのか?人間として、日本という国の国民として、当然の意識なのか?
先の大戦の捉え方については、間違いなく日本人とアメリカ人の間に大きな隔たりがあるであろう。いや、ないわけがない。アメリカ人が言う『まだそんな昔のことを言っているのかい?』という感覚と、僕たちが言う『過去の歴史を風化させてはならない』という感覚とは、大きな隔たりがあるはずだ。
何が正しいのだろう。
「正しい歴史認識」とは、何なのだろう。
ただ1つだけ・・・。「みんなで協力して、明るい未来を創っていこう!」という発想だけは、正しいはずだ。
「過去を水に流す」ことが正しい歴史認識?
「過去を問い続ける」ことが正しい歴史認識?
アメリカの人々は、今日もまた語らずともその姿勢で僕に問い掛けてくる。
「ヘイジャパニーズ、まだそんな昔のことを言っているのかい?」
グランドキャニオンの目を見張るような大渓谷を眺めながら考える。ここも元々は、ネイティブアメリカンの聖地なのだ。本当に正しい返答は、僕なんかじゃまだとても分からない。やっぱり僕はまだまだだな・・・。
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2013年10月18日。グランドキャニオン国立公園にほど近い、キャメロンのRV Parkにて。
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