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ふじもん世界放浪「放学記」第6章ヨーロッパ編 我々日本人よ、『アウシュビッツ』から学べ!VOL,1

2014-04-10 02:26:50 | 日記
2014年4月9日。

《本当の「学び」って実に深いものだと思う。世界中の誰もが知っている、あの「アウシュビッツ強制収容所」。僕はこの訪問を通して、今新たに自分の心に問い掛けている。》

僕たちは何気なく「知っている」って言葉を使うけど、本当は何も「知っちゃいない」ことがほとんどなんだな。

僕は仮にも社会科の先生だったから、アウシュビッツのことは何度も取り上げたことがある。

まるでアウシュビッツをよ~く知っているかのように子ども達に話してきたけど・・・。

僕は何も「知っちゃいない」ってことがよく分かった。


教科書に書かれているようなことくらいは、一応は少しだけ「知って」はいた。

でも、そんなのは「知っちゃいない」ってことなんだな。


ポーランド南部の都市、クラクフの近郊にあるアウシュビッツ。ここは今は博物館として公開されており、世界中から多くの人が「あの悲劇」の真相を知りに、そして繰り返すことがないようにと、ここに足を運んでくる。

※この鉄条網には、当時高圧電流が流されていたそうです。


まさに「肌感覚」だ。

例えば「何年に建設されて、犠牲者は何人で・・・」みたいな話は、資料を読めばすぐに分かる。

でもそんなのは「上っ面」の知識で、ネットででも調べりゃあいくらでも出てくる情報だ。

本当に「知る」ということ。

それはそこに「肌感覚」を落とし込むことなんだと思う。


実際にユダヤ人などが殺害されたガス室と焼却炉。


収容されていた小屋の中。


残された遺留品。



写真で見るのとは、まるで違う。

その場にいるからこそ、肌で感じ取れる「空気」があるのだ。


一番の衝撃だったのは、ユダヤ人の紋章である「ダビデの星」の旗を掲げとパーカーに身を包んだユダヤ人の若者たちが、施設を見学している様子を目にしたとき。


僕には、彼らの気持ちを量り知ることはできない。

僕たち日本人には、決して理解することなどできないであろう。

しかし、その「量り知れない」ものを感じるという「肌感覚」が、まずは重要なのだと思う。


僕は人間の学びは、「左脳+右脳=全脳⇒共脳⇒発脳」だと思っている。

教室での勉強は「左脳の学び」。知識であり情報であるものを、頭で「覚える」作業だ。

そして旅での学びは「右脳の学び」。その場にあるものを感じるのだ。まさにそれが「肌感覚」だ。

そしてその2つが組み合わさり、「全脳の学び」となる。だから、左だけでもダメだし右だけでもダメ。両サイドから「学び」を仕入れていくことが大事なのだ。

次に、そうして得た自らの学びを他の人間と話し合い、比較したり評価したりする。それが「共脳」の学びだ。その作業の中で新たな気付きを得たり、自らを見つめ直したりして、さらに昇華されていく。

そしてそれをまとめて、自分なりの言葉、感覚、表現で「発表」する。発表の仕方はいくらでもある。話すでも文章にするでも何でもいい。そうすることで自分の「知」が広く他人に晒され、批評を受けることにもなる。そしてさらに「学び」は深まる。


アウシュビッツ強制収容所を「左脳的」に知るだけなら、いくらでも方法はある。ネットの検索ワードに入れれば、腐るほど情報がポンと出てくる。写真だって嫌というほど調べることができる。

そういう時代だ。だからこそ「右脳的」な学びを意識的に行うことが大事なのだと僕は思う。


アウシュビッツの最初の門をくぐったとき、何とも言えない感覚に襲われた。

「死の門」に向かう線路に立ったときも、「チクロンB」という毒ガスの空き缶の山を見たときも・・・。


まさに「魂の学び」だった。


アウシュビッツに限らない。僕は日本の子ども達に、あるいは若い世代に、是非とも「自分の足で」動き、「自分の眼で、耳で、心で」学びに行ってほしいと強く願っている。

情報は溢れている。あとはそれを、自らの「魂で」知りに、感じに、確かめに行ってほしいのだ。


僕はここで、アウシュビッツの「左脳的」な話を書こうとは思っていない。そんな必要はないからだ。そのような情報は、「アウシュビッツ」とグーグルに入れて検索する方がはるかに早く、充実しているのだから。

僕が伝えたいのは、「右脳的」な学びを日本の若い衆にもっともっと実践してほしいこと。

それを「全脳」で咀嚼することで、次のステップへと進めると思うのだ。


そう、難しいのはその後だ。どうやって歩を進めるべきなのか。

どのように「共脳」し、「発脳」すべきなのか。

僕はこのアウシュビッツで、その1つの模範となるであろう偉大な実践をされている方にお会いすることができた。


※今回は珍しく2部構成で。次回に続きます~!よろしくお願い致します!



2014年4月9日。22時過ぎにようやく宿に着いて、とりあえずホッとしているブダペストの日本人宿にて。



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