ことばにならない風の声

今日もどこからか風はやってきてやがてまたどこかへいくだろう。
何に向かっているのか己でさえもわからずに、、。

映画「知らなすぎた男」を観て

2011-07-04 22:29:17 | 映画/アニメ







監督  :ジョン・アミエル
製作国 :アメリカ
ジャンル:コメディ
キャスト:ビル・マーレー
     ピーター・ギャラガー


友人に勧められ、久しぶりにコメディ映画を観た。


いやー、これこそコメディって感じだね。
とっても笑わせてもらった。
おもしろかったな~。



いやはや、映画っておもしろいですね。
いま観たい映画が増え続けるばかりで、ぽぽ。



何かおすすめがあったら教えてくださいね。





映画「西の魔女が死んだ」を観て

2011-06-30 23:52:18 | 映画/アニメ









監督  :長崎俊一
製作国 :日本
ジャンル:SF/ファンタジー
キャスト:サチ・パーカー
     高橋真悠
     りょう



ジャンルがファンタジーと書いてあったが、いわゆるのファンタジーな魔法がでてきてどうこう、という感じではない。
ふつうのヒューマンドラマだ。


ある中学生の女の子、まいが登校拒否になり、その子を山の中で暮らす祖母のところで少しの間、預かってもらう事になった。


まいが持つ悩みというのは、誰しもが抱くような中学生のころの特別な不安や戸惑い。
教室にはいくつかのグループができて、グループ内ではさして興味ない話題にもついていかなくちゃいけないし、トイレも一緒に行くし、で大変だ。

でもそれをしなくなったとたん、自分一人だけが仲間はずれになって、いくつものグループは
私というひとりの敵を持てた事により、結束され、教室はひとつの仲いいグループが出来上がった、まいをのぞいて。


祖母は、山で野菜やハーブやミントなどを育てながら、自然と共に暮らす自給自足の暮らしをしていた。
昔の知恵を生かしながらの生活はまいにとって、とても新鮮そのものだった。

そんなまいに、祖母は、魔女修行という名のもと、早寝早起き、食事をきちんと取って、規則正しい生活をすることを課した。
おばあちゃんはまいに、「まいは、そんな当たり前なことが修行?と思ったでしょう。
けど、今のまいにとっては、その当たり前なことが一番難しいんじゃないの?」と言うのだった。
朝起きてから、寝るまでの時間割をつくらせ、日記も毎日つけさせた。



映画のある印象に残った場面。


まい「死んだらどうなるの?パパに聞いたら、死ぬというのは、最後の最後ってことだ、死んだらもう何もなくなる、って言ったよ。
私が死んでもまた朝がきて、ふつうの毎日があるの?って聞いたら、そうだよって言った。」

と泣きそうな声で言う。

そんなまいに
おばあちゃん「それは、まいはずっとつらかったね。実は、おばあちゃんはまだ死んだ事がないから、死んだらどうなるかわからいんだよ。
けど、信じていることならありますよ。おばあちゃんは、死んだら身体から離れて魂が自由になるんだと思う。」

まい「それならはじめから身体なんてなかったらいいのに。私はいまあれこれ考えているこの意識がなくなってしまうのがこわい。
苦しむために身体がある気がする。」

おばあちゃん「そうだね、魂と身体があって、それがまいだから、身体から離れた魂は今のまいであるかはわからないね、こわいね。
けど、身体があるからいろいろなこともたくさん経験できるのですよ。
色々なことを経験して、魂は成長するのです。」

まい「成長なんてしなくてもいいじゃない。」

おばあちゃん「ほんとにそうですね。だけど、草木が光を浴びて、成長するように、魂も成長したがっているのです。それが魂の本質なのです。

それに、身体があると、たのしいこともたくさん経験できますよ。
まいは、冬にあったかいこたつで寝るとき幸せだと感じませんか?
夏の暑い日に、木陰で涼むとき、幸せだと思いませんか?」




私のことばたちなので、少し変な会話になってるかもしれない。
けど、この場面、なんかよかったなぁ。
この映画、とっても静かでゆっくりで、展開がないようであるような映画なんだけど、
じっくり魅せて、いろいろかんがえさせられたなぁ。








映画「星守る犬」を観て

2011-06-19 23:40:15 | 映画/アニメ







監督  :瀧田智行
製作国 :日本
ジャンル:ドラマ
キャスト:西田敏行
     玉山鉄二



この映画、この前観て来たのだけれど、えーつと。

物語は、ある読書好きの市役所に勤める青年が、草原の車の中の
半年前ほどに亡くなられたであろう中年男性の白骨死体と
そのそばで先日亡くなったであろう犬の死体が発見されるところから始まる。

そして、主人公はその男性の身元を明らかにするべく
唯一の手がかりである3枚のレシートを頼りに旅を始める。
だんだんと旅をするにつれ、その男性と犬のストーリーが明らかになると同時に
青年の過去から現在の人生観を見つめ直す自分のための旅となっていく。

決してこの映画は、サスペンスでもなければ、ミステリーでもない、
犬と人の、人と人の感涙ほっこりムービーなのだが、、。
現に、私も号泣した。とても泣いた。
けど、私が泣いたのはちょっと周りとは違う涙かもしれない。
その中年男性や犬がかわいそうだとか、ほっこりあったかい、とか
同情や悲しみ、感動で泣いたのではない。

私が泣いたのは、いやにじっくりとみせてくれた、一人の人間や一匹の犬の生き様、というか、死に様というか。
そんなのを観てなんだか色々想像してしまい、それに参ったというか、困ったというか、こわかったのか。


まぁ、そんなこんなで死について考えたことを書こうと思っていたのだけど、
それこそ今日の朝、だばーっと長い文章をカタカタ打っていたのだけれど、、。

ふとね、死をこわいと思っている自分について考えていたら、池田晶子のことばを思い出した。
そんで彼女の本を手に取って読み返していたら、文章をまだ書き続けようとしていた手がとまった。
もう私とは全然違う域にいて、多分全く違う感覚で物事をみて過ごしているのかと思うと、
ちょいと自分にげんなりした。そして、書いていた文章をぽちっと消していた。


けどね、げんなりもしたけど、いまほど彼女の言っていることがこんなにもすんなりと胸にくることはなかった。
ちょっと矛盾するけど、彼女は自分とは全然違うところにいるんだろうな、とか思いもするけど、
すっごく言っていることが、わかる、気がするのだ。
わかるどころか、ちょこっと共感できる部分もあったりした。
多分小さい頃から植え付けられてきた感覚がそれをすごく理解できてるかんじなのだ。
わかりにくいこと言っているけど。
そんな自分に驚いて、それと、うれしくも思った。

読んでいるとね、彼女が本当にこっちに話しかけてくる感じがあって、
そして、私は、ははっまたこういう言い方して、この人ほんとものすごく考えている人だわ、なんて思ったりして。


うーん。改めて、ちゃんと読み返そうと思ったのでした。


あと、この映画「星守る犬」は秋田犬好きにはたまりません。
もうかわいいったらありゃしない。
けど、やっぱし、うちのらぶりーハナちゃんにはかなわないけどね。






映画「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を観て

2011-06-15 23:38:02 | 映画/アニメ







監督・脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル
製作国  :アメリカ合衆国
ジャンル :音楽・ミュージカル
キャスト :ジョン・キャメロン・ミッチェル
      スティーブン・トラスク



この映画は前から観たいと思っていた映画のひとつだった。

性転換に悩まされる孤独なロックシンガーの物語といえばそれでおしまいだけれども。
その一言ではどうも済まされるものじゃないな、と思う。

簡単にこの映画の説明をすると、
この映画は元々オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルで、それが映画化されたものだ。
主人公は旧東ドイツ生まれの性転換ロック・シンガー、ヘドウィグ。
彼女は、幼い頃に母から聞いたプラトンの「愛の起原」にあるような自分のかたわれ(=愛)を探して全米各地を巡る。
そんな彼女の人生が、彼女自身の魂の歌と共につづられる。
歌が映画の半分以上は占めるミュージカルに違いはないが、
その歌の歌詞から映画のストーリーに深みを増す。


最初はこの主人公ヘドウィグがまるで妖怪か化け物のように感じるのだが、
最終的には、なぜか彼女の事をかわいいだったり、美しいだったり、
愛しいなんて感情で彼女の事を観てしまっていた。
それは多分彼女のことをどうしても完全に見放せないというか、
ある意味、彼女は私そのものな気がした。
誰しもが持つ空虚感や喪失感、そういったものを強く感じながら生きている。


ヘドウィグは、性転換手術で失敗し股間に残ったアングリーインチからわき起こる怒り、
はたして、自分は男なのか、それとも女なのか。
ヘドウィグは生まれた日、ベルリンの壁が築かれた。
またその壁が壊された日、それは彼女の結婚記念日でもあり、その夫に別れを告げられた日でもあった。

彼女にとっての、性や国際、そして、愛、それは何なのか。
自分の片割れがどこかにあるんじゃないか、
それは自分とそっくりの似ている人なのか、
それとも、自分とは全く異なり、私にはないものを補う人なのか、
わからない、それを、片割れ=愛を探し求め続けるヘドウィグ。

だが、彼女に待ち受けるのはこころから愛する人からの裏切り、そして絶望。
いつもそばについてまわるのは空虚や喪失感。


こういう気持ちって私にもある。
いつもどこか、さみしい。
この’’わたし’’というのはいつだってひとりだ。
ひとりって、ほんとうに、’’ひとり’’なんだ。
それが、私を私と呼べるすばらしいこととも思うけれど、
それと同時に、とてつもないほどの孤独や喪失から、求めているもの、それは愛だ。


物語では、結局喪失感があり、補いきれていない、何かが足りないと思っている、
そんな欠落がある私がその人自身なのだ。
ということで、終結するのだが。

つまり、片割れなんていないさ、その愛を求めてやまないあんたがあんた自身で
それ以上で以下でもない、というような感じだと思うんだけど。



なんだか、うーん。
いろいろ思わされた。
けど、すきな映画だな。




Hedwig and the Angry Inch - Origin of Love(愛の起原)















映画「リトル・ダンサー」を観て

2011-06-04 23:16:07 | 映画/アニメ




「リトル・ダンサー」
監督  :スティーブン・ダルドリー
制作国 :イギリス
ジャンル:音楽、青春、ドラマ
キャスト:ジェイミー・ベル
     ジュリー・ウォルターズ



いやーよかったなぁ。
好きだなぁと。
映画の中の流れてくる音楽が全部よかった。
それに、少年たちがきれいでかわいくてすてきで。ふむ。
ストーリーは炭坑夫の元に生まれた変わり者の主人公11歳。
その子はひょんなことからダンスの世界に魅入られてダンス、バレエをしだす。
ところがどっこい、色んな事情がありやして、、という感じなのですが。、、おおざっぱー


しかし、その作中である人が主人公に、あなたは踊っているときどんなことを感じるの?と問い、
少年が「光が走って、すべてを忘れてる、すべてを忘れられる。」てなことを言うのだけど。



私の友人で音楽家を目指すものがいるんだけど。
彼も音楽っていいよね、音楽をしているときはすべて忘れられる、現実を忘れる。
てなことを言っていて、ですね。
ちょっと感慨深いな、と思ったのです。
その彼曰くは、俺にとってはそれが音楽でうたうことで奏でることなんだけど、
ある人にとっては、それが煙草だったり、お酒だったり、クスリ(いわゆる薬物)だったりするんだろうな。
と言っていたのだな。

うーん。
なんでみんな、いやみんなと言ったら語弊があるかもしれないけど、
なんで現実を忘れたがるんだろう、と、単純に思う。
けど、その気持ちわかる気がするのもなんでだろう。
わかる気がするんだよね。
心地いいんだよね、とりあえず。
それでいて楽しかったら病み付きにもなりますわね。

私もちっさーなことだけど、
耳にイヤホンつけてiPodから流れる自分のお気に入りの音楽たちを
大音量で聞きながら自転車をこいでたら、妙にとってもいい気分に陥りやすい。
なんか目の前に見えてる光景が現実なんだろうけど、どうでもよくなる、というか。
自転車こぎながら、これいま前から走ってくる車とぶつかったら、
ほんとに事故ということが起きるのかな、うそ?みたいに感じてしまうんだ。
いや、もちろん、ぶつかったら大惨事な車と自転車の正面衝突事故勃発間違いないでしょうよ。
絶対嫌だよ、事故で死にたくないよ。みんなそう思っていると思うよ。
けど、それくらい、前方から歩いてくる見ず知らずの人や、車、なにもかもどうでもよくなってくるのね。
それくらい音楽と私で私のこころは満たされていくわけです。

けど、こう書きながら思ったことだけど、
多分どうでもよくなるその目の前の光景ありきの、妙にとってもいい気分なのかも。
だから、現実を忘れられるようだけど、そんな感覚がするんだろうけど、
やっぱり、その現実ありきだと思うのよね。
お酒も煙草も一人でより二人での方がおいしく感じるし、
音楽も自分一人で奏でてるより、人前でやってるときの方が無心感が募る。
没頭するってこと。


ふーむむむ。