監督 :長崎俊一
製作国 :日本
ジャンル:SF/ファンタジー
キャスト:サチ・パーカー
高橋真悠
りょう
ジャンルがファンタジーと書いてあったが、いわゆるのファンタジーな魔法がでてきてどうこう、という感じではない。
ふつうのヒューマンドラマだ。
ある中学生の女の子、まいが登校拒否になり、その子を山の中で暮らす祖母のところで少しの間、預かってもらう事になった。
まいが持つ悩みというのは、誰しもが抱くような中学生のころの特別な不安や戸惑い。
教室にはいくつかのグループができて、グループ内ではさして興味ない話題にもついていかなくちゃいけないし、トイレも一緒に行くし、で大変だ。
でもそれをしなくなったとたん、自分一人だけが仲間はずれになって、いくつものグループは
私というひとりの敵を持てた事により、結束され、教室はひとつの仲いいグループが出来上がった、まいをのぞいて。
祖母は、山で野菜やハーブやミントなどを育てながら、自然と共に暮らす自給自足の暮らしをしていた。
昔の知恵を生かしながらの生活はまいにとって、とても新鮮そのものだった。
そんなまいに、祖母は、魔女修行という名のもと、早寝早起き、食事をきちんと取って、規則正しい生活をすることを課した。
おばあちゃんはまいに、「まいは、そんな当たり前なことが修行?と思ったでしょう。
けど、今のまいにとっては、その当たり前なことが一番難しいんじゃないの?」と言うのだった。
朝起きてから、寝るまでの時間割をつくらせ、日記も毎日つけさせた。
映画のある印象に残った場面。
まい「死んだらどうなるの?パパに聞いたら、死ぬというのは、最後の最後ってことだ、死んだらもう何もなくなる、って言ったよ。
私が死んでもまた朝がきて、ふつうの毎日があるの?って聞いたら、そうだよって言った。」
と泣きそうな声で言う。
そんなまいに
おばあちゃん「それは、まいはずっとつらかったね。実は、おばあちゃんはまだ死んだ事がないから、死んだらどうなるかわからいんだよ。
けど、信じていることならありますよ。おばあちゃんは、死んだら身体から離れて魂が自由になるんだと思う。」
まい「それならはじめから身体なんてなかったらいいのに。私はいまあれこれ考えているこの意識がなくなってしまうのがこわい。
苦しむために身体がある気がする。」
おばあちゃん「そうだね、魂と身体があって、それがまいだから、身体から離れた魂は今のまいであるかはわからないね、こわいね。
けど、身体があるからいろいろなこともたくさん経験できるのですよ。
色々なことを経験して、魂は成長するのです。」
まい「成長なんてしなくてもいいじゃない。」
おばあちゃん「ほんとにそうですね。だけど、草木が光を浴びて、成長するように、魂も成長したがっているのです。それが魂の本質なのです。
それに、身体があると、たのしいこともたくさん経験できますよ。
まいは、冬にあったかいこたつで寝るとき幸せだと感じませんか?
夏の暑い日に、木陰で涼むとき、幸せだと思いませんか?」
私のことばたちなので、少し変な会話になってるかもしれない。
けど、この場面、なんかよかったなぁ。
この映画、とっても静かでゆっくりで、展開がないようであるような映画なんだけど、
じっくり魅せて、いろいろかんがえさせられたなぁ。
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