真夜中のつぶやき <murmur to oneself at midnight>

日々のちょっとした楽しみに・てんてんの書籍買物&萌review♪
ブログ内キーワードは【ブックマーク】からGO!

想いを守る為に『ただ一人の男4』

2012-04-05 | 読了本review

本日はショコラで

火崎勇さん『ただ一人の男4』
 幼い頃のトラウマで人間を『もの』としか見られなくなった受様だったが、
 元極道の攻様と結ばれ、徐々に感情を取り戻しつつあった。ところが
 両親殺害の被疑者が捕まり、弁護士が訪ねてきた事から思わぬ事に?!

強面な元ヤクザの組長で現不動産会社社長と
ある事件で感情の起伏がないバーテンダーカプの最終巻になります

受様は両親を押込強盗に殺された日の経験により
人を『人間』として認識できずにいますが
元極道ながらも細やかでおおらかな心を持つ攻様との出会い
『人間』として認識できる人達を増やしていました。

攻様は
ホテル落成が迫り一段と忙しくなりつつも
受様と過ごす時間を大切にしてくれ
文字通りの幸せをかみしめるのですが

両親を殺害した男が逮捕され
彼の弁護士と引き合わされた事から
受様の中に新たな感情が芽生え始めます

犯人とされる男は別の強盗殺人で捕まり
誘われるままに彼の初公判を傍聴しても
受様の中で大きな変化はありませんでした。

しかし、
受様が務めるバーの老マスターが事故にあい
横たわるマスターに攻様の姿を重ね見た受様は
今まで意識もしなかった【死】に囚われていくのです

両親の死という過去が攻様の死という
起こりうる未来として受様を襲い始めた時、
受様は恐怖の対象である存在そのものを
排除しようと思い立つのです。

そして
向かった犯人の二度目の公判で
受様は退廷する犯人にナイフを向けるのですが
刺した人物は立ちふさがった攻様だったのです

攻様は悪夢に囚われた受様を救えるのか

常々、
受様にもっと感情を付けたいと思っていた攻様にとって
受様と両親殺害犯の弁護士との接触で
受様の感情を揺さぶる為でしかなかったのですが

受様は攻様が思った以上に
攻様を失えない存在として認識していたので
揺り動かされた思いを内に抱えるようになります

受様視点なので
攻様を失うかもしれないという悪夢に囚われ
更に深みにハマっていく様子にハラハラしました

今回の事件によって受様は
自分が感情を手放さざるを得なかった原因に
真正面から対する事になります。

心が壊れない為に閉ざした感情は
攻様と生きていきたいと思ったからこそ
取り戻す事が出来たのでしょう

今回の書き下ろしは
ホテルが無事に開業して
肩の荷を下ろした攻様の様子や

受様が客にアプローチされて
攻様がヤキモチ焼く様子が描かれていて
シリーズ最後に相応しい書下ろしでした

コレを読んじゃうと
なんで旧版にはコレが無かったんだ
って思っちゃう位良かったです

ホントに大好きなシリーズなので
スピンオフ作と雑誌付録作も文庫化して
もっと二人の世界を堪能させてほしいです


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 特典のために通販にしたのに... | トップ | 特典が欲しいのですが・・・ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読了本review」カテゴリの最新記事