本日はルチルで崎谷はるひさん『夢をみてるみたいに』
大手アパレルメーカーで働く受様は、社長の息子で年下の攻様がかなり苦手。
受様が好きだと過剰なほどスキンシップをしてくる攻様に戸惑いを感じてい続け
ていますが、あるきっかけで攻様で本気で口説いてきて?!
本作は絶版ノベルズを文庫化したリメイク版
入社試験である失敗をした受様が
その時優しく慰めてくれた人を
営業部の某社員だと誤解した事から始まる恋が
成就するまでのお話になります
受様は幼い頃から
同性に惹かれる性癖を自覚して
雑誌で某アパレル会社の副社長が同性愛者と知り
彼の生き方に深い感銘を受けます。
その会社は若手デザイナーにも門徒を開き
業界でも競争率の高い会社でしたが
受様は一念発起して試験を受け
なんと難関を突破して入社を果たします。
入社以来二年、
主任を筆頭に女性ばかり6名の企画部で
最年少の黒一点という立場でしたが
受様にとって楽しい職場でした。
しかも受様には入社試験で
優しく声をかけてくれた憧れの男性社員がいて
社内で彼を見かけるだけで
受様は幸せな気分になれたのです。
その一方、
ミリオンの社長子息でこの春から
雑用バイトをしている大学生が大の苦手でした。
このバイト君こそ今回の攻様になります
攻様は人当たりも良く真面目で
仕事も丁寧で確かなのですが
受様にはかなりスキンシップ過多になり
先日はキスまでされてしまったのです
受様には女性にモテそうな要素がいっぱいの攻様が
自分にかまってくる訳が判りませんし、
憧れの君がいるのに攻様に触れられても
嫌じゃない自分にも訳が判りません
そんな時、
憧れの君と攻様の姉との婚約話が持ち上がり
ある程度進むと読者的には
受様を助けた人物が営業部の某社員じゃなくて
攻様だろうと丸判りなのですが
受様が間違ってしまった理由は
それなりに納得な理由なので
どうやって攻様だと判るのかと結構ドキドキで
ネタバレするまで楽しく読めました
旧版所持な私としては
文庫化による+@を期待していたのですが
本作は旧版(01年)当時と
今(10年)の時代差修正の為の修正・変更のみ
だったのがかなり残念でしたが
前レーベルの雰囲気というか
初期作品の初々しさを壊さずに
今の崎谷風味を入れる余地がなかったらしいのは
納得ではありますが
残念なのは残念なんですよ