朝日は3月27日に「農道の6割、一般道に転換 維持管理の交付金狙いか」を掲出。
記事は、15年度までに整備された全国の広域農道のうち6割以上が完成後、一般道に用途が変更されていると報じる。農道は一般道より着工基準が緩いが、維持管理費への国の交付金は一般道の方が多いためとみられ、農林水産省は農道を管理する市町村に変更しないよう求めているものの、今も変更が相次いでいるとのこと。農道が安易な道路建設の「抜け道」にもなっていると記事は評する。国土交通省が作成した15年度時点の調査資料と、朝日新聞の各都道府県への取材で判明したもので、農道は各市町村などの要望を受けた都道府県が事業主体となり、国の補助金を受けて整備され、完成後は市町村に管理が移るが、議会の議決で一般道に変更できるとのこと。国交省の資料によると、調査対象とした広域農道5700キロのうち7割の4200キロが一般道になっており、当時の広域農道の整備距離は6500キロであり、少なくとも全広域農道の65%が一般道に変更されていた計算とのこと。調査対象となった農免農道9080キロのうち8割に当たる7480キロも一般道になっていたとか。大分県日出町は2月、農免農道(完成18年)と広域農道(同19年)計7キロを町道に変え、愛知県南知多町の広域農道約7キロ(同17年度)も19年に町道になっているとか。さらに19年度末までに広域農道は約500キロ、農免農道は約400キロ整備されるが、変更が相次ぎ、新潟市は19年10月、同年6月完成の広域農道13キロを市道に変更したとの由。農水省は9年、市町村に変更しないよう求める通達を出したものの、「実態は把握出来ていない」としているとか。一般道に変更する理由について、自治体側は「一般車両も利用している」などと説明しているが、国からもらう道路の維持管理費を多くする狙いがあるとみられ、国が各自治体に交付する地方交付税交付金には道路の維持管理費も含まれていて、交付金の額は市町村の面積など条件によって異なるが、一般道は農道に比べ、「一般的に4~5倍ほどになる」(政府関係者)とのこと。建設をするかどうかを決める費用対便益の基準も農道の方が緩く、15年夏まで投資に対する効果の割合が一般道は1.5以上、農道は1以上なら着工が認められたとか。今は農道が1以上、一般道は1超と同水準だが、費用対便益の計算方法は農道の方が効果が大きく出やすいとされていて、一般道は時間短縮など3項目のみ「効果」に算入できるが、農道はさらに農業生産や景観保全などへの効果も積み上げることができると記事は伝える。
日経が3月27日に掲出した「農道の半分を一般道に変更・農水次官明らかに」は、農林水産省の白須敏朗次官が27日の記者会見で、全国の農道の約半分が完成後に一般道に変更されていたことを明らかにしたと報じる。農道は一般道に比べ着工基準が緩いとされるが、国が配る維持管理の地方交付税交付金が一般道の方が多いと自治体が判断したためとみられるが、白須次官は「農道を市町村道として認定することは適切でない。農道の管理状況についてさらに調査し、指導を徹底したい」と述べたとか。同省によると、元年度から14年度までに完成した農道は約1万8000キロで、そのうち48.2%が一般道に変えられており、大半が市町村道となっていたとのこと。同省は16年度にこの調査を実施したが、結果を公表していなかったとか。
当該農道は助成対象であるが、広域や農免農道でなく、利用目的としても「接道」と「生活道「」への比重が高まっているのである。
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