【アビガンが新型コロナに効くのか？ 】

元記事☞「アビガンは新型コロナに効くのか 比較試験が必要な理由 」

　元々はインフルエンザ治療薬の「アビガン」は、ウイルスの「RNA合成」を邪魔する作用があり、原理的には新型コロナウイルス感染症に効く筈である。 

【生命の起源と分子生物学】⑤～⑦

　治療薬やワクチンの有効性を調べる標準的な方法ランダム化比較試験 : 患者さんを治療群と対照群にランダムに分け、治療群にアビガンを投与し、対照群には投与せず、回復する迄の時間や回復した人の割合等を比較する一種の臨床試験☞結果が出る迄時間が掛かる。
　新型コロナは自然治癒することがある。此れはインフルエンザ一般に謂える傾向である。依って、アビガンを飲んだから治癒された言い難い。此れが臨床試験が不可欠な理由だが、此のことは分子生物学が発展途上の学問であることを忌みじくも顕かにして終うものである。

　有効性を評価し無いで薬は使え無い。例えば、致命的な副作用や効き目を検証無い薬の使用は、却って、新型コロナウイルス感染症を悪化させて終うこともある。
　嘗ての固型癌に対する抗癌剤治療で、「抗癌剤を使うと腫瘍が小さく成る症例が一定数ある」ことを根拠に抗癌剤が使われたが、腫瘍が小さく成るからといって必ずしも患者さんの利益に成るとは限ら無い。少なくとも副作用に見合うだけの効果が在ったか如何かは疑問である。
　今では、抗癌剤の有効性は原則としてランダム化比較試験に於ける生存期間に依って評価される。抗癌剤治療の効果も、副作用の抑制も、随分改善されている。臨床試験は、協力してくれる患者さんへの十分な情報提供、倫理的な妥当性、自由意思に依る参加が保障が無ければ行え無い。

　 雅に、臨床試験に参加した患者さん達が居なければ、医療技術の進歩は無いのだ。新型コロナウイルス感染症も質の高い臨床試験が行われて、早く有効な治療薬が見つかることを願うのみです。以上、此の投稿記事の最上段の元記事 「アビガンは新型コロナに効くのか 比較試験が必要な理由 http://a.msn.com/01/ja-jp/BB12T3vA?ocid=st…」 を参照