今、私が考えているのは「夢」ということです。仲間に「夢は何?」と聞くと、みんな、目を輝かせていろんな職業を揚げる。私は夢というのは、自分が将来就きたい職業のことではなく、幸福感や満足感など自分自身の心のあり方だと思います。夢を山頂に例えるなら、職業は頂上に至るさまざまな登山道です。ですから、人はそれぞれの環境や能力に合わせた道を選び、失敗しても別のルートを探すことができると思うのです。夢という言葉は、人生を考えるためのキーワードだと思います。(産経新聞 談話室 10代の声)。
いやいや、恐れ入る。17歳で、寮生活を送る高校生が書いた文章だ。振り返って、天星の17歳は? 多感であったはずなのに、漠然とした記憶しかない。考える時間はあったはずなのに。人生などという広いことを考えたことがない。その日暮らしであった。考えるきっかけすらなかったのだろうか。気づく機会はなかったのだろうか。
歳50にして、人生を少しは考え始めた。だが、まだまだ、考えが足りない。人生の目的、そして目標。眼前の作業に集中しながらも、360度の遠景をも認識しよう。