9月の連休、高速道路の渋滞予想と旅行需要
高速道路各社は4日、9月19日からの5連休「シルバーウイーク」を中心とした大型連休期間(9月19-23日)の高速道路の渋滞予測を発表した。「料金1000円」の影響で、10キロ以上の渋滞は471回、30キロ以上の特に長い渋滞は36回と、今年のゴールデンウイーク(GW)並み(それぞれ396回、56回)の渋滞が発生する見込みだ。ピークは下りが20日、上りが22日と予測している。
祝日法改正などにより今年初めて実現した9月の大型連休。平日である24、25日を除いて高速道路の「ETC休日特別割引」が適用されることもあって、GWやお盆並みの混雑となりそうだ。
全国で最も長い渋滞は、下りが20日朝の関越道花園IC付近(埼玉県)での50キロなど、上りが22日夜の東名・大和トンネル付近(神奈川県)の40キロなど。19-23日の5連休が特に渋滞が激しいという。
各社の渋滞予測は、東日本高速道路が10キロ以上が151回、30キロ以上が10回。中日本高速道路が10キロ以上が181回、30キロ以上が20回、西日本高速道路が10キロ以上が129回、30キロ以上が5回。マイカーでの旅行が急増するため、普段あまり渋滞が発生しない場所での渋滞も予測される」(東日本高速道路)としている。
旅行者の減少で低迷が続く観光業界はにわかに活気づいている。5日間と休みが長く、特に海外旅行人気が高い。JTBのイタリアやフランスなど欧州向けツアーは、6、7月時点で予約でいっぱいに。5連休やその前後に、ギリシャやロンドンといった人気エリアに約20本のチャーター便や臨時便を利用したツアーを発売したが「発売当日に売り切れたツアーが多い」(広報室)という。近畿日本ツーリストは、4日に羽田発チャーター便を利用したソウルツアーを発売した。「今からでも予約可能なツアーの提案に力を入れている」(広報担当)。
国内旅行にも期待が集まる。ザ・プリンスさくらタワー東京(東京都港区)では、グループの連泊のニーズに対応した宿泊プランを発売した。「みんなで旅行」は、1部屋を多人数で利用し連泊するほどお得になるプランで、1室2人利用で1泊すれば1人あたり1万1000円だが、4人で3泊すれば1泊5625円となり、お得感が増す。
期間中は高速道路を一律1000円で利用できるため、高速道路を降りずに利用できる宿泊施設の人気も高い。名神高速道路の多賀サービスエリア(滋賀県多賀町)内のホテルは、19日から27日まで予約でいっぱいだ。
一方、鉄道各社は高速道路への対抗に力を入れる。JR東海は、東海道新幹線の臨時列車を19日に下り4本、23日に上り2本を増発することを決めた。系列旅行会社では、東京から京都の往復新幹線と宿泊がセットで2万6300円からの旅行商品を発売し、割安感で高速道路への流出に歯止めをかけたい考え。
JR西日本は、格安でこだま新幹線の指定席を利用できる切符の販売に力を入れる。こだま自由席に本物を模した子供が遊べる運転台を設置した車両を1日2往復させ、ファミリー層の利用を伸ばしたい考え。山陽新幹線や特急指定席の予約率は3日現在で26%。「まだまだ余裕があるので、混雑した高速道路を避けて鉄道で出かけてもらいたい」と呼びかける。
消費マインドが好転しない中で、大型連休特需に高い期待を寄せる各社は、集客にあの手この手を打ち出している。
Source来源:http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090905/biz0909050011000-n1.htm;http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090905/biz0909050011000-n2.htm;http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090905/biz0909050011000-n3.htm