【新型インフル】香港の観光業にも深刻な影響
(2009.5.19)【香港=矢板明夫】世界的な金融危機と新型インフルエンザの影響で、香港の観光業が大きな打撃を受けている。ホテルの客室稼働率は昨年比で2割以上も下がり、特に5つ星ホテルは、観光シーズンの5月になってからも、客室の半分以上が空室という状態が続いているという。
香港紙・文匯報などによると、米国発の金融危機が深刻化した昨年秋以降、香港を訪れる団体観光客は1割以上も減少。そのうえ新型インフルエンザの感染拡大で訪れる人はさらに減り、市内の観光ガイドの約6割は仕事がない状態だという。「2003年春の新型肺炎(SARS)が流行したときよりもひどい」との声も出ている。
SARSが流行した当時、香港で約1800人が感染、そのうち299人が死亡し観光業は大きな打撃が受けたが、今回の新型インフルエンザの感染拡大で、多くの観光客はSARS流行のときの香港のイメージが蘇り、ツアーのキャンセルが相次いだという。あるホテル関係者は「香港は流動人口が多いうえ、人が密集しており、感染症に弱いと思われているようだ。何かがあると真っ先に敬遠される」と嘆く。
香港ホテル連合会と各航空会社は提携して、宿泊と航空券がセットの格安旅行商品を発売するなど、客を集める工夫を重ねているが、その効果はあまりないようだ。
日本からの観光客が多いだけに、香港のメディアは日本の新型インフルエンザ感染状況にも強い関心をもっており、18日付の各紙は日本での感染拡大のニュースを1面トップで取り上げた。
Source来源:http://sankei.jp.msn.com/world/china/090519/chn0905190915001-n1.htm;http://sankei.jp.msn.com/world/china/090519/chn0905190915001-n2.htm。