(9月2日、Seacliff area)
今月の禅語。
月白風清(月白く風清し)
中国宗の時代、詩人蘇軾(そしょく)の「後赤壁の賦」(ごせきへきのふ)
客有れども酒無く、酒有れども肴無し
月白く風清し、此の良夜を如何せん
より、「月白風清」
すべての執着心を断ち切り、何物にも捉われない禅者の清涼な心を言う、、
ところで、蘇軾と言えば、私の好きな時代小説「銀漢の賦」(葉室麟)に、彼の漢詩が、物語のテーマとして挿入されている。二つも。
(以下、文春文庫158頁より抜粋)
蘇軾「中秋月」
暮雲収め尽くして清寒溢れ
銀漢声無く玉盤を転ず
此の生、此の夜、長くは好からず
明月、明年、何れのところにて看ん
(日暮れ方、雲が無くなり、爽やかな涼気が満ち、銀河には玉の盆のような明月が音も無くのぼる。
この楽しい人生、この楽しい夜も永久に続くわけではない。
この明月を、明年はどこで眺めることだろう、、)