意思による楽観のための読書日記

マザーネイチャーズトーク 立花隆 ****

1990-93の雑誌対談集である。サルの研究者河合雅雄、近親相姦はサルの世界でもタブー、人間でもそうだが理由は異性間で非情に親しくなると性衝動が抑圧されるから、という。そして人間の一夫一婦制を支えるのは何か、という話に発展。人間の夫婦も異性間で非常に親しくなるのだがこれを支えるのは何か、友愛、愛情である、これはサルにはないのだという。

動物行動学の日高敏隆、学生に質問された。「人類はこれからも進歩していくのでしょうか」日高:前に座るちょっとセクシーな女子学生に「君だって初めての時は世界が変わったと思っただろう」。女子学生「はい」。日高「君にとっては世界が変わったのだろうけれども昔からそうだった、だからこれからも繰り返していくんだよ」と答えたそうだ。答えになっていないのだが質問した学生は納得したという。

惑星科学者の松井孝典、銀河系に高等文明が存在する確率を聞かれて。「問題は高等文明が惑星間通信ができるような技術力をどのくらいの期間維持できるかです。私は100年と見ているんで銀河系に散らばる高等文明を持つ可能性のある星間距離の数百光年から考えて100年では交信できない。」地球型の星がある確率や、水、空気がある確率よりも文明継続年数が問題であるとはショックである。

植物学の古谷雅樹、植物の特徴は①自分で栄養を賄える②すべての細胞が全能性を持つ③環境に依存して暮らす。植物の視点から地球や動物を見ると全く違った世界が見える、という本「植物の生存戦略」があるが、動物よりも先に地球上に現れた生命体の戦略は動物とはまるで異なっているのだ。

立花隆の知的好奇心、底知れないものがあり、僕もこうした好奇心をいつまでも持ちたい。

マザーネイチャーズ・トーク (新潮文庫)

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