意思による楽観のための読書日記

ブルータワー 石田衣良 **

瀬野周司は膠芽腫という脳のガンを患って死に瀕していた。余命は1、2ヶ月。体をむしばむ悪性腫瘍は脳の運動野の周辺を冒しているため外科的な手術は絶望的、治療のために頭髪は薄くなっている。腫瘍は周司に苦痛とフラッシュバックを生んでいた。ある日もいつもの頭痛が始まった。尋常ではない頭痛を感じたと思ったら、いつのまにか彼は、見慣れない景色の中にいた。その中で自分は、車椅子にも乗っていない。どこだかわからないその世界の中にしばらくいるうちに、状況が徐々に理解されてきた。高いところから下を見下ろしているらしい。周司はそこが未来の日本であることを知る。そこでは彼はセノ・シューと呼ばれ、青の塔と呼ばれる高さ2キロの超高層建築物が国家を形成、上層階であればあるほど階級が高くなるという、貧富の差が激しい世界であった。黄魔という、インフルエンザウイルスを遺伝子改変した悪魔のような生物兵器のために、地上に人間が住むことが容易ではなくなった世界。高さ2Kmと大きい建物であっても収容人数は限られてくる。

世界は悪夢としか思えない選別の後、晴れ渡った氷河期をやり過ごそうとしていた。勿論塔の外で生活している者も居ないわけではない、塔の階層毎にカースト制度が敷かれていて、人々は抑圧されている。青の塔では階層格差をなくす方向に議会が動いていたが、事態は逼迫している。テロ集団が自爆テロを起したり、武力衝突も珍しくない。その世界の中で周司は、さまざまな事件に巻き込まれながら、200年後の未来の世界を救おうと奔走する。時折の頭痛で意識だけ現在と未来とを行き来する生活の中で周司は、どうせ死の迫った人生、やってやろうではないかと意気込む。

石田衣良、テレビのコメンテータとして知らなかったが、始めて読んでみた。読みやすいが薄っぺらい。登場人物のネーミングも品がない。インフルエンザをテーマにしたSFというキャッチに惹かれまた人にも勧められたので読んでみたが、石田さん、もうしばらくは読みません。
ブルータワー (徳間文庫)

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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