衆院が少数与党となったもとでの予算案修正がかつてなく注目されています。与党だけでは予算を成立させることができず、野党が一致して迫るなら予算案を変え、国民の要求を実現する条件が生まれているからです。
■自公予算の枠組み
そもそも自公両党が少数与党に追い込まれたのは、総選挙で国民が自公政治にノーの意思を表明した結果です。
ところが政府の2025年度予算案は、長年の国民の暮らしに冷たい、大軍拡・大企業へのバラマキという従来の予算の枠組みをそのままにしています。国民の要求を実現し、暮らしを守るためには、この枠組みにメスを入れることがどうしても必要です。
しかし、メディアでは盛んに維新、国民民主、立憲民主各党と自公両党との個別項目での水面下の協議ばかりが報じられ、あたかもこれらが予算案の中心問題であるかのように描かれています。
いま国民の要求は、物価高、教育、医療、税制など多分野にわたり、かつ切実です。ところが各党の修正協議の項目は、ごく一部のものにとどまり、自公予算の根本的な問題―大軍拡と大企業へのバラマキによる放漫財政にまったく手をつけていません。これでは財源の確保もできず、結局、他の社会保障の削減を招きかねません。
もちろん、給食費無償化、高校授業料無償化、高額療養費制度の負担増の撤回などは国民の切実な要求であり、多くの党が共通して求めています。子どもの未来や患者の命にかかわる切実な要求もあります。協力して取り組み、実現すべき大切な課題です。
しかし、強調しなければならないのは、自公予算の枠組みをそのままにしたうえでの個別の修正だけでは、暮らしの予算を大幅に増やして、消費税減税や社会保障、教育の抜本拡充などの国民の期待に応えるものにはならないということです。
それにもかかわらず、一部野党に、修正が受け入れられれば政府予算案に賛成する動きがあることは重大です。
ごく限定的な修正で野党が政府予算案に賛成することは、自公政治の延命を手助けするものでしかありません。
■抜本的組み替えを
日本共産党の田村智子委員長は14日、政府予算案は、軍事費の異常な突出、大企業へのバラマキ、暮らしに冷たいという三つの大問題があると指摘して抜本的組み替えを求めました。
その柱は(1)平和と暮らしを壊す大軍拡の中止を(2)大企業への異常なバラマキ政策の転換を(3)暮らし優先で日本経済を立て直す予算に―です。
8兆7千億円の大軍拡予算にメスを入れることは、財源を生み出すためにも、戦争への道を食い止めるためにも不可欠です。消費税の廃止をめざし緊急に5%に引き下げることは、とりわけ負担が大きい低所得者の日々の暮らしを守るうえで決定的です。
共産党は、暮らしに冷たい政府予算案の根本にある財界本位、「日米同盟」絶対という「二つのゆがみ」をただす論戦と財源を示した提案で、あるべき予算の姿を提起しています。
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