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高額療養費の改悪

2025年02月19日 16時30分28秒 | 一言

命綱切る引き上げは撤回せよ

 「治療が続けられない」「命綱を断ち切るものだ」という、がんや難病患者らの怒りの声と世論で、政府は高額療養費制度改悪の一部見直しを言い出しました。しかし、見直しはごく部分的で、改悪全体の中止を求める切実な願いや国民の不安に応えるものではまったくありません。

 同制度は高額な医療費がかかった際、年収に応じて月ごとに「負担限度額」を設け、患者の自己負担に歯止めをかける仕組みです。厚労省は、すべての所得層、すべての年代で限度額の引き上げを打ち出し、2025年度予算案に盛り込んでいます。

■ごく部分的「凍結」

 今回見直すのは、長期の治療で直近12カ月以内に3回以上限度額に達した人について、4回目以降は限度額を下げる「多数回該当」の部分です。予算案では、4回目以降の限度額について、例えば現行の月4万4400円を(1)年収510万~650万円の人は6万3000円に(2)650万~770万円の人では7万6800円に引き上げる予定でしたが、これを「凍結」し、据え置くとします。

 福岡資麿厚労相は、これにより「多数回該当の方の経済負担は変わらないことになる」といいます。しかし、それ以外は予定通り行うとされ、多数回該当の人でも3回目までの限度額は大幅に引き上がります。しかも高額療養費制度利用者のうち多数回該当者は約2割にとどまります。

 3回目までの限度額引き上げは今年8月から3年間で段階的に行うとされ、現行の月8万100円が、前出(1)の人は1・4倍の11万3400円に、(2)の人は1・7倍の13万8600円にもなります。

 3回目までは、これに加え、かかった医療費のおよそ1%分も上乗せされる仕組みで、治療費が高額になるほど自己負担が増えます。患者の多くは治療のため収入が下がり、入院に伴うさまざまな保険外の負担もかかり、現状でも重い負担に苦しんでいます。

■受診抑制でも強行

 全国保険医団体連合会などの「家計・子育てへの影響調査」では、改悪で4割超が「治療を中断する」、6割が「治療の回数を減らす」と答えています(複数回答)。がんや難病の患者にとって受診抑制は命に直結します。

 許しがたいのは、厚労省がこの改悪により2270億円分の受診抑制が起きることを想定し、それでも改悪をしようとしていることです。国民の命と健康を守るという役割を放棄するものです。

 政府は制度見直しの理由に現役世代の保険料軽減をあげてきました。しかし、保険料軽減は平均で月258円(労使折半後129円)にすぎません。現役世代からも改悪への悲痛な声があがり世代分断論が破綻すると、「制度維持のため」と言い出しました。

 改悪による給付費減は5330億円で、来年度の軍事予算の6%予算総額の0・5%にすぎません。重い病気の人に負担を強いて命を危険にさらし財源をつくる―自民党政治の反国民性・冷酷さを如実に示しています。大軍拡・特定企業優遇をやめて財源をつくり、高額療養費制度改悪は撤回すべきです。


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