前回の続きですが、Peytonの引退会見は泣けましたね。
筆者は発表があった朝、家を出る前にESPNのPodcastをダウンロードして、電車の中で会見を聞きました。
言っていることの○割は理解できましたが、悲しいかな英語力のなさゆえあやふやなところもあります。結局はAFNJapanに掲載された全文訳を読んで、ようやく全てを理解できました。
あと、シャラポワについては、「引退」だと思っていたので(日本のニュースメディアではこちらが多く取り上げられることを予想して)「空気読めよ」と言ってしまいました。しかし「ドーピング露見」では会見を先送りできないし、Peytonと同じ日の近い時間で被ってしまったの仕方がなかったと、今では思っています。多分シャラポワの会見があってもなくても、日本ではPeyton引退はYahooトップに載るほどのニュースにならなかったでしょうし(シャラポワは写真付きでYahooトップに乗ってましたが)。
ただ、シャラポワが選手として復帰できるかは微妙ですね。
さて前回途中になってしまったMallettの続きです。実は2014シーズンの初めにNEからHOUがMallettを引き抜いたとき、筆者は少しばかり期待していたのでした。まがりなりにも数シーズンにわたりBerichickの下でBradyの控えを務めた選手。QBが手薄だったHOUの救世主となるかと思ったのです。当時はINDの一人勝ちだったので、AFC南を変えてほしいと思っていました。
HOUは2013シーズン、エースQBだったSchaubが不振でチームが低迷(2連勝のあと14連敗しましたね。その勢いで馘になったHCがご存じKubiakでした)。そしてHOUが2014シーズンのエースQB候補として連れてきたのがMallettでした。
しかしMalletが先発QBの座を得るのはWeek11。それまでは、「オードリーの若林(HOUファン)に嫌われている」Fitzpatrickに奪われていました。Fitzpatrickの不調で 先発QBを交代するときは、「Ryan同志」で譲り合ったと一部では話題となりました(これは嘘)。
ようやく先発の座を得た(NE時代を通じて、キャリア初の先発)Mallettですが、2試合目のWeek12でなんと胸筋を断裂。そのままシーズンエンドとなりました。怪我とはいえせっかくのチャンスを早々につぶすMallettに、ツキのなさだけでない香りを少し感じたものでした。
そして迎えた2015シーズン。FitzpatrickがNYJに去り「Geno Smith殴打事件」(この表現を見て「ナンシー・ケリガン殴打事件」を思い出したあなた、筆者と同類です)をきっかけに先発昇格を果たした一方で、HOUに残ったMalletは、控えQB量産工場といわれるCLEからやってきたHoyerと先発QBを争います。そういえば、HoyerもBradyの控えでしたね。元NEの控えQBが場をHOUに移して先発の座を争うという、NEファンそしてBradyファンには胸熱の展開が繰り広げられたわけです。
勝ったのはHoyer。Mallettは控えとしてシーズン初戦を迎えます。開幕戦の相手は@KCでした。これは後知恵ですが、まさか4カ月後に再びHOU@KCでPlayoff初戦があるとは、だれもが思っていなかったことでしょう。この試合、HoyerがピリッとせずMallettがリリーフしています。HOUがPlayoff初戦に遭遇する悲劇の予兆は既にこの時あったわけですが、結局まわりまわってHoyerに戻っちゃったんですね。なんか逃れられない運命のようなものを感じます。
MallettはHoyerの失敗に乗じて、2戦目以降の先発QBを奪い取ったのですが、結果を出せません。Week4、ATLに0-48と差を付けられた時点でHoyerに再び交替させられます。その後のMalletの行為はプロとして許されないものでした。一連の報道を読むと、なかなかのダメっぷりですね。その後、HOUを解雇されました。
そんなMallettがシーズン終盤のWeek15、再び表舞台に現れます。役割はなんと、Flaccoが怪我でシーズンアウトとなったBALのQB。HOU当時の行動が報道された後だけに、BALの決断には驚きました。しかし冷静に考えれば来シーズンはFlaccoの復帰が見込めるため、そこそこの先発QBがいればよいという考えだったのかもしれません。
そしてMallettは先発したWeek16で、プレイオフ争いをしていたPITを下すという金星を上げます。274ヤード投げて1TD、0INTでパッサーレイティングは95.0。来季BALに残れるかはわかりませんが、どこかのチームで控えQBくらいにはなれることを示しました。自分の素行がきっかけでHOUを追われたMallet。今後、どういうキャリアを積んでいくのでしょうか。
このMallettのキャリアに微妙な影響を及ぼしているのがSchaubです。上にも書きましたが、2013年シーズン、Schaubが不振にならなければMallettはHOUに呼ばれることはなく、2014年のFitzpatric vs Mallett、2015年のHoyer vs Mallettという先発争いもなかったはずです。
さらに、Schaubは2015シーズンはFlaccoの控えを務めていました。ところが怪我で脱落。その結果、Mallettに出番が回ってきました。このSchaubとMallettの因縁はなんなんでしょうね。
エースQBが怪我をすると、控えQBが先発を任され、そのまた控えQBが必要となります。ここまで取り上げてきたMcCown兄弟やHoyer、Weeden、Fitzpatricなどは、そうやって長年生きてきました。
そしてFitzpatricはNYJで先発QBを務めあげ先発に昇格。Brock OsweilerをHOUに引き抜かれたDENの先発QBになるかもとまで言われています。なんだかんだいっても、先発を務めあげられるQBは不足しており、それを確保するのはたとえSuper BowlチャンピオンのDENをもってしても難しいというのが分かりました。
長くなりましたが、そろそろ今回は終わりに…と思ったらもう一人、2015シーズンに2チームで先発QBを務めた選手を忘れていました。その名はJimmy Clausenです。
ClausenはCHIでシーズン開幕を迎え、Week2にCutler負傷を受けリリーフ。Week3(CHIがSEAに完封された試合ですね)に先発していました。しかし、Cutlerは1試合で復帰。Clausenは控えに戻ります。
そしてSchaubが怪我をしたBALに呼ばれて、Week14にQBとして先発します。いま知ったのですがこの試合の相手はまたもSEA。ここでも負けて、SEAに先発QBとして違うチームで2連敗していました。これもちょっとした珍記録ですね。そしてClausenの後を引き継いだのがMallettだったというわけです。
今回はいろんな控えQBの話を書いたので、正直グダグダになりました。ただ筆者自身、良く分からない控えQBの足跡を確認したという意味で、価値ある内容になったかなと思います。
最後になりますが、DENの来季の先発QB候補の一人、Colin KaepernickがCLEに行きたいと言っているようです。控えQB量産工場は避けて、DENでElwayから#7を借りたほうがよいと思うのですが、どうなんでしょうね。取りあえずElwayは控え?としてPHIからSanchezを確保したようです。