最初は全員網羅しないつもりでしたが、結局2015年シーズンに出場した全QBを調べてしまいました(そのお話は後日します)。本文中で「現役では」という言い方をしていたら、2015年シーズンのことだと思ってください。
今回は筆者の私情がだいぶ入った評価になりますことをあらかじめお断りします。また、現役は全員について言及していません。Legendを含め、この選手の話が抜けているなどがお気づきになられましたら、コメントしていただけると嬉しいです。
では早速行きましょう。
#1
2015年シーズンはQBで#1を着けていたのはCam Newton(CAR)だけでした。Warren Moonの影響があるので着けづらい番号なのかもしれませんが、あえてこの番号を入団時に選んだのはCAMらしい。Moonを抜くくらいの成績を残してこの番号の第一人者になることを期待してます(現時点ではまだMoonが上)。
LegendではMoonの印象が強いですね。黒人QBの道を切り開いた人で、Houston Oilers(現TEN)の永久欠番。米国プロフットボール殿堂入りを果たしています。「1」というインパクトの大きい数字を背負って、それでも様になっていました。
#2
現役の第一人者といえば、2015年シーズン全試合に先発したMatt Ryan(ATL)ですが、少し線が細いイメージです。いいQBだけど一流にはなり切れない、そんなイメージが付きまといます。そのほか、SFの先発にシーズン途中昇格したBlaine Gabbert(SF)やBig Benの故障で先発が回ってきたMichael Vick(PIT)がこの番号でした。
LegendではDoug Flutieを上げないわけにはいきません。いったん80年代にNFLで活躍後、90年代後半までカナディアン・フットボール・リーグに在籍。その後98年にBUFに復帰後、SDを経てNEを最後に2005年に引退しました。
ほかには2000年代にNOで先発を務めたAaron Brooksがいます。Drew Breesの前任者ですね。このBrooksがすごいのは、現在NBAとMLBの現役に同姓同名がいること。筆者も最初に浮かんだのはChicago BullsのBrooksでした。
Tim Couchは期待外れのQBの話をすると必ずといっていいほど出てくる人ですが(99年CLEが全体1位で指名)、5シーズンで59試合に先発しているわけですから、同じCLEの#2の後輩、Johnny Manzielと一緒にしてはいけません。ManzielはDENに来るとか噂がありますが、現時点では無職のパーリ―ピーポーのようです。
#3
現役では、Carson Palmer(ARI)とRussell Wilson(SEA)が有名です。若くしてSBリングを取ったWilsonの方が印象が強いでしょうか。PalmerはCIN時代は#9をつけていましたね。
このほかには、Brandon Weeden(DAL)をはじめLandry Jones(PIT)、Jameis Winston(TB)、EJ Manuel(BUF)、Mark Sanchez(PHI)など渋いところが並んでいます。
LegendではBUFとOAKで活躍したDaryle LamonicaがOAK時代に#3を付けていましたが、60~70年の人なので詳しくはわかりません。この番号はKが付ける場合が多いようです。
#4
そりゃBrett Favreの番号ですから、なかなか後からこの番号を背負うのは厳しいでしょう。NBAですと、Larry Birdの#33やMagic Johnsonの#32、そしてMichael Jordanの#23をみんなつけたがるものですが、NFLでは#4を背負うのは勇気がいるのでしょうかね(この話は別の番号でもします)。Favreについては皆さんご存じなので略します。殿堂入りプレーヤーで、#4はいろいろあったあげく、2015年にGBの永久欠番になりました。
あと有名どころではJim Harbaughでしょうか。CHIやINDなどを渡り歩き、CHIとINDの一年目以外は#4を付けています。INDではPayton Manningの前任にあたるQBでしたが、全体1位指名でINDがManningを取れたということは、前年最下位だったわけで(略)。それほどインパクトのある成績ではなかったですね。
現役はDerek Carr(OAK)だけでした。2年目で全試合先発しAC/DCコンビを確立。今後の成長が楽しみです。
#5
現役では、若手の成長株がひしめく番号。Teddy Bridgewater(MIN)にJameis Winston(TB)、Blake Bortles(JAX)までが16試合で先発しました。3人ともまだ1~2年目ですからこれからが楽しみです。
本来ならSBを獲ったJoe Flacco(BAL)がこの番号の第一人者です。この10年のAFCからのSuper Bowl進出QBは、Tom BradyとPeyton ManningとBen Roethlisbergerを除くとFlaccoだけですから。2015年は途中で怪我をしてシーズンエンド。若手の台頭を許すのか、エリートQBとして第一線に復帰できるのかが2016年シーズンに問われます。
あとは、Tyrod Taylor(BUF)とNick Foles(STL)、A.J. McCarron(CIN)といった中堅がいます。3人ともいえるのは今季が正念場というところでしょうか。
Legendでいえば、Donovan McNabbの#5はPHIの永久欠番ですね。その後移籍したWASとMINでも5番を付け続けました。
#6
現役でJay Cutler(CHI)のほかは、T.J. Yates(HOU)とCharlie Whitehurst(IND)しかつけていない謎の番号。CutlerはDEN時代もこの番号でしたね。ちなみにBrock Osweilerは1年目はDENの#6だったということは、Cutlerの番号を受け継いだことになります。
LegendではBubby Bristerという、Super Bowlリング2個を持つ伝説のQBがいます。って誰それという方が多いと思いますが、John ElwayがSuper Bowlで勝った97年、98年シーズンの控えでしたね(ごめんなさい、私も知りませんでした)。
つまりこの人はCutlerとOsweilerの大先輩としてDENの#6を付けていたことになります。なおElwayの控えとしてよく話題になるGary Kubiakは91年シーズンまでで引退していました(Jersey Numberは#8)。
#7
2015年シーズン、この番号で一番先発回数が多かったのは、「怪我がちサム」ことSam Bradford(PHI)で14試合でした。STL時代からの#8を捨て、新規一転#7を選んだことが復活の契機になったのかもしれません。
現役最強は、SBリングを二つ持つBen Roethlisberger(PIT)で異論はないでしょう。今季は怪我で11試合の先発でしたが、それでもTD数やヤード数でBradfordを上回っています。
Colin Kaepernick(SF)はどうしちゃったのでしょう。このままSFなのか、心機一転ほかのチームに移籍するのか。年俸との兼ね合いがあるのでしょうが、なかなか決まらないのは本人のためにはならないと思います。
Brian Hoyer(HOU)はエースQBの座を失いかけては取り戻すという変なシーズンを送り、Playoffで4TOを浴びるといういやなシーズンの終わり方をしました。そういうこともあってのOsweiler獲得のわけで、今後の動静が気になります。
あとは、HOUでHoyerとエースQBの座を争ったRyan MallettがBALではこの番号を付けています。Hoyerへの意趣返しなのか、単に番号がこれしか空いていなかったのかはわかりません。
Legendでは何といってもElwayですね。5回SBに出て最後の2回を勝つという、だれにもまねができない勝ち逃げを果たして、殿堂にも名を連ねています。
あと筆者が思い入れがあるのはBoomer Esiason。88年シーズンの「Who Dey」旋風のときのQBで、Super BowlではJoe Montanaの方のThe Drive(WikipediaではThe DirveというとElwayの方を指していました)に沈みました。
Michael Vickは今シーズンの#2よりも、闘犬で捕まった時の#7のほうが印象が強いです。
#8
この番号は新旧入り乱れていましたね。現役では2015シーズンに台頭したKirk Cousins(WAS)。同期のRG IIIを押し出して、正QBの座を獲得しました。
新人最初の試合で、いきなりパッサーレイティング満点をたたき出したMarcus Mariota(TEN)のインパクトもすごかったです。若干尻すぼみな感じもしましたので、来シーズンが正念場ですね。
旧では、なんといってもMatt Hasselbeck(IND)。まだ引退せず、しっかりBuckupとして現役を続けていたのは立派です。GBで2シーズンを過ごしSEAで10シーズン活躍した後、TENを経てINDにいましたが、SEAに移籍してからは、ずっと#8を付けています。
Matt Schaub(BAL)は2014年シーズンはOAKにいましたが先発することはなく、これで終わったかと思っていたら、FlaccoのBackupとしてBALで2試合先発。せっかくのチャンスを得たのに、そのあとで怪我を負ってシーズンを終えました。HOUが12勝4敗を上げた2012年シーズンに全16試合で先発していたことがもう遠い昔に思えます。
Legendではブリガム・ヤングの子孫で、MontanaをSFから追い出した男Steve Youngと、DALのトリプレッツの一角Troy Aikmanが、常に「#8で最も成功したQB」の座を争い続けています。二人のチームが同時期に覇権を争い合ったところもいいですね。筆者は当時のDAL vs SFではSF押しだったのでYoungの方に肩入れしています。なお、どちらも殿堂入りしています。
もう一人、Archie Manningも忘れてはいけません。Playぶりは見たことがないのですが、当時弱小だったNOで孤軍奮闘したと聞いています。その後HOUとMINを経て引退しましたがMINでは#4を付けていました。
#9
この番号は、Drew Brees(NO)とTony Romo(DAL)、Matthew Stafford(DET)の3人が三つ巴の戦いを繰り広げています。今シーズンはRomoが怪我でリタイア。Staffordは5年連続フル先発なので、丈夫さでRomoはだいぶ劣って見えます。
Romoの離脱がもたらしたDALの低迷は、エースQBそしてもしもの時の2番手の手当ての重要さを改めて認識させる出来事でした。Romoも2016シーズンは36歳。「後継QBを指名してもいいよ」発言は、リスクヘッジなのか自分の選手寿命を悟ったのか、気になるところではあります。
Breesはさらに一つ上の37歳になります。過去の成績を見ると、SDでの2年目(2002年)から2015年までの14シーズン(224試合)で欠場はわずか8試合という鉄人ぶりです。ただ、チームがそろそろ次の手当てを考えないといけないのはDALと一緒ですね。
Legendでは1985年シーズンのCHIのSB優勝時のQBだったJim McMahonとWASで60年代を中心に活躍したSonny Jurgensen、1999年シーズンのSBでSTLに敗れたTENを率いたSteve McNairがいます。
筆者はMcNairとMcNabbをよく混同してしまいます。その反省を込め、事件に巻き込まれて亡くなったMcNairさんには謹んで追悼の意を表します。
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前編はここまで。後編は書き上がり次第公開します。
今回は執筆にあたり、http://www.pro-football-reference.com/と、http://www.bestbythenumbers.com/2012/08/current-nfl-quarterback-jersey-numbers.htmlとhttp://espn.go.com/nfl/playoffs07/news/story?id=3218941を参考にしています。こちらもご覧ください。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
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MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・レッドスキンズ | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LA(STL) | ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ | ||
OAK | オークランド・レイダース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
SD | サンディエゴ・チャージャース | SEA | シアトル・シーホークス |
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