Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

NFL選手の引き際をパターン分けしてみた、今期引退する5人のLegendたち(後編)

2016年08月20日 15時00分00秒 | MLB
前回に引き続き、MLB、NBA、NFLの引退選手のお話です。前回はMLBのA-RodことAlex Rodriguezの引退の話が中心でしたが、本来言いたかったのはそれぞれの選手の引き際のスタイルについてです。
 
NFLでは、だいぶ前に書いたPeyton Manning以外の有名どころとして、Calvin Johnson(Megatron)やMarshawn Lynch、Charles Woodsonが2016年シーズン終了後に引退しました。
 
これら引退の経緯をざっくりパターン分けすると、(1)成果を残したシーズンを終え、現役続行を検討したものの結果的に引退→Manning。(2)まだまだできるはずなのに全盛期ほどの成績を残せなくなったので引退を選択→Megatron、Lynch。(3)シーズン前から引退が既定路線で、結局引退→Woodsonといったところでしょうか。
 
それから前回述べたMLBのA-Rodのように(4)実力が衰え、契約が残っているのに引退勧告というバターンもあります。Ortizは(3)でしょうかね。さらに(1)も付けられる(つまりWorld Seriesに出るとか、さらに勝つとかする)とよいのですが。
 
Manningの場合、2年前の雪辱を果たし2個目のSuperBowlリングをGetしたわけですから、最高の引き際ではないでしょうか。引退公表前に噂になっていたチームで現役を続行していれば、晩節を汚していたかもしれません最近のニュース米国でのCM(笑)を見る限り、引退後の生活を満喫しているようですし。
 
ただ、SuperBowlで勝利を飾って引退という「勝ち逃げ」は、PeytonのほかJohn ElwayやRay Lewisなどごく限られた選手のお話です。やはり2016シーズンを最後に引退したJared Allenは、CARにシーズン途中に移籍し、キャリアで初めてSuperBowlまでたどり着いたものの、残念ながらチームは敗れました。
 
それでもAllenはSuper Bowlを経験し、現役時代が長かったMINから1日契約をしてもらい、海賊の一員として現役を終えられました。SuperBowl制覇には届きませんでしたが、満足な引退劇だったのではないでしょうか。

前回、ちょっとしたネタに使ったMatt Hasselbeckは、2015年シーズンはAndorew Luckの怪我を受け、INDで見事なリリーフを果たしました。SEA時代にSuper Bowlでの先発経験があるのにINDでは控えQBを務め、8試合に先発、1690ヤードを投げ、9TDは立派な成績です(9TDは2016年シーズンのPeytonと同数です)。
 
4月末に米国に筆者が行ったときには、もう立派なESPNのコメンテーターになっていました(写真はドラフト当日の中継席に座るHasselbeck)。英文Wikipediaでは、SEAとの1日契約が取りざたされていますが、どうなったかはよくわかりません。
 
さて最後にNBA。Tim Duncanについては以前回述べましたが、そのあとでDuncanはこんな声明を発表しています。たった紙切れ一枚。筆者でも理解できる、そんなに難しくない英語なので、何を書いてあるかは読んでいただくだけでわかります。
 
ここからもわかるように、よく言えば「派手を好まない」、悪く言えば「地味」。そんな人です。19シーズンで得点19.0、リバウンド10.8、ブロックショット2.17、アシスト3.0(いずれも出場ゲーム当たり)を残した、史上最高のPower Forwardなのに。
 
Duncanにとって最後の試合は、PlayoffのOklahoma Thunderとの2016 Western Conference semifinalsでした。第3Q終了時点で65-91という大差をつけられた段階で、現役での最終戦になることを悟ったのでしょう。第4Qの頭から出場し、最後まで戦い抜きました。
 
間違っても、高額の年俸を要求してチームのサラリーキャップを圧迫し、自身の成績は悪化の一途にもかかわらずチームに居座り続けたり、シーズン途中で引退を表明してAll Starの最高得票を獲得(どっかの知事選の駆け込み出馬表明を思いだいますね)して、自らの「最後のAll Star」を演出したり、チームがPlayoff進出を逃した(というか西地区最下位)ことを利用してレギュラーシーズン最終戦を引退試合にして、しかも60点も取ってしまったりはしません。
 
筆者は、高い実績を残しながらクールな振る舞いを続けるDuncanに惚れたのですが、世の中は必ずしもそうではないようですね。某バスケ雑誌の最新号でDuncan引退に割いたページ数はわずか3ページ(カラー見開き2ページに、資料編1ページ、そしてポスターの裏側)。表紙はGolden Stateに移籍したKevin Durantが飾っていました(もう一冊の方は、KobeとDuncanが並んだ写真を表紙に使っていましたが)。
 
雑誌の販売部数でビジネスしている出版社の気持ちはよく分かります。それまでの各号の売れ行きを見て、だれを取り上げれば売れるかという経験は編集部のノウハウとして蓄積されているのでしょう。Duncan引退記念号を出したとしても、結果は想像できます。
 
そうなったのは私を含めた読者の購買姿勢に問題があったのかもしれません。それでも編集者である前にNBAをよく知る人であるならば、最新号の台割を作る際に(もっと言えば紙面企画会議をする際に)、引退するDuncanを讃える工夫をもっと考えるべきだったでしょう。正直、これまで20年以上読み続けてきた雑誌を、競合誌に乗り換えようかと思いましたよ。
 
その厳しい中で生き残るためには、何が必要なのか、編集者の方にはいろいろと考えてほしいなあと思う次第です。
 
NFLについていえば、巷ではTouchDown Proの休刊が噂されています(ある方の指摘を見る限り、どうやら本当らしい。でもTouchDown Pro 2016年 10 月号は2016/8/30発売のままAmazonで予約を受け付けているので、もしかすると選手名鑑は出すのかもしれません)。雑誌にお金を払う人が少なくなり、雑誌もどんどん薄くなる(つまり広告掲載スペースとしての価値がなくなっている)なか、スポーツ関連誌はどれも厳しいと思います。
 
まだ競合2誌があるNBAはよいですが、1誌だけになってその1誌も休刊を迎えそうなNFLは、Webニュースと現地からの英語情報に頼らざるを得なくなります。そしてそれはすそ野の広がりを阻むでしょう。GAORAがNFL中継を今期から辞めたことを含めて、いろいろなことを考えさせられるシーズン前です。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

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