久しぶりの投稿の今回はMLBネタから。Los Angeles Angelsの大谷翔平選手が、米国で最高のデビューを飾りました。
なにせあのBabe Ruth以来の二刀流(英語ではまんま「two-way」というらしいですが)としての活躍をして、2018年4月8日時点で投手としては1勝(防御率は6回投げて3失点ですから4.50ですね)、打者としては3試合連続のHRで打率は0.389、長打率と出塁率の和が1.31という恐るべき数字を残しています。日本時間で4月9日早朝に予定されている2回目の先発ではどのような結果を出すのでしょう。
追記:その9日の試合で6回まで投げ終わった時点で書いていますが凄いことになってますね
ESPNが大谷が投手としての初勝利を挙げた直後に(つまり最初のHRを打つ前に)Should Shohei Ohtani stay a two-way player? Exactly 100 years ago, the Red Sox faced the same question with Babe Ruthなんて記事を掲載したくらいですから、日本だけでなく米国でも大谷の存在が大きな話題となっていることは間違いありません。
MLBだけを扱っているわけではない本ブログとしては大谷の活躍についてはこれくらいにしますが、大谷の米国での鮮烈デビューを記念して、大谷がAngelsで付けた背番号17についていろいろ考えてみました。
まずMLBからいきますと、2018年シーズンに#17をつけているのは今のところ10人。大谷以外で有名どころでは、Chicago CubsのKris Bryantがいます。なにせ2015年シーズンのNational League新人王にして、2016年シーズンのNational League MVP。2017年シーズンはやや成績を落としたもののCubsの大看板となっています。
それ以外では、現在Texas Rangersの秋信守(Shin-Soo Choo)がいます。Seattle Marinarsでのデビュー当時は#54だったようですが、その後のキャリアの大半で#17を着けています。#54から#17というと昔の読売東京ジャイアンツの槙原寛己を思い出しますが、これを言っちゃうと年がばれますかねえ。
秋に話を戻すと、早いものでMLBで14シーズン目を迎えました。ヒットの数では松井秀喜(10シーズン)のMLB通算記録を上回り、HRの数でも175本の松井に4本差の171本となっています。1982年生まれの秋はもうじき36歳。韓国人で最も成功したMLB打者ということでよいのでしょうか(投手にはMLBで通算124勝を挙げた朴賛浩がいるので)。しぶとくMLBで生き残ってほしいものです。
歴代のMLBの#17には、有名な選手はあまり多くないようで、#17で永久欠番になっているのは1930年代に活躍したDizzy Dean(野球殿堂入り)と、Colorado Rockies一筋で1997年から2013年シーズンまで活躍したTodd Heltonだけです。Heltonは5度のオールスターと4度のシルバースラッガー賞に選ばれた、押しも押されぬRockiesのスタープレーヤーでした。
Heltonは2019年から殿堂入り候補になる資格を得るとのこと。いまどきのMLBでは珍しい「生涯一球団の選手」ということもありますので、初年度での選出は難しいとしても、いずれ殿堂入りするような気がします。
あと面白いのは、2018年シーズンからNewYork Yankeesの監督を任されたAaron Booneが着けているのが#17です。Booneと言えば、2003年シーズンのBoston RedsoxとのAmerican League Championshipの第7戦に、サヨナラホームランを打ったことで記憶されている方も多いかと思います。そう松井秀喜がPedro Martinezからヒットを打ち、その後のJorge Posadaのヒットで同点のホームインをした後にホームベース付近で飛び上がったあの試合ですね。
実はこの時のBooneは、MLBデビューを飾ったCincinnati Redsから付けていた愛着のある#17ではなく#19を着けていました。Booneはこの年のシーズン中に移籍してきたのですが、その時点では#17が空いていなかったのですね。
そしてBooneは2003年のWorld Series敗戦(Florida Marlins、現Miami Marlinsに敗れました)後のシーズンオフ(2004年1月16日)に、チームとの契約に反してバスケットをしているときに靭帯を断裂します。正三塁手を失ったYankeesはその直後にあのAlex Rodriguezを獲得したわけですから、Booneの軽率な行動がなければMLBの歴史は変わっていたかもしれません。それまでの過去5年でリーグ優勝4回、ポストシーズンで42勝24敗を誇っていたYankeesが、なかなかWorld Seriesにたどり着けない“並みのチーム”になったからです。
当時のYankeesの監督だったJoe Torreは自著「さらばヤンキース」の中で、「アレックスが来てからというもの、クラブハウスから和気あいあいとした雰囲気が消えてしまった」と語っています。その後の、ポストシーズンでなかなか勝てないYankeesを覆っていたのはRodriguezの存在がもたらした副作用としか思えません。そのあたりはTorreの自伝に詳しく描かれているので、興味がある方はご覧ください。
結局Yankeesが再び世界一に輝くのは、松井がWorld Series MVPを獲った2009年シーズンでした。松井ファンの筆者から見ればRodriguezが、松井がYankeesでWorld Seriesを制覇するまでの6年間のストーリーを演出したともいえるのですが。
Booneに話を戻すと、Booneは怪我の直後にYankeesを解雇され、2005年にCleaveland Indiansへ復帰したのち2009年シ-ズンを最後に引退しています。せっかく前年のポストシーズンで名を売り、春からYankeesの正三塁手の地位を約束されていたのに、自分の軽率な行動ですべてを台無しにしたBoone。そんなBooneがYankeesの監督になって、現役時代に着られなかったYankeesの#17のユニホームに袖を通すとは、何という皮肉でしょう。ぜひ長い期間、このユニフォームを着られるよう精進というかチームを勝たせ続けてほしいものです。
NFLに行く前に、NBAの#17についても調べましょう。Dunk Shot 2018年2月号(こうした用途も見越して、永久欠番特集が載っているこの号を購入していました)によると#17を永久欠番としているのはNBAには3人しかいないとのこと。一人はBoston Celticsで1960-70年代の16シーズンのうち8回の優勝を飾ったJohn Havlicekですね。筆者はプレイを見たことはありませんが、Celticsが最強だった当時を支えた選手として名前は知っていました。
二人目はAtlanta HawksのかつてのオーナーでCNN創業者であるTed Turnerの名を挙げています。ただ2013年からHawksではDennis Schröderが着用しているところから、現時点で#17は欠番ではないようです。Turnerが所有していたWTBS(現TBS)がチャンネル17だったため、この因縁があって一時期のHawksでは#17を着用させなかったのかもしれません。
そして筆者が現役時代を知っているのが三人目のChris Mullin。1992年のバルセロナオリンピックでドリームチームの一員として金メダルを獲得した、左利きのシューターでした。
Mullinがいる当時、人気はあったもののなかなか勝てないチームだったGolden State Warriorsですが、ここ3年で2回NBAファイナルを制した強豪として君臨しているのはご存知の通りですね。2012年に#17はWarriorsの永久欠番になりました。
ああ、やっとNFLの#17になりました。
NFLではルール上、#17(10番台)はWRかQB、K、Pしか着けられませんね。ただ背中が重くなるせいか、二けたのKやPを見かけることはあまり多くありません。つまりほとんどがWRかQBということになります。
2017年シーズンに#17を着けたWRでは、以前ここで取り上げたRobert Woods(LAR)やDavante Adams(GB)、Devin Funchess(CAR)あたりが思い浮かびます。ほかにも何人か入るのですが、省略してQBの話にしましょう。
2年前にQBのJersey Numberを取り上げた記事(1-9と10-19)のとき、#17を着けていたのはPhilip RiversとBrock Osweiler、そしてRyan Tannehillとあと二人(Kellen MooreとCase Keenum)でした。Mooreは2018年シーズンは出番がないまま終わり、Keenumは移籍先のMINでは#7を着用しました。
つまり2017年シーズンはRiversとOsweilerとTannehillの3人しか、#17を背負わなかったようです。正しく言えばTannehillは怪我により全試合欠場なので、#17として試合に出場したQBは二人しかいませんでした。
Riversは全試合出場でTom Bradyに次ぐ2番目のヤード数を稼ぐ活躍でした。因縁のEli Manningとの直接対決も制し、前半不振だったチームをPlayoff直前まで復活させたところはさすがです。
もう一人のOs君はなぜかDENに舞い戻り、Peyton Manningの控え時代に着けていた#17を着用してしっかり4試合に先発しました。しかし、チームからの信頼は得られなかったようでCase KeenumをDENが獲得した後の2018年3月にMIAと契約します。
MIAと言えば、Tannehillの全休が決まったことを受け急きょ、引退を発表しFOX Sportsのコメンテーターに内定していたJay Cutlerを復帰させ(MIAのHCであるAdam Gaseは、前職がCHIのOffensive Coordinatorだった)、1シーズンを乗り切りました。そういえばOs君はCutlerがCHIに去った後、#6をつけていた経験があります。どれだけCutlerの追っかけをすることに関心があるのかわかりませんが、2度目のCutler後釜人事となりました。
ここで興味深いのはTannehillとOsweilerの今シーズンのJersey Numberが#17で見事にかぶっていること。マイアミで#17をめぐる戦いが勃発するのでしょうか。
とはいえ、フランチャイズQBと呼ぶには微妙なTannehillではありますが、長年にわたり同チームの#17を背負ってきたTannehillがこの番号を奪われる可能性は低く、番号を変えるのはOsweilerのはずです。ではかつてDENで付けていたことがある#6に行くのか、いっそDEN時代の恩師の番号である#18を背負うのか、もちろん全く別の番号にするのか、たいへん興味があります。
筆者としては、#15以上の重い番号を背負うQBが減ってきただけに、Osweilerには新天地では#18を着けてもらいたいと考えているのですがどうでしょう。「Peytonをリスペクトして、DENでは着けられなかったこの番号を背負うことにしました」と言ったらちょっとは好感度が上がるかもしれません。もちろんこの地で#13はありえませんけどね。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
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MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・レッドスキンズ | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LAR(旧STL) | ロサンゼルス・ラムズ | ||
OAK | オークランド・レイダース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
LAC(旧SD) | ロサンゼルス・チャージャース | SEA | シアトル・シーホークス |
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