若林の熱視線をGame Passで追体験しよう、「NFL倶楽部」書籍版を2倍楽しむ

「オードリーのNFL倶楽部」、面白いですねえ。いや、テレビではなく書籍の話。

書籍そのもののネタバレをする気はありませんが、この書籍の呼び物は、番組中にもある「若林のアメフト熱視線」というコーナーを再現している部分でしょう。番組では毎週、番組の冒頭で取り上げた試合のキープレイを若林が解説するわけですが、そのうちの27回分を書籍上で再現しているわけです。

 

その1話目を読むと、こんなファクトが見えてきました。

・DALのTony RomoがQB（つまり2016年シーズンより前）

・4Q残り1分11秒で4点DALが負けているがTDで逆転

・敵チームにはJason Pierre-Paul（つまり相手はNYG）

・OLにはZack Martinがいる（つまり2014年シーズン以降）

・アナウンサー（MC）は2015年担当の尾崎理沙さん（つまり2015年シーズン）

・スタジアムはMetLife Stadiumらしい（画面写真のエンドゾーンにNYGのロゴ）

・その他、画面写真から何人かのJersey Numberも分かるがここは省略

 

実は書籍内に、いつのどの試合かをはっきりと書いてはありません。しかし、上のファクトからこれはDAL@NYGの試合であり、MCの名前から2015年シーズンの試合であることが推測されるわけです。

 

ここで推測されると書いたのには理由があって、実は上の情報には間違いがあったんです。書籍でいうところの校正ミス。別にこれを責めたいわけではないので、文芸春秋社の担当編集の方はご安心ください。でも再版するときは直してね。

 

上の情報を基に2015年シーズンのDAL＠NYGの試合を検索すると（同地区なのでこのマッチアップは毎年あります。そこで「2015 DAL@NYG ***」と入力してスポーツサイトのログを見ます。***はESPNでもFOXでもよいかと）、このシーズンは2015年10月25日にあって20-27でNYGが勝っていることがわかりました。あれ、しかしよく見ると4Qの得点はそれぞれ7点ずつですから、4Qに4点差でDALが負けているシチュエーションになるはずがない。つまりどこかに間違いがあるわけです。

 

さらにBox Scoreを見ると、なんとこの試合はTony Romoは欠場でQBはMatt Casselが出場している。つまり上に書かれている内容と矛盾していました。

 

考えられるのは2015年の試合であるというMCの部分です。2016年シーズンにRomoはほとんど出場していませんから、2015年でないとすると2014年のDAL＠NYGの試合だった（MartinがOLにいるため2013年以前でもないし、そもそも若林の熱視線は2014年シーズンからと書いてある）と推測できますね。つまりMCが尾崎さんではなく、後藤晴菜さんだったのではないかという読みが働くわけです。

 

そして調べてみると正解！2014年シーズン11月23日のWeek12で31-28でDALが勝利した試合の4Q残り時間1分11秒で、Tony RomoがDez Bryantに13ヤードのパスを通してTDを奪っています。書籍内の画面をよく見るとRecieverは「88」にかろうじて見えますが、これがBryantですね。

 

それではNFL Game Passを起動してそのプレイを振り返ってみましょう。Game Passでは2012年シーズンからの全試合を見られますから、若林のNFL熱視線が始まった2014年以降の試合は必ず動画で確認できるわけです。

 

試合年とWeekが分かっていればGame Passで見つけるのは簡単ですね。しかも4Qの残り1分11秒というところまでわかっているならタイムスライダーをずらして適当なところで止めればすぐ見つかります。ということで、Game PassのFull Replayなら02:10:45あたりに合わせて再生してみましょう。書籍に書いてある通りのプレイが見られます。

 

ここで筆者がしたかったのは、NFL倶楽部で3年以上前に放送された解説を、書籍とプレイ動画を見ながら確認すること。この時の熱視線のテーマだったパスプロテクションの様子もしっかり確認できます。

 

もちろん「NFL倶楽部を長年にわたって録画しておりアーカイブしている」という方には、この情報は無駄でしょう。そのアーカイブと書籍を突き合わせてください。

しかしそんな人は日本でも数人ではないかと思いますよ。筆者もこの時の放送は視聴していたはずですが、そんなもの覚えているわけがないでしょう。

ということで、以下で書籍とGame Passをつなぎ、書籍の内容を追体験してもらうために追跡調査をした結果をまとめました。上に書いたように書籍内に書かれたファクトを基に、その試合がどれで、Game Passの何分当たりを見ればよいのかをお知らせするものだと思ってください。

	書籍からわかるファクト						実際の試合
	選手名	時間帯	状況と結果	スタジアム	MC	推測	試合日	Week	結果	Game Pass	備考
1	Tony Romo、Zack Martin（DAL）、Jason Pierre-Paul（NYG）	4Q 1:11	DALが4点差ビハインドの状況からPassでTD	Metlife Stadium	尾崎	2015年のDAL@NYG	2014/ 11/23	Week12	DAL 31 - NYG 28	2:10:45	2015年の試合。MCは後藤が正しいかと
2	Cam Newton、Mike Tolbert（CAR）、相手はPHI？	1Q 9:28 2Q 3:33	TolbertとNewtonがRushing TD	Bank of America Stadium	尾崎	2015年のPHI@CAR	2015/ 10/25	Week7	PHI 16 - CAR 27	0:09:34 0:57:07	二つのプレイについて書いてあるため、それぞれの時間を併記
3	Tom Brady（NE）、Dwight Lowery（IND）	明記なし	Bradyが自陣43ヤード付近、3rd＆7でSackされる	Lucas Oil Stadium	尾崎	2015年のNE@IND	2015/ 10/18	Week6	NE 34 - IND 27	2:07:50	Sackされたのは4Q 5:54のプレイ
4	J.J. Watt、Benardrick McKinney（HOU）、Matt Hasselbeck（IND）	3Q 08:05	Husselbeckが自陣12ヤードで、McKinneyにSackされる	Lucas Oil Stadium？（HOUが白）	尾崎	2015年のHOU@IND	2015/ 12/20	Week15	HOU 16 - IND 10	1:21:08
5	Sam Bradford、Riley Cooper（PHI）、相手はBUF	2Q 終了間際	3rd&5でBradfordからCooperにパスが通って1stダウン獲得	Lincoln Financial Field	尾崎	2015年のBUF@PHI	2015/ 12/13	Week14	BUF 20 - PHI 23	1:05:23	ボールの位置から2Q残り24秒からのプレイ
6	Mark Ingram（NO）相手はGB？	4Q 3:24	Ingramが2nd&12から21ヤードのRushing TD	Mercedes-Benz Superdome？（NOが黒）	後藤	2014年のGB@NO？	2014/ 10/26	Week8	GB 23 - NO 44	1:58:30	画像から相手がGBと推測
7	Masawn Lynch、Russel Wilson（SEA）、 Jaye Howard（KC）	明記なし	KC36ヤード付近からの4th&1のギャンブルでLynchを止める	Arrowhead Stadium？（SEAが白）	後藤	2014年のSEA@KC	2014/ 11/16	Week11	SEA 20 - KC 24	1:57:46	4Q残り3:40のプレイ。記録上はAllen BaileyのTackle
8	Carson Palmer、Andre Ellington（ARI）、相手はDAL	2Q 6:02	敵陣31ヤードの1st&10でEllingtonが20ヤードゲイン	University of Phoenix Stadium？	後藤	2014年のDAL@ARI	2014/ 11/2	Week9	ARI 28 - DAL 17	0:44:05	AT&T Stadiumでの試合。正しくは2Q 6:04からの攻撃
9	Eddie Lacy、Davante Adams、John Kuhn（GB）、相手はDAL	3Q 10:22	敵陣45ヤード2ndダウンからLacyが29ヤードのRushing	Lambeau Field（GBマークから）	尾崎	2015年のDAL@GB	2015/ 1/11	NFC DIVISIO NAL	DAL 21 - GB 26	1:18:50	2015年のWeek14ではない。MCは後藤晴菜

この作業、やってみると結構大変でした。2話目は相手チームの名前が書いてないためヘルメットの柄から、PHIではないかと推測しました。

3話目はBradyがSackされたと本文に書いてあるものの、試合時間が分かりません。画面写真内のグラウンド内のロゴから相手がINDで、Sackした選手のJersey Numberが「33」らしく見えるところから、2015年のNE@INDらしいことが分かり、Dwight Loweryにたどり着きました。7話目も時間が書いていませんでしたが相手がKCであるため、ここから見つけました。

6話目もNO相手チームが明記されていませんでしたが、NOの本拠地であることと相手のJerseyの柄から2014年のGB@NOではないかと推測し、確認しました（1色写真なので色が分からないのです）。

さらに8話目はDALが白Jerseyを着ているので、すっかりARIの本拠地であるUniversity of Phoenix Stadiumだと思いましたが、この年（後藤アナだから2014年のはず）にDAL＠ARIという試合はありません。よく考えたらDALはホームでも白を着用するチームでしたね（最近ではホームで白を着るMIAと対戦するときくらいしか、紺のJerseyを着ないらしいです）。つまり2014年シーズンのARI@DALだったというわけです。

そして最後の9話目にも間違いを発見しました。この試合は選手の名前からDAL@GBであることは分かりましたが（グラウンド内にGBのマークがあるので）、書かれているEddie Lacyの29ヤードゲインが、尾崎アナウンサーがMCを務めた2015年シーズンのDAL@GBには存在しないのです。

しかし、2016年シーズンにはJohn KuhnはもうGBにいないし、そもそも2014年も16年もレギュラーシーズンにDAL@GBは存在しない。と、ここでひらめいたのは2016年シーズンのPlayoffでGB@DALがあったことでした。

そうか2014年シーズンのPlayoffならあり得る、と思いついてこの試合を発見しました。2014年シーズンのNFC DIVISIONALの試合だったのです（この次の試合で、GBはSEAに苦杯するわけですが）。

つまりこの時のMCも、まだ入社していない尾崎さんではなく後藤さんだったことになりますね。文芸春秋社の方よろしくお願いします。

ここまで調べてやっと3分の1ですね。実は上の表はHTMLかに手間がかかるので、作成になかなか時間がかかります。ということで続きは近いうちに載せます。

何はともあれ本屋さんで「オードリーのNFL倶楽部」を購入して、上記の表を見ながらGame Passと突き合わせて、なぜこのプレイが凄いのかを追体験してください。もちろんそのためにはGame Passにも加入しましょう。

 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

 

AFC東	BUF	バッファロー・ビルズ	NFC東	DAL	ダラス・カウボーイズ
	MIA	マイアミ・ドルフィンズ		NYG	ニューヨーク・ジャイアンツ
	NE	ニューイングランド・ペイトリオッツ		PHI	フィラデルフィア・イーグルス
	NYJ	ニューヨーク・ジェッツ		WAS	ワシントン・レッドスキンズ
AFC北	BAL	ボルティモア・レイブンズ	NFC北	CHI	シカゴ・ベアーズ
	CIN	シンシナティ・ベンガルズ		DET	デトロイト・ライオンズ
	CLE	クリーブランド・ブラウンズ		GB	グリーンベイ・パッカーズ
	PIT	ピッツバーグ・スティーラーズ		MIN	ミネソタ・バイキングス
AFC南	HOU	ヒューストン・テキサンズ	NFC南	ATL	アトランタ・ファルコンズ
	IND	インディアナポリス・コルツ		CAR	カロライナ・パンサーズ
	JAX	ジャクソンビル・ジャガーズ		NO	ニューオリンズ・セインツ
	TEN	テネシー・タイタンズ		TB	タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西	DEN	デンバー・ブロンコス	NFC西	ARI	アリゾナ・カーディナルス
	KC	カンザスシティ・チーフス		LAR（旧STL）	ロサンゼルス・ラムズ
	OAK	オークランド・レイダース		SF	サンフランシスコ・49ers
	LAC（旧SD）	ロサンゼルス・チャージャース		SEA	シアトル・シーホークス