Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

DaltonからSiemianまで、QB限定でJersey Numberを語る(2019年版、その3)追記あり

2020年02月11日 09時25分09秒 | Jersey
Jersey Numberを考察する記事はこれで最終回。その1その2もご覧ください。この記事の資料編はこちらをどうぞ。それから、その2の#7の項でTaysom Hillについて触れていませんでしたので追記しました。
 
#13
 
背番号が2桁になると、Jersey Numberを着けるQBは徐々に減ってきます。実際#13は2019年シーズンでQBとしてデータを残した選手はひとりもいませんでした。
 
4年前にも書きましたが、この番号を着けたQBにはDan MarinoとKurt Warnerという大物2人がいます。13という数字が西洋において最も忌避される忌み数であるという理由もあるかもしれません。
 
#14
 
2019年シーズンにこの番号を着けたQBは3人。その3人とも偶然にも13試合に先発しています。そして全員が流転の運命にさらされています。
 
1人目はAndy Dalton(CIN)。チームが不振で開幕11連敗を喫し、一度は先発QBの座を降ろされました。2011年ドラフトで全体35位で指名され入団して以来、ずっとCINの先発QBに君臨してきたDaltonは32歳になったばかり。相棒のWRであるA.J.Greenが2019年シーズンは全休したことを勘案すれば、まだまだ働けるはずです。
 
しかしCINがリーグ最下位で終わったことで、2019年シーズンのHeisman Trophy受賞者Joe Burrowを指名できるお膳立てがそろってしまいました。BurrowはOhio州南部のAthensの出身。シンシナチから200kmくらいの距離にあるから、地元といっていいでしょう。
 
以前、NBAのCleveland Cavaliersをチーム史上初のNBA Final勝利に導いた、Cleveland郊外のAkron(距離は50km程度)育ちのLeBron Jamesが号泣したように、BurrowもCINをチーム史上初のSuper Ball勝利を導けたなら、これはこれでドラマになりますね。
 
自分がもしCINのオーナーだったら、このチャンスを逃すわけはありません。過去のHeisman Trophy受賞者を見ても、2013年のJameis WinstonからMarcus Mariota、Derrick Henry、Lamar Jackson、Baker Mayfield、Kyler Murrayと粒ぞろいです。少なくともこれくらいの選手にはなってくれると期待できるわけす。
 
Daltonには申し訳ありませんが、トレードに出すなどしてお引き取り願って、Burrowをフランチャイズビルダーとして育てていこうとするはずです。ただ、2012年のHeisman Trophy受賞者であるJohnny ManzielのようなBust(実働2シーズンで、先発したのは8試合)にならないようにしてほしいですが。
 
2人目の#14を着けたQBとはRyan Fitzpatrick(MIA)。この選手については、4年前2018年9月に 記事を書いたのでここにある内容は省略しますが、2018年シーズンにTBで控えながら7試合に先発した後、2019年はMIAに移籍。2019年シーズンはKyler Murrayに押し出されてARIからやってきたJosh Rosenと先発QBを競います。
 
結果はご存じの通り、Fitzpatrickの勝ち。4試合目から先発に昇格し、そのままレギュラーシーズン終了まで投げ切っています。2019年シーズンはWeek17のGillette Stadiumでの大逆転勝ちという、強烈な一撃をNEに見舞いました。長年NEに虐げられてきたAFC東地区の3チームのファンにとって、溜飲の下がる試合だったはずです。2020年シーズンでは、ぜひNEの地区優勝も止めて欲しいものです。
 
Fitzpatrickは例年に比べてINT数が先発1試合につき1個の13個と少なかったようで(INT王だったWinstonの30の半分未満)、低迷するチームとはいえ、しっかり先発QBの役目を果たしました。ただ、MIAには2020年ドラフトでアラバマ大のQBであるTua Tagovailoaを指名するという噂もあります。そうなると37歳になったFitzpatrickは、またも新天地を探すことになるかもしれません。これまでのように「控えで入ったチームの先発QBの座をいつの間にか奪っている」という謎の力を発動させるべく、次の移籍先を探している姿が目に浮かびます。
 
最後の#14はSam Darnold(NYJ)。NYJで先発QBの座を約束されながら、開幕2試合目から病気(Mononucleosis、伝染性単核球症)を患い、3試合欠場しました。その欠場したWeek2でDarnoldの控えだったTrevor SiemianがMyles GarettのSackで足首の靭帯を断裂し、そのままシーズンアウト。それから2試合のNYJは、Darnoldの控えの控えでNFL初先発のLuke Falkに先発を任せるという緊急事態に追い込まれました。
 
DarnoldはWeek4がBye Weekだった巡り合わせにも助けられWeek6から復帰しますが、チームは前半は低迷(1勝7敗)。後半は6勝2敗という成績だっただけに、Darnoldの欠場による躓きがなければ、2019年シーズンのNYJはもっとよい成績を残せたのではないかと残念に思います。
 
#15
 
4年前はRyan Mallettくらいしかいなかった#15のQBですが、2018年シーズンにMVPを獲得したPatrick Mahomes(KC)のJersey Numberとして大きく注目されました。
 
2018年シーズンにパスで50TDを奪い5000ヤードを越えたMahomes。2019年シーズンは、怪我による2試合欠場もあってTD数は半減しましたが4000ヤードを投げ、INT数を12から5に大きく引き下げました。Super Bowl LIVの結果はご存じの通りで、押しも押されぬ若手QB筆頭の座を手に入れています。Mahomesについてはいずれまたどこかで書くでしょうから、ここではこれくらいにしておきます。
 
もう1人、Nick Folesの鎖骨骨折で急遽リリーフとなった髭の男、Gardner Minshew(JAX)も#15を着けていました。2019年ドラフトの6巡目、全体178番目で指名されたルーキーが、結局12試合に先発。6勝を挙げ「Folesいらないんじゃね」という議論を巻き起こしています。Folesは2019年シーズンは4戦に先発して4敗でしたから、2020年シーズン開幕前はファンを巻き込んでエースQBはどうするという議論を呼びそうです。
 
#16
 
4年前の2016年のドラフトで1巡目1位に指名されたJared Goff(LAR)が#16を着けています。2019年シーズン#16を付けたJerseyを着たQBは1人だけでした。
 
Goffは2018年シーズンにSuper Bowlに出場したものの敗退。2019年シーズンはそれほど悪い成績ではありませんが、あれだけのWRを抱えながらインパクトのある働きはできなかったと思います。チーム全体がSuper Bowlの喪失感からか元気がない感じだったのは仕方ないのですが、Todd Gurleyが抑え気味のプレイを続けているのが気がかりです。
 
Goffは2019年シーズン開幕前に4年の大型契約をLARと結びました。LARはGurleyやAaron Donald、Brandon Cooksとも大型契約を結んでおり、今後のチーム編成に不安を残しています。
 
#17
 
やっとここまで来た。もう残り少しなので、頑張ります。
 
#17はシーズン前とシーズン中の明暗が分かれた3人の先発QBがいます。
 
1人目は38歳のベテランPhillip Rivers(LAC)。16試合に先発しましたが、Melvin Gordonの契約問題がチーム内に軋轢を生んだのか(これ、2018年シーズンのPITにも同じことを感じました)、チームは波に乗れず。地区優勝をKCと争うはずが、負け星が先行するシーズンとなりました。
 
Riversは4638ヤードを投げていますが、大事なところでINTを食らっていた印象があります。2019年シーズン終了後に契約が切れるだけに、このシーズンオフがRivers大きな正念場となりそうです。一説にはLACが地元出身のTom Bradyを呼ぶ可能性も取りざたされています。Breesも絡め、この3人のベテランQBの去就は2020年シーズンのリーグのパワーバランスを大きく変える要素となっています。
 
なおRiversは現役QBの中で、連続先発試合数が1位の224試合で、引退したQBを入れた順位でも2位につけています。かつては因縁のEli Manningが先行していたこの記録ですが、Eliの記録が2017年シーズン中に途絶えたこともあり、Riversが上回っています。しかし1位のBrett Favreが297試合のため、さすがに38歳のRiversには届かないでしょう。
 
2人目はチームを予想外(これは個人的な見解です)のPlayoffに導いたJosh Allen(BUF)。2018年入団同期(1巡目指名の5人)のQBとしてはLamar Jacksonの成績にかないませんでしたが、10勝6敗だった全試合に先発。走る若手QBとして、JacksonとDeshaun Watsonとともに実績を残しました。2020年シーズンはいよいよNEを抜いて、地区優勝を狙える地位まで行けるのか。Allenはその重責を担っています。
 
最後はMIAの先発QBの座を追われながら、移籍先でMarcus Mariotaを押しのけて先発の座を奪い、12試合の先発ながらリーグ最高のPasser Ratingを残し、ついにはPlayoffで旋風を巻き起こしたRyan Tannehill(TEN)です。Tannehillは#17に愛着があるようで、MIN時代から継続してこの番号を着けています。
 
Tannehillは2019年シーズン終了後にFAとなります。TENではPlayoffでNEを下す原動力となったLeading RusherであるDerrick HenryもFAで、Henryの去就次第でチーム編成と戦術が大きく変わりそうなだけに、Tannehillがどのような選択をするか見ものです。
 
DENで#17を着け、MIAでTannehillと先発QBの座を争ったBrock Osweilerは(MIAでは#8を着用)、2019年シーズン中に引退を表明しました。
 
#18
 
Peyton Manning引退後に見かけなくなった#18のQBですが、2019年シーズンには1人だけいました。引退を宣言したのにPHIに乞われてシーズン開幕半月前の8月17日にCarson Wentzの控えとなったJosh McCownです。
 
Wentzの控えとして予定していたNate Sudfeld(手首骨折)とCody Kessler(脳震盪)がPreseasonゲーム中に負傷し、開幕戦に間に合わないため、急遽McCownを呼び出したようです。#18というJersey Numberは2019年8月13日にIR送りにされて、21日にIRリストからも解雇されたWR、Shelton Gibsonが前シーズンまでつけていたもの。つまりGibsonの空き番号をMcCownが受け継いだようです。McCownはそれまでのチーム遍歴で#18を着けたことはなかったようですが、これほど番号の大きなJersey Numberを背負った事情はここにあったようです。
 
McCownはレギュラーシーズンは3試合に出場し、パスを5回投げて3回成功させただけでしたが、なんとPlayoffでWentzが頭にHitを受け退場したため、急遽リリーフ登板することになります。結果、24回投げて18回のパスを成功させますがTDは奪えず、チームは敗退しました。そのあとの報道によると、McCownはその試合の第2Qの途中にハムストリングを断裂しながらも、最後までFieldに立ったとのこと。40歳のベテランQBの闘争心には敬服します。
 
なおGibsonはその後、いったんCLEと契約しますが、WRが相次いで負傷したPHIに呼ばれて再契約。SEAとのWildcard Playoffに#83を着けて出場しています。
 
#19
 
そして最後の#19ですが、こちらはTrevor Siemianが1人だけ着用しています。#18はMcCownがレギュラーシーズンで5回パスを投げただけでしたが、#19のパス試投数も6回だけ。Sam Darnoldの病気欠場によりWeek2のCLE戦に先発したSiemianがMyles Garrettのサックを受け、足首の靭帯を断裂し退場となったからです。
 
SiemianはDENで24試合の先発経験がありますが、2018年シーズンはMINでKirk Cousinsの控えとなり全く出場機会がありませんでした(なので2018年シーズンは記録なし)。心機一転NYJに移籍し、2試合目にしてつかんだ先発QBの座を、わずか18スナップで手放すことになるとは、さぞ無念だったことでしょう。
 
なおSiemianはDENに2015年ドラフトの7巡目全体250番目指名でDENに入団しており、その年に1試合だけ出場しています(Week15の@PITでBrock Osweilerの控えとして出場し、前半終了間際に1回膝をついた)。つまり、チャンピオンリングホルダーなんですね。運がいいといえる選手人生を送っている?Siemianの2020年以降の捲土重来に期待しましょう。
 
ということで、名残惜しいですが本シリーズはこれで終了。お楽しみいただけたのであれば幸いです。
 

ちょっとだけ追記
 
という記事の公開セットをしてやっと終わったと思っていたら、LACがPhillip Riversと来シーズン契約しないことを明らかにしました。いよいよ来シーズンに向け、QB移籍のドミノ倒しが始まりそうな雰囲気です。こちらについても早めに書くようにします。
 
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

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MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
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CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南 HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南 ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
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KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
LAC ロサンゼルス・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

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