白鵬は立ち合いで激しく当たり、右でおっつけながら一気の寄りで稀勢の里を土俵際に押し込んだが、稀勢の里の小手投げに足が流れ、両者がほとんど同時に土俵下に落ちた。
行司軍配は白鵬の寄りに上がったが、審判から「同体」ではないかと物言いがついて、協議の結果「同体」取り直しとなった。旭山審判長(元大関大受)は、「流れは白鵬だったが落ちたときはほぼ同時に見えた」(1月24日付『讀賣新聞』第23面)と述べているが、ちょっと待て! 小手に振られ、流れた白鵬の右足裏が土俵上で返り、足の甲(指の表側)が土俵の砂を搔いているではないか。相撲は、対戦相手より先に足裏を除いた体の他の部分(髷も含む)が土俵(徳俵の内と外)につくか、あるいは足裏が徳俵の外に出ると負け(かばい手・死に体・反則行為などは例外)となる。稀勢の里の体はまだ残っているから、明らかな誤審だ。
本来なら稀勢の里が2敗を保ち、白鵬は1敗となり、優勝は14日目の日馬富士戦に持ち越されたはずだ。審判の判定の是非は?
立ち合いで左に変化、稀勢の里の突きをかわし、あとはドタバタ相撲で稀勢の里を押し倒したが、土俵際で上体が伸び左足が流れている。稀勢の里にいまひとつ残り腰があったら、突き落としを食っただろう。盤石の勝利ではない。
(画像はすべて、www.sankei.com 2015.1.23 18:01 から転載。拡大は筆者)