一般民衆を閉め出した、この物々しい聖火リレー(4月27日付『毎日新聞』第1面から転写)をとくと見よ。沿道に柵を設け制服警察官がずらりと並んでいる。
内側には、更に白ウエアの警察官が両側一列に並び、猫の子一匹入り込む隙間もない。その中心部に、機動隊員五名と、中共政府が送り込んだ青ジャージー「聖火警備隊」二名が聖火ランナーを囲んでいる。
この異様な聖火リレーを、「平和と友好のシンボル」とだれが思うのか。五星紅旗の連中だけだろう。新華社通信は「沿道の観衆は情熱的な拍手で祝意を示した」(4月27日付『朝日新聞』第1面)と報じた。 「おまえ、見たか?」
「聖火なんぞ見えんかった」
「オマワリいっぱいで、情熱的拍手だとよ」
「なにアホ言ってんだか、手前味噌だな」
「騒ぎで、愛ちゃんびびったろな」
「『讀賣』うまいとこ撮しとる」
「愛ちゃんの顔、あるもんな。前の男、カワイソ」
「ま、大した罪じゃないだろ。無罪放免だよ」 四川省甘孜チベット族自治州炉霍県の抗議デモを、軍や警察を大量動員して鎮圧(3月27日付『讀賣新聞』第7面〈国際〉)する国家が、平和と友好の祭典とは、今世紀最大の茶番だろう。
漢民族とチベット民族との間の経済格差が拡大や、自治州とは名ばかりで、チベット仏教に対する監視の強化が、抗議デモの背景にあることは明らかである。
<モノクロ写真は、3月27日付『讀賣新聞』第7面〈国際〉から転写>
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