タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

<北海道のエキノコックス対策>

    <『北海道新聞』の記事の標題及び見出し参照 >

    【上】11月3日付・同新聞・第 26 面「発信」の見出し
    【中】11月5日付・同新聞・第 32 面「発信」の見出し
    【下】11月6日付・同新聞・第 26 面「発信」の見出し

       <後志管内で駆除剤散布に参加した8市町村>

  <原野で餌を探すキタキツネ>

   撮影日 2015 年11月1日午後1時 56
   撮影地 北海道網走管内・清里町清泉(斜里川林道)

 エキノコックスは、キツネやイヌを介してヒトに感染する寄生虫で、日本国内では北海道のみで継続的に感染が発生している。主に肝臓が侵され致死率が高いが、特効薬はない。
 エキノコックスの幼虫はネズミに寄生し、それを補食したキツネの体内で成虫となり、糞に混じって虫卵が排出される。糞を食べたネズミが感染する。ネズミを根絶やしにすることは不可能なので、この感染サイクルが延々と繰り返される。北海道では従来、キツネの糞に触れたり、山野の生水を飲まないように注意を喚起することや、定期的な血清検査を勧めることで予防対策が行われてきたが、これでは根本的解決とはならない。
 2006 年に倶知安町が始めた、餌に混入する駆虫剤散布方式は、この感染サイクルを断ち切る試みで、大いに効果があって、近隣8市町村が参加することとなった。しかし、開始後 10 年が経過し、根絶のために長く散布事業を継続する経済的負担が地方自治体の重荷となり始め、今年、蘭越町が散布を取りやめた。他市町村に活動が広がる気運もなく、「後志を道央と道南の感染を隔てる防波堤に」という目論見は崩れたのである。

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