タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪北朝鮮「衛星」を名目にミサイル発射か(12年)≫

P1220889_3P1220886_2 二月末に米国との間でウラン濃縮の一時停止に合意したばかりの北朝鮮は、三月十六日、人工衛星打ち上げに名を騙り、四月にミサイル発射(98年に打ち上げた運搬ロケット「白頭山1号」<右>と09年に打ち上げた「銀河2号」<左>の模型、及び今回予告されたミサイルの航跡=写真上段は、3月18日付『北海道新聞』第5面から転写)を行うと発表した。国民を十分に食べさせることが出来ない乞食国家が、強攻策で米国の出方を窺うのは、金総書記の路線を継承する愚行である。
P1220885 今回のミサイル発射の国内向けの目的は、四月十五日に国を挙げて挙行される予定の金日成主席生誕百周年大祝祭に向けて、まだ何の業績もない青二才・金正恩を、国際社会の圧力に抗してミサイル技術開発を進める力強い指導者としての虚像を国民に植え付けることにある。そうまでしなければ国民に指導者として認められない金正恩は、哀れな木偶の坊でしかない。
 北朝鮮国家指導部は、ミサイル発射をああだこうだと平和利用を言いつのるだろうが、北朝鮮のミサイル開発の究極目的は、米国本土まで到達する大陸間弾道弾の開発である。米国は、平和利用を強調しつつ技術開発を進め、やがて完成段階で「核保有」を宣言した金総書記時代のプルトニウム型核開発の手法を忘れてはならない。テポドン2改良型(北朝鮮の弾道ミサイル=写真下段は、2月17日付『讀賣新聞』第3面から転写)は既に一万㌔/㍍以上の射程距離を持っているというではないか。「平和利用」に欺されて食糧支援などするべきではない。
 食糧問題の癌は中華人民共和国である。餓死する国民を他所に北朝鮮が存在しうるのは、この国家の支えがあってのことである。北朝鮮崩壊によって蒙る自国の難のみを考えて行動することは、世界的観点からすればマイナスになることを認識すべきだ。見切る時期を誤れば、既に抱えている何億という難民同然の自国民のうえに、多くの北朝鮮難民を抱え込まなければならないだろう。大混乱は避けられない。

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