北海道・羅臼漁協協同組合所属の漁船(羅臼漁港の写真は、『ウィキペディア』から転載)による秋サケ密漁事件に関して、十二月十四日、北海道は、第38立正丸(足達船主他三人)と第53寶来丸(魚津船主他二人)の七人、松田雅行(松田水産社長)、合わせて八人、及び丸宝魚津漁業(羅臼)と松田水産(釧路)の二法人を、道海面漁業調整規則違反の容疑で釧路地検に書類送検した。
書類送検の直接の容疑は、足立船主や魚津社長らが「10月12日、羅臼沖で、同規則で秋サケ漁では禁じられている固定式刺し網で、秋サケ427匹(計1235㌔・㌘)
を捕獲し、羅臼町内にある松田水産の工場に、販売しようと運んだ疑い。一方、松田水産は、密漁サケと知りながら買い受けた疑い」(12月15日付『讀賣新聞』第35面)だが、同漁協が同日、密漁は送検された二隻以外にも十六隻が行っていたと発表したことから、大がかりに組織的に行われていたことが明らかになり、記者会見で陳謝する羅臼漁協の木野本伸之専務(写真は、12月15日付『北海道新聞』第29面から転写)は、具体的な再発防止策を打ち出すことができなかった。
今回の二隻は、昨年にもホッケ刺し網漁でVMSの電源を意図的に切って処分を受けており、漁協所属の漁船による違法操業は後を絶たず、常態化している。道では、再三の指導にもかかわらず密漁が繰り返される現実を重視し、来秋の各種刺し網漁を認めない方針を漁協に伝えた。漁協の指導の甘さも密漁横行の原因の一つであり、二度とこのようなことが起こらないように、と口先だけで陳謝するだけでは済まないだろう。密漁の噂を耳にしながら何の手も打たない漁協は完全になめられているのだ。全組合員に法令順守を徹底させる権威も気概も意欲もないのだろう。道の厳しい処分で潰れる船主が出ても漁協はご安泰か?
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