九月二十三日(日本時間二十四日)、米大リーグ・マリナーズのイチロー選手が10年連続200安打を達成(記録達成=画像上段は、9月25日付『讀賣新聞』第35面から、画像下段<左>は、9月24日付『北海道新聞』夕刊・第1面から転写)、自己の連続記録を更新し、通算でも、4256安打(大リーグ歴代1位)のピート・ローズの10回と並んだ。マリナーズに入団当初、派手なホームランが量産されるパワー全盛の大リーグで、イチロー選手の評価は極めて低かった。
今でも、ピート・ローズは、表面上十年連続の偉業(年度別成績=画像下段<右>は、前掲新聞・第21面から転写)を称えつつも、あからさまに、一番打者として四球の数を含めた出塁率の高さ、フルスイングの長打の数で自分が勝っていると主張している。つまり、こせこせしたバント安打や足でかせぐ内野安打を軽蔑しているのである。しかも、日米通算を認めず、日本のプロ野球を見下す人種的偏見の臭いがしないでもない。 長打を競うパワー全盛から守備力・投手力を重視する野球に移りつつある大リーグで、10年連続200安打という数字は、やはり偉業と言うべきだろう。優れた動体視力・しなやかな肢体と敏速な脚力・長距離移動を伴うハードなスケジュールに対応した体調維持・ボールに対する集中力等、どれ一つでも蔑ろにできない。
打率3割として、200安打に達するには少なくとも140試合は必要である。怪我をしないで十年間140~160試合に出場し、安打を打ち続けるのは容易なことではない。スタンドからの祝福に対して控えめにヘルメットを掲げて応える姿は、いかにも冷静なイチロー選手らしい。昨年の九年連続の際、加齢による体力の衰えがささやかれ、私も同様に考えたが、イチロー選手は今シーズン、152試合で41盗塁という数字でもって限界説を見事に払拭してみせた。見事なものだ。
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