タラノキ(タランボ)は、若芽が山菜として珍重され、乱獲が目立つ。幹があまり分岐しないため、若芽がすべて採取されると枯死する。採り場を長く維持するためには、芯の一番芽だけを指でもぎ採り、二番芽と三番芽を残すことが肝心である。
質(たち)が悪いのは、刃物で木質部を断ち切って若芽を採取する輩(やから)で、最も悪質なのは、ビニールハウスの中で促成し若芽を早春に出荷しようと、冬芽付き穂木(10~15㌢で、挿し木が目的ではない)を大量に集める栽培者だろう。天頂を切断された木は、脇芽が下部にあれば生きながらえるが、だいたいは枯死に至る。
写真下段<左>は、伸びが遅れたのが幸いして採取を免れた芯の一番芽。写真ではよく分からないが、若芽と木質部前面との境目に小さな二番芽、すぐ右下に三番芽がある。
写真上段では、一番芽がもぎ採られた後に二番芽が採取可能な大きさに伸び誘惑に駆られるが、これを採らないことで木が長持ちする。写真下段<中>は、若芽の伸びが遅かったせいで採られないで助かった。写真下段<右>は樹齢5~7年くらいの若木で、まだ数年は採取しない方がよい。
この採り場に入った採取者は、総じて節度のある採り方をしているので、毎年、木が枯れないよう採取量を抑制し、採り場を大事に維持してきたと思われる。私たち(チックとタック)は、この採取者の心得を尊重し、タラノメには一切手をつけなかった。
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