タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪日産・富士重工・日野、赤字転落≫

2 世界的な新車販売不振と急激な円高の影響を受け、日産自動車(新しく横浜みなとみらい21地区に建設中の本社の写真は、HP<造船・船舶の画像>から転載)は十五日、〇九年三月期連結決算の営業損益が数百億円程度の赤字になると公表した。
 赤字転落は、カルロス・ゴーン(写真は、『ウィキペディア』から転載)体制後初めてだが、今後の為替レートの変動次第で、赤字幅がさらに大きく膨らむ可能性もある。
Photo_4 平成二十年五月に発表された〇八~十二年度の中期経営計画では、「新型車を60車種投入して、世界販売台数を09年度に420万台まで引き上げるとしていた」(1月16日付『讀賣新聞』第8面〈経済〉)が、これまでに大幅な削減を余儀なくされ、さらに十五日の六万四千台追加減産発表で、日産の〇八年度国内減産は二十八万九千台(世界全体では五十万台を超える減産)となる。
Photo_5 富士重工業(本社写真は、『ウィキペディア』から転載)も、十六日、〇九年三月期連結決算の業績予想を下方修正し、純損益が百九十億円の赤字に転落すると発表した(1月17日付、同新聞・第8面〈経済〉参照)。
 日野自動車も同日、赤字転落を発表し、白井芳夫社長は、新工場の建設候補地の茨城県古河市内の県有地について、「建設するかどうかも含め、時期や規模は未定」(同新聞)と述べるに止まった。
 自動車業界は、トヨタを筆頭に各社とも日本国内での販売不振を、北米や中印露などの新興国への輸出で補い、海外投資を拡大してきたが、今回の世界同時不況で、為替の変動に大きく左右される輸出に大きく頼ることがいかに危険と表裏一体か思い知らされただろう。日本車は世界不況でも生き残れる、という増長の報いが今出ているのだ。

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