タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ オバマ大米統領の人事 ≫

P1030807 オバマ米大統領は、就任百日目の四月二十九日、記者会見で「普通の政権なら直面する重大問題は二、三件だろうが、私たちは七、八件に同時に対処した。私は自分のチームを誇りに思う」(5月2日付『北海道新聞』第5面〈国際〉、写真上段を転写)と、閣僚や側近たちの任務遂行を称賛した。
 しかし、新大統領の人事は、初めから失敗続きで、自らの経験と人脈の不足を露呈した。ポストに指名されながら不祥事や納税漏れによる辞退が相次ぎ、ガイトナー財務長官については、今も辞任説が取りざたされ、適任性に疑問符がついている。
P1030787P1030790 五月二十七日に発表された主要国・地域大使十二人も、「大統領と個人的に親しい知人や、大統領選で貢献のあった大口寄付者の登用で」(5月29日付『讀賣新聞』第7面〈国際〉)、国際的経験や赴任国への知識が乏しいため、外交官としての能力の有無が懸念される。
 人選が、大統領選の論功行賞・個人的に信頼できる人材・国務省幹部の三本立てになっているのは、クリントン国務大臣との関係に配慮した結果だろう。
P1030789 新駐日大使のジョン・ルース氏は論功行賞組の一人で、日本との関係は薄い。敏腕法律家ではあっても、日米のパイプ役として外交手腕を発揮できるかどうかは未知数である。ある意味では、残念ながら、日本はオバマ大統領から軽く見られたと言えなくもない。

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