中川昭一・財務相兼金融担当相が、二月十四日、先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議閉幕後の記者会見で、呂律(ろれつ)の回らない酩酊状態で迷言を連発した醜態(写真は、2月17日付『北海道新聞』第29面〈第1社会〉から転写)の報(批判記事の写真は、同日付『讀賣新聞』第2面〈総合〉から転写)は、あっという間に世界を駆け巡った。
経済危機を克服するための国際会議に出席するというのに、大臣が自己の健康管理も碌にできないようでは、日本は危機感が欠如していると思われても仕方がない。首相も財務相も、総選挙しか頭にない小沢・民主党代表も同じ穴の狢だ。平成二十一年度予算審議の国会で代表質問にも立たない小沢に、麻生や中川を批判する資格はない。 米商務省が二十七日に発表した08年10ー12月期実質GDP成長率(グラフは、2月28日付『北海道新聞』第8面〈経済〉から転写)は、年率換算で-6.2%と急激に落ち込んだが、主要先進国の中で比較的堅調と見られていた日本経済が、-12.7%と大幅なマイナスだった。
日本の予想外の急速な実体経済の減速は、政府が危機に敏速に対応できなかったせいだが、それ以上に、日本は大丈夫だ、という慢心の結果ではないのか。二月中旬以降の円安傾向は、投資家の日本経済に対する不信感の表れであって、「中川もうろう会見」が円売りを一挙に加速させた。
中川の酒癖の悪さは父・一郎譲りで、政界では、宮沢喜一・元首相と並んで夙に広く知られていた。そのようなアルコール依存症の議員を、小泉・安倍内閣(農水相・経済産業相・党政調会長)に引き続いて、麻生首相が重用してきた責任は重い。
飲兵衛の悪党面を今後も見るに忍びない。この際、潔く政界を去るべきだろう。
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