※ 本の帯カバーとカバーを転載
曾野綾子『人間の分際』幻冬舎新書383
発行所 株式会社 幻冬舎
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7
発行日 2015 年7月 30 日(第一刷)
2015 年8月 25 日(第六刷)
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室
他人より体格が優れ動きが敏捷でしかない体育の低脳教員が、跳び箱・マット運動・器械体操などができない生徒を、「おまえら、ホッテントットか」と罵倒したのである。人種差別と子供に対する人権無視の典型で、今なら懲罰の対象だ。しかし、生徒が「平方根や三角関数も知らないくせに、 威張りくさって、何様のつもりだ」などと言い返すことはできない。「できないものはできない」と内心諦めるしかなかった。
人間の能力には限界があって、「為せば成る」だとか「無限の可能性」だとか「努力は報われる」だとかは、稀有な特殊人間にしか当てはまらない。誰もが軽業師になったり、ノーベル賞を貰ったり出来るわけがない。