タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

<根性論「為せば成る」は幻想=私の読書週間>

   <根性論「為せば成る」の幻想を打ち砕く本の紹介>
    
※ 本の帯カバーとカバーを転載

 曾野綾子『人間の分際』幻冬舎新書383
  発行所 株式会社 幻冬舎
       東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7
  発行日 2015 年7月 30 日(第一刷)
      2015 年8月 25 日(第六刷)
  ブックデザイン 鈴木成一デザイン室

 私は、 この本の存在を、8月 31 日付『北海道新聞』第2面に掲載された広告「幻冬舎新書のベストセラー」で知った。冒頭に掲げられた「『やればできる』というのは、 とんでもない思い上がり」を読んで、 2011 年2月 12 日投稿のブログ <国民の祝日 (建国記念日) と国旗掲揚> 、及び同 10 10 日投稿のブログ <我が家では体育の日に国旗を掲揚しない> に書き記した、 忘れようにも忘れられない屈辱の体験をまざまざと思い出した。
 他人より体格が優れ動きが敏捷でしかない体育の低脳教員が、跳び箱・マット運動・器械体操などができない生徒を、「おまえら、ホッテントットか」と罵倒したのである。人種差別と子供に対する人権無視の典型で、今なら懲罰の対象だ。しかし、生徒が「平方根や三角関数も知らないくせに、 威張りくさって、何様のつもりだ」などと言い返すことはできない。「できないものはできない」と内心諦めるしかなかった。
 人間の能力には限界があって、「為せば成る」だとか「無限の可能性」だとか「努力は報われる」だとかは、稀有な特殊人間にしか当てはまらない。誰もが軽業師になったり、ノーベル賞を貰ったり出来るわけがない。
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