弊社では・・・元々自社開発した機体を使用して、空撮業務を行って来たのだが・・・
随分前になるが、思うところがあって・・以前、新発売したてのJR製のVoyagerGSR260を
空撮に使い出した頃の事である。
この様な場合は・・・当然模型に使用する事を前提に開発・販売されていた機体なので・・・
多少ペイロードがあるからと言って、業務にそのまま(ノーマルで)使用する事は、
機体強度や耐久性からみても出来ないし危険を伴う。
又、Voyagerに限らず、その様な機体を業務用途で使用する場合は、当然・・・自己責任で使用する事になる。
何かトラブル(墜落等)があっても、元々目的外で使用してしまっているので・・メーカーには一切の責任は無いのである。
元々23ccエンジンを搭載していた機体に、半ば無理やり26ccのエンジンを搭載したその機体では・・・
特に重大な問題に発展しそうな個所が・・・すぐに数ヶ所見つかった。
勿論メーカーサイドでは、模型用途に限定して26cc用に大幅な強度UP等の改良がなされていた事は言うまでもない。
しかし、事業務用に使用する事を前提とした場合、キャブレター不適合の問題や、メインフレームの強度不足及び、
それに伴うメインギヤの破損やテールドライブベルトの耐久性不足など・・・業務用で使用する為には・・・
ざっと数えただけでも、これだけの事を改善する必要があったのである。
Brgのキャパや耐久性など、細かなところを言えば・・・きりが無い。
(※ここで述べている事は、VoyagerGSR260の初期ロット時の事で、キャブレター不適合等は既に改善されていますので、念のため)
新型の260Zでは、随分様々な個所に於いて改善されているのだが・・・・
それでも業務用で使用する事を考えると・・・万全と言う訳には行かない。
又・・・かなり各部を補強したそうで・・・随分と重くなってしまった。
この機体強度と機体重量と言うのは・・・一見すると相反するファクターなので有るが・・・
大体強度を上げれば重くなるのが常であるのだが・・・その割合が重要なのだ。
因みに、260ZとVoyagerGSR260の重量を比較してみると・・・
機体重量が1200gも重くなっている。
これは実に・・・GSR260と比較して、15%以上も機体重量が増えた事を意味している。
1200gと言えば・・・最近のデジタル1眼レフカメラの重量に匹敵するのである。
最近、実際の撮影業務では、このクラスの機体でも・・・中盤カメラとデジタル1眼レフカメラを
同時に搭載して撮影する事が主流になっている。
その事を考慮すると・・・15%も機体重量が増える事はNGであるし、
何としても避けなければならないと考える。
決して飛ばないわけではない・・・機体の耐久性に影響を及ぼすからだ。
従って、詳細を述べる事は出来ないが・・・弊社では機体強度を向上させる場合は、
機体重量を増やさない様に、別の手法を用いて剛性をUPさせている。
或る時・・・そんな事を何処からか聞きつけた、ある仲の良い空撮業者の社長から、
模型ベースの空撮機に付いて相談を受けた。
何でも・・・何年も前にVoyagerGSR260を作ったのだけれども、
メインギヤがすぐに滑めてしまうので怖くて使えないのだが・・・新型の260Zに
替えた方が良いのだろうか・・・?
他には、何か良い方法は無いのだろうか?・・・と言う様な内容だった。
確かに標準仕様(模型のままの状態で)のVoyagerGSR260に過大なペイロードを掛けるのだから・・・
機体が壊れたとしても、それは至極当たり前の事なのだが・・・。
その時既に、弊社ではVoyagerGSR260の対策を全て終了していたので・・・
そこで・・・弊社で使用しているパーツを試に使ってみるかい?・・・と言う事になった。
しかし、それらは・・・・超少量生産なので・・・・パーツ事態の価格が高いのがネックだと説明した。
元々それらの対策パーツは自社用で、販売する事は視野に入れていない為に、
必要最小限だけ生産している。
従って、そのストックに余裕はない。
先ず手始めに、Voyagerの何が問題なのかを聞いた処・・・とにかくメインギヤの欠損を、
何とかして欲しいとの返答があった。
弊社では、アッパーフレームの剛性不足を改善する為に、上記の写真の様なフレームを製作して使用していた。
このフレームはCCPM仕様ではなく、訳あってノーマルリンケージ用のフレームである。
このスペシャルフレームは、純正の材質からより高強度な材質に変更した為に・・・
劇的にフレーム剛性が向上して、現在も第一線で活躍している。
最初そのフレームが欲しいと言われたのだが・・・しかし現在では・・・制御機器の関係で、
CCPMでも問題が無く使用出来る様になっている。
そんな訳で、新たにCCPM用のフレームを作ろうか?・・・と言う事になった。
その結果完成したのが・・・下の写真である。
このフレームは・・・当然・・・相談を持ちかけてきた空撮業者の社長に供給された。
その社長は、早速そのフレームに換装してフライトテストを行った。
結果・・・改良されたVoyagerGSR260を使用して猛然と撮影を開始したのである。
何か・・・敵に塩を送ってしまったか(ナンテネ)・・・???との想いも有ったが、
安全に撮影作業を行う為の一助になれば私も嬉しいし、業界発展の礎にもなる。
そこは懐の深さで、提供したのである。(自分で言うのも何だが・・・)
その社長との後日談で、あまりにVoyagerが調子良くなってしまったので、
ここ2年間は殆どVoyagerで仕事をしていたとの事。
それまでは62ccの機体を常用していたのだが・・・それを使用する必要が無かったのだという。
結果、62ccの出番は殆ど無く・・・数回しか使用しなかったとの事であった。
しかしそんな訳で・・・その会社から次から次へと相談を持ちかけられる事に・・・・。
この話の続きは・・・次回に・・・。
PS:この話は、弊社の持論や経験則に則ってお話していますので、
事実と異なる事もあるかも知れません。予めご了承願います。
随分前になるが、思うところがあって・・以前、新発売したてのJR製のVoyagerGSR260を
空撮に使い出した頃の事である。
この様な場合は・・・当然模型に使用する事を前提に開発・販売されていた機体なので・・・
多少ペイロードがあるからと言って、業務にそのまま(ノーマルで)使用する事は、
機体強度や耐久性からみても出来ないし危険を伴う。
又、Voyagerに限らず、その様な機体を業務用途で使用する場合は、当然・・・自己責任で使用する事になる。
何かトラブル(墜落等)があっても、元々目的外で使用してしまっているので・・メーカーには一切の責任は無いのである。
元々23ccエンジンを搭載していた機体に、半ば無理やり26ccのエンジンを搭載したその機体では・・・
特に重大な問題に発展しそうな個所が・・・すぐに数ヶ所見つかった。
勿論メーカーサイドでは、模型用途に限定して26cc用に大幅な強度UP等の改良がなされていた事は言うまでもない。
しかし、事業務用に使用する事を前提とした場合、キャブレター不適合の問題や、メインフレームの強度不足及び、
それに伴うメインギヤの破損やテールドライブベルトの耐久性不足など・・・業務用で使用する為には・・・
ざっと数えただけでも、これだけの事を改善する必要があったのである。
Brgのキャパや耐久性など、細かなところを言えば・・・きりが無い。
(※ここで述べている事は、VoyagerGSR260の初期ロット時の事で、キャブレター不適合等は既に改善されていますので、念のため)
新型の260Zでは、随分様々な個所に於いて改善されているのだが・・・・
それでも業務用で使用する事を考えると・・・万全と言う訳には行かない。
又・・・かなり各部を補強したそうで・・・随分と重くなってしまった。
この機体強度と機体重量と言うのは・・・一見すると相反するファクターなので有るが・・・
大体強度を上げれば重くなるのが常であるのだが・・・その割合が重要なのだ。
因みに、260ZとVoyagerGSR260の重量を比較してみると・・・
機体重量が1200gも重くなっている。
これは実に・・・GSR260と比較して、15%以上も機体重量が増えた事を意味している。
1200gと言えば・・・最近のデジタル1眼レフカメラの重量に匹敵するのである。
最近、実際の撮影業務では、このクラスの機体でも・・・中盤カメラとデジタル1眼レフカメラを
同時に搭載して撮影する事が主流になっている。
その事を考慮すると・・・15%も機体重量が増える事はNGであるし、
何としても避けなければならないと考える。
決して飛ばないわけではない・・・機体の耐久性に影響を及ぼすからだ。
従って、詳細を述べる事は出来ないが・・・弊社では機体強度を向上させる場合は、
機体重量を増やさない様に、別の手法を用いて剛性をUPさせている。
或る時・・・そんな事を何処からか聞きつけた、ある仲の良い空撮業者の社長から、
模型ベースの空撮機に付いて相談を受けた。
何でも・・・何年も前にVoyagerGSR260を作ったのだけれども、
メインギヤがすぐに滑めてしまうので怖くて使えないのだが・・・新型の260Zに
替えた方が良いのだろうか・・・?
他には、何か良い方法は無いのだろうか?・・・と言う様な内容だった。
確かに標準仕様(模型のままの状態で)のVoyagerGSR260に過大なペイロードを掛けるのだから・・・
機体が壊れたとしても、それは至極当たり前の事なのだが・・・。
その時既に、弊社ではVoyagerGSR260の対策を全て終了していたので・・・
そこで・・・弊社で使用しているパーツを試に使ってみるかい?・・・と言う事になった。
しかし、それらは・・・・超少量生産なので・・・・パーツ事態の価格が高いのがネックだと説明した。
元々それらの対策パーツは自社用で、販売する事は視野に入れていない為に、
必要最小限だけ生産している。
従って、そのストックに余裕はない。
先ず手始めに、Voyagerの何が問題なのかを聞いた処・・・とにかくメインギヤの欠損を、
何とかして欲しいとの返答があった。
弊社では、アッパーフレームの剛性不足を改善する為に、上記の写真の様なフレームを製作して使用していた。
このフレームはCCPM仕様ではなく、訳あってノーマルリンケージ用のフレームである。
このスペシャルフレームは、純正の材質からより高強度な材質に変更した為に・・・
劇的にフレーム剛性が向上して、現在も第一線で活躍している。
最初そのフレームが欲しいと言われたのだが・・・しかし現在では・・・制御機器の関係で、
CCPMでも問題が無く使用出来る様になっている。
そんな訳で、新たにCCPM用のフレームを作ろうか?・・・と言う事になった。
その結果完成したのが・・・下の写真である。
このフレームは・・・当然・・・相談を持ちかけてきた空撮業者の社長に供給された。
その社長は、早速そのフレームに換装してフライトテストを行った。
結果・・・改良されたVoyagerGSR260を使用して猛然と撮影を開始したのである。
何か・・・敵に塩を送ってしまったか(ナンテネ)・・・???との想いも有ったが、
安全に撮影作業を行う為の一助になれば私も嬉しいし、業界発展の礎にもなる。
そこは懐の深さで、提供したのである。(自分で言うのも何だが・・・)
その社長との後日談で、あまりにVoyagerが調子良くなってしまったので、
ここ2年間は殆どVoyagerで仕事をしていたとの事。
それまでは62ccの機体を常用していたのだが・・・それを使用する必要が無かったのだという。
結果、62ccの出番は殆ど無く・・・数回しか使用しなかったとの事であった。
しかしそんな訳で・・・その会社から次から次へと相談を持ちかけられる事に・・・・。
この話の続きは・・・次回に・・・。
PS:この話は、弊社の持論や経験則に則ってお話していますので、
事実と異なる事もあるかも知れません。予めご了承願います。
もしかして・・・私じゃないと思うが、この後の展開が楽しみです。
でも、本当に助かってます。お蔭様でガソリン代が、半分以下になりました!それ以上に良い事がいっぱいです。
その為・・社長にも少し登場して頂きました。
この話はピニオンギヤまで進みますので、
お楽しみに。