ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

S800の不具合に付いて

2012-06-23 09:13:19 | マテリアル
最近・・・弊社とお付き合いのある同業者が購入した、DJI製のS800と言うマルチローターの
不具合が多発している。


その現象とは・・・アンプが焦げたり、モーターが停止したりする。

つい最近も・・・そんな情報を入手したので、その業者に直接電話を掛けて、聞き取り調査を行った。


また、弊社の機体だけ?か、どうかは判らないが、ほぼフルペイロード状態に於いて、風の無い時の
ホバーリング時等、プロペラ回転が大きく変化する要素が無い様な状況下でも、プロペラが過回転する
様な症状が度々発生していた。

もしかしたら・・・プロペラの異常回転?も、そのトラブルの内の一つなのでは無いか?と考えている。


それらの原因は・・・症状は違えど、恐らく同一個所が原因で全て発生していて、
その程度の大小で症状が違って現れているモノと思われる。


この事に付いては・・・弊社の独断でトラブルの原因を特定しているのだが・・・。

原因は・・・恐らく、アンプ基板の根本的な設計ミスとモータートルクアームの構造上の問題である。
そこに・・・製造時の組み付け不良が重なっていて、2重3重の原因が存在していると考えている。


既に弊社では、それらを踏まえ、その対策を行っているのだが・・・構造上、その対策にも限界がある。



その理由とは・・・S800の電源回路はモジュール化されている為に、内部構造がどうなっているのか?
実際には判らない為で・・・従って、見える所や、手が届く所の対策しか行う事が出来ないのである。




注意して機体各部を点検すると・・・チョット見ただけでも、ヤバそうな個所が散見されるのである。

従って・・・見える所だけ対策を行った・・・と、言うのが正しいのだろうと思うのだが・・・もしも、
見えない個所も同じレベルで組み立てられていたとすると・・・それも根本的な対策にはなり得ないだろう。



あくまでも噂の話だが・・・それによると、先行販売された諸外国では、既に相当数の機体が出荷されていて、
それらの先行納品されたS800が・・・墜落しまくっているのだと言う。




しかし・・・幸い日本ではその様な報告は少ない。

恐らくその理由は、日本国内には最近入荷し始めて日が浅い為か?・・・実際に飛行している機体は、
それほど多く存在していない事から、墜落の報告が少ないのだろうと考える。


但し・・・現在の状況を野放しにして於けば・・・諸外国同様に墜落事故が多発する可能性があるので、
今回、注意喚起を行うものである。



現在・・・メーカーサイドからは、そのトラブルに付いて正式な発表は無い。



メーカーサイドから正式な発表が無い以上・・・それらのトラブルの原因に付いて、詳細な言及は避けたい。


しかし、弊社の経験からすると・・・メーカーの根本的な体質に問題があるので、恐らく今後も
正式な発表など・・・無いのだろうと考えている。


いずれにしても・・・現在、数社の日本総代理店から、トラブルが発生した機体を修理の為に、
数機メーカーに送っている。


修理が完了して返却された機体は、未だ1台も無い様なので何とも言えないのだが・・・もし弊社で特定した
個所が原因でトラブルが発生していた場合には、その部分になにかしら手が加えられて返却されて来るだろう。

それらの修理が完了し返却された時点で、メーーカー改修された機体を良くチェックした時に、十分な対策が
行われている場合で、尚且つ、弊社で実施した対策よりも優れていると判断出来た場合には、弊社の機体も
メーカーで改修させようと考えている。


いずれにしても・・・今回のトラブルは、早いモノでは僅か数フライトでモーターが停止するし、
ある程度の回数調子よく飛行出来て、自分の機体は大丈夫そうだ・・・と、思っている矢先に
アンプが燃えたりする様なので・・・気が抜けない上に、始末が悪いのだ。



どちらにしても・・・オリジナルのS800をそのままの状態で使用する事には危険が伴う。


因って・・・S800を購入したユーザー自身に、トラブルの原因を究明する能力が有って、
尚且つ、それらの対策を行える場合には・・・その対策を行った上で機体をフライトさせるべきだろう。


そうでないユーザーに付いては、原因がハッキリするまでは・・・フライトを自粛する必要があると考える。


その理由は・・・恐らく、遅かれ早かれ、ほぼ100%の確率で、そのトラブルが発生する可能性が有るからだ。


増してや・・・フルペイロード状態で今回の様なトラブルに遭遇した場合には・・・唯では済まない事は、
誰にでも容易に想像出来る。


それでも正常な状態に於いては、S800はペイロードも有るし、フライト時間にも余裕がある。

以上の様にクリアーすべき問題点が多い事も事実なのだが・・・それらを差し引いても基本的に性能が高い。

因って、使い熟せれる事ができれば・・・魅力のある機体である事は間違いない。

それだけに・・・今回の様な不具合は大変残念であると同時に、メーカーには真面目にやって貰いたいと思う。


従って、繰り返しになるが・・・実際に飛行させたり運用する場合には、細心の注意が必要で有ると考える。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
S800対策 (KELEK)
2012-06-24 05:41:28
ほんとうに困ってしまいますね。うちも購入したのですが、U社長さんの事例があってから様子をみていてまだ組み立てていない状況です。
返信する
マルチの開発は如何ですか? (ASTKF)
2012-06-25 06:41:10
マルチの開発が進んでいる様ですね。
YouTubeで拝見しています。
大体いつも同じ場所でテストしている様ですが、近所にあのような場所が有るのですか?

弊社のS800は、一応出来る限りの対策を行いましたが・・・完璧かどうかは判りません。

今の処は、正常に飛行している様です。

ASTKF K
返信する
S800もうしばらく様子をみます。 (KELEK)
2012-06-25 21:50:52
小型のマルチコプターの方は順調です。映像撮影に使っていきたいのですが、非常に難しいですね。テストは、ほとんど同じ場所です。こちら八王子は飛行する場所がすごく少なくなってしまい、今の場所を重宝しております。
S800もうしばらく様子を見ることにします。原因が分かり対策も完璧な状態になれば、素晴らしい撮影装置になりえますね。
返信する
耐久テスト (ASTKF)
2012-06-27 05:41:06
KELEKさん、お早うございます。弊社でも、中々S800を実践投入出来ずにいます。現在、出来うる限りの対策を行って、耐久テストをしています。対策の成果が表れているのか?どうかは判りませんが、対策後はモーターの回転が急に高くなる様な事はありません。今後も耐久テストを暫く続けて、様子を見たいと思います。
それから、S800の振動は中々厄介です。小型マルチとは次元が違う様ですので、お互い頑張って調整しましょう。
返信する

コメントを投稿