ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

業務用の機体強度に付いて・・・パート3

2012-02-06 08:47:54 | マテリアル
昨日の・・・続きである。

メインギヤの強度を向上させる場合には、幾つかの方法がある。

一つは、同じ材料を使用して、単純に歯車を厚くする方法だ。

スペース的な制約が無ければ・・・この方法が一番手っ取り早い。

他には、根本的に材質を変更するか、形状(ギヤの種類)を変更する。

又は、モジュールを変更する手もある。

しかし、この方法も当然寸法が変化するので、フレームを新規に作り直す必要がある。

でも・・・既にフレームは作ってしまっている。

出来れば、フレームを新規に作り直す事だけは・・・避けたいのである。


この様に、問題を解決する方法は幾つかあるのだが・・・実際には寸法的な制約が多く
幾多のクリアーすべき難関が待ち受けていて・・・そう簡単な訳にはいかないのが・・・常である。


上記の中でも、一番現実的なのは・・・材質そのものを強度がより高い材質に変更する事なのだが・・・・。

だとすると・・・現在のポリアセタールから、より高強度のナイロン素材に変更する事となる。

一口にナイロン素材と言ってもいろいろある。

ナイロン素材は、素材ごとに色が違うので・・・・現物を見れば何の素材なのかは?直ぐに判断出来る。


しかし、それらの素材には・・・欠点もある。


それは・・・ナイロン素材全般に通じて言える事だが・・・吸湿性があると言う事だ。


通常ナイロン素材を加工する時には、事前に耐水試験と言う工程を経て加工するのが一般的である。

これを行わずして加工してしまうと・・・・後で組み付ける事が出来ない・・・
或いは・・・・調整したバックラッシュが狂ってしまうのである。

要は・・・設計上の寸法精度を維持できないと言う事だ。


勿論、専門の歯車屋さんであれば、適切に加工してくれる事は言うまでも無い。


そう言えば・・・以前ある模型メーカーがオプション扱いで販売したメインギヤが同様の理由から、
回収されていましたね。


しかし、折角新規にギヤを製作するのに、例え材質を変更したとしても、
純正と同じ寸法で製作するのは・・・余りにも能がない。


特にガソリン機に使用するメインギヤの場合、エンジンのトルク変動が大きい為にその影響をもろに受ける。

従って、出来れば・・・この部分の強度だけはオーバークオリティーにしたいのである。


早速、どの位ギヤを厚く出来るのか調べて見た・・・・う~ん・・・思わず唸ってしまった。

意外に・・・寸法的な余裕がないのである。

何とか頑張って・・・1mm厚く出来るかどうかなのだ。

それでも厚くする事で・・・10%位は強度的に向上するのだが・・・
最低30%位は強度を向上させたいのである。

せめて2mm位、ギヤの厚さを増す事が出来れば、材料の変更との相乗効果で30%位は強度が上げられる。


しかし、寸法を大幅に変更できない以上・・・・平歯車は諦めざるを得ない状況である事が判った。


残るは・・・斜歯(はすば歯)歯車で企画するか・・・?

すると・・・ヘリカルギヤとも言うタイプで前後のピニオンギヤも、斜歯で製作する必要がある。

しかし、ギヤを斜歯にすると・・・新たに製作する部品点数が増えてしまう事と、
別の問題(不具合)も発生する事が予想されたのだが・・・。

そこは・・・ギヤの設計で何とかする???


次回に・・・続く。





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