破壊と再生
カウンセリングの中で「破壊と再生」が繰り返されます。古い自我を破壊し新しい自我を再生する作業を行ないます。古い自我に支配されている、しがみついている限り本来の自分を取り戻すことは出来ません。幼いときに刷り込まれた価値観がある限り行動パターンを変えても、また元の状態に戻ります。元の土台は強固です。永年培ってきた土台ですので少しずつ、破壊と再生を繰り返さなければなりません。家を建てるのと同じです。基礎がしっかり出来ていなければ崩れてしまいます。初めは強固に建っていますが圧力によりゆがみ歪みがおこります。歪んだところを補強、修正しても又、強い圧力が加われば、再び歪み崩壊の道を辿ります。一旦、その歪みを破壊し、新しく再生する方が、強固な家が建ちます。
破壊の恐怖
しかし、この破壊は恐怖に繋がります。問題が有りながらも一応出来上がっている自我です。又、それなりに生活全般、対人関係、家族関係が整っているのです。折角、築き上げた人生を破壊すると言うことは恐怖しかないのです。対人関係が壊れますし、人からは嫌われます。悪い子になったり、ハブられます。この見捨てられる恐怖には耐えられません。独りでいてるより、苦しくても誰かに見捨てられない方が楽だと思い込んできます。一生懸命、古い時価を守ろうと頑張ります。この古い価値観、しがらみに固守している限り本当の自分を再生することは出来ません。自分を取り戻したい人には「古い自我」は必要ないのです。破壊する事により「新しい自我」が再生されるのです。
蛻変:ぜいへん
【蛻変】毛虫がさなぎを経て蝶になる変化を言います。正に「破壊と再生」です。毛虫は本来の姿ではありません。蝶になる前の姿です。でも皆から嫌われます。誰からも愛さず、孤独で、毒の毛で身を守ります。やがて、さなぎに成り硬い殻の中で、再生の時期を待つのです。硬いさなぎの殻の中で再生を図るのです。さなぎの中では毛虫の姿はありません。さなぎの中で毛虫の姿を溶かして「毛虫」を破壊するのです。そこから、「蝶」の姿に再生をするのです。やがて、さなぎの殻が破れ、その中から華麗な蝶の姿で羽ばたいていきます。蝶になれば皆から愛されます。「破壊と再生」です。私達も、偽りの姿で生きるより、本当の姿で生きる事が大切です。
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