2025.1.12
今年最初のコンサートは、1月12日に開催された亀井聖矢さんの、東京渋谷・オーチャードホールでのオール・ショパン・プログラムの第2回室内楽編でした。共演者は、ヴァイオリン・東涼汰さん、チェロ・佐藤晴真さん、とこれからの活躍が楽しみな若手演奏家達です。
第1回は聴いていないのですが、2023年10月にピアノだけのリサイタルが開催されたようです。今年7月にも協奏曲編のコンサートがオーチャードホールで予定されているようですが、この3回シリーズは10月開催のショパン国際ピアノコンクールに向けての演奏会と思われます。
昨年、ラ・フォル・ジュルネでの亀井聖矢さんのコンチェルトを聴きに行きましたが、ステージからの距離が遠く音響も悪い場所でもあったため、オケとピアノの音ズレが発生し私の中では残念なコンサートとなりました。ところが今回のオーチャードホールの席も、取れた席は2階の最後列の隅っこのB席で、上に3階席の屋根があるため明らかに良い音響では聴けない場所でした。(いずれも姉が席を取ったのですが、先行予約でこの席しか取れなかった?、そうです…。)
オーチャードホールも、東京国際フォーラムと同じように、クラシックコンサート用に設計されていないので、屋根がある場所だと音がそこにぶつかって細くなり聞こえづらくなります。良い音響を楽しみたい人は、1階も2階も屋根のないところがお勧めてす。2階の後方を取るくらいなら3階席の方が良いという意見もあるようです。オーチャードホールでクラシックを聴こうとする場合はご参考までに。
思いがけず、良い席が手に入る:
チケットは早くから完売だったはずでしたが、コンサートの前日に、オーチャードホールがS席を数席開放したという情報をSNSを通して知りました。恐らく主催者か出演者の招待者用に確保されていた席だと思います。前述の通りチケットは持っていましたが、新年早々、音響の悪い席でコンサートに臨みたくないという気持ちが強くなり、急いでそこの席を確保しました。
つい先日、ピアニスト藤田真央さん出演のコンサートでも数席開放があったようです。
こういうこともあるのですね。
演奏曲目(いずれもショパン):
第1部:
・バラード第3番変イ長調Op.47
・ポロネーズ第5番嬰へ短調Op.44
・ポロネーズ第6番変イ長調Op.53《英雄》
・ポロネーズ第7番変イ長調Op.61《幻想》
第2部:
・ピアノ三重奏曲ト短調Op.8
ショパンのピアノ三重奏曲はとても珍しいもので、ショパンが書いた室内楽曲5曲の中でヴァイオリンの入った三重奏はこれが唯一です。他4曲は、ショパンがチェリストと親交があった影響で、いずれもピアノとチェロの二重奏。
演奏前に3人のトークもあり、この曲はヴァイオリンの持ち味であるE線を鳴らす高音部が少なく、ヴィオラの方が良かったのではないかと、東涼汰さんの説明がありました。
亀井聖矢さんは三人の中で一番年下で、桐朋学園大学のソリスト・ディプロマコースに在籍中の現役学生。このコンサートの2日前に試験があり、この三重奏を演奏したそうです。東涼汰さんについてはブログに何回か投稿していますので省略しますが、東京芸大出身の佐藤晴真さんは、2019年のミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で日本人として初めて優勝したチェリストです。三人の中で最年長(28歳)で、チェロのような低音ボイス、落ち着いた雰囲気の方です。
亀井さんは、新しいことに興味を持ったり挑戦する一方、落ち着きがない性格、と二人にいじられていました。仲良さそうでしたね。(笑)
アンコール曲:
・エチュード第11番イ短調Op.25-11《木枯らし》
・ロマンス~ピアノ協奏曲第1番第2楽章を三重奏用に編曲されたもの
(編曲:山下康介氏)
亀井さんの演奏についての感想:
ポロネーズは、情感や曲表現に関して云えば、完成度が今少しという印象。
一方、アンコールの木枯らしのエチュードは完璧で素晴らしかったです。
今年のショパン国際ピアノコンクール、亀井さんには頑張ってほしいですね。